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コーヒーのマイナス面って、カフェインだけなんですか?
あの苦さを思うと他にも色々あるような気がしてならないんですが、例えば飲むと胃が荒れるとかいうのも基本的にカフェインが原因なんでしょうか?
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
コーヒー? (スコア:0)
コーヒーのマイナス面って、カフェインだけなんですか?
あの苦さを思うと他にも色々あるような気がしてならないんですが、例えば飲むと胃が荒れるとかいうのも基本的にカフェインが原因なんでしょうか?
Re:コーヒー? (スコア:2, 参考になる)
出典忘れたけど、動物実験では、コーヒーと胃粘膜の損傷に相関は無かったそうです。
コーヒーがぶ飲みするような状態は、精神的・体力的に追いつめられている状態が多いため、
そのような「通説」ができたのではないか、という結論でした。
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:コーヒー? (スコア:2, 参考になる)
例えば、古典的な胃粘膜損傷の実験動物モデルとして、ラットの水浸ストレス実験(強制水泳実験)というのがあります。体が水に使ったままの状態になるようなケージに入れておくことで、ラットにストレス性胃炎を起こさせるという実験です。現在は動物愛護の観点から、どうしても必要な場合を除いては、あんまり行わないようになってると思いますが。
で、そのときにカフェインを同時に投与しておくと、損傷の度合いが大きくなります。カフェインには胃酸の分泌を亢進する作用があって、通常の場合にはそんなに影響がないんだけど、ストレスで胃炎になりかけのときには、これが増悪させる方に影響してるのだろうと考えられてます。
ヒトにおいても同様に、健常な状態のヒトにとっては問題がないんだけど、胃炎の状態にある人とか、他の原因でストレス性の胃炎を起こしやすいような状況に置かれているヒトにとっては、「胃を荒らす」ことにつながるケースがある、と。
Re:コーヒー? (スコア:0)
胃の状態が悪い時に刺激物を取るのは良くないだろう。
#痔にはコーヒーはてきめんに効くぞ。悪い意味(悪化方向)で(w
Re:コーヒー? (スコア:2)
コーヒー自体が持っているアルカロイドもある。
要は「苦さ」だけではとても語れないということ。
「コーヒーのマイナス面」としてカフェインだけかと言われると、
実際に喫茶店などでコップに入れられたコーヒーになれば、DHO(Dihydrogen Oxide)
問題も出てくるだろう。
真のマイナス面の候補なら、ロースト段階にも求めるべきだとおもわれる。
ローストしておきる有名な反応にメイラード反応があるが、たいていの説明には、
何が起きるのか、何が生成されるのかわからないとあるはず。つまり、ロースト
の結果、毒素ができていても、あなたのコーヒーにはあっても私のコーヒーには
含まれない、なんてことさえおきている可能性がある。
そのため、コーヒーに危険物質が含まれてないと保証することは現在はできない。
さらに、メイラード反応はリンゴが茶色になる反応や、味噌・醤油の色にも関与
していることからわかるとおり、室温でさえおきている反応であるのに、毒素の
可能性をもって危険というのは、もはや食べられるものはほぼないと思われる。
まあ、あれだ。近所の人が1000人にて999人がよいと言ったら、食べても問題ないと
思うし、そうは言っても、ということになると、お好きにすれば?としか言いようがない。
Re:コーヒー? (スコア:1)
「マイナス面」か「プラス面」かはさておき、はっきりとしてるのはカフェインくらい、というのが現状ですね。例えば、変異原性のある物質なんてのはいくつも含まれてますが、in vitroでの効果が、実際にヒトに対しても通用するか、というとそうとは言えないことの方も多いわけで。
実は、カフェインはコーヒーに含まれてる成分の中では、もっとも変動が少ないものだったりします。下の方で「焙煎によって揮発する」と書かれてますけど、実際に焙煎中に昇華で失われる量は生豆中の10%程度で、浅煎りと深煎りの差はたかだか数%程度です。また水にも抽出されやすいので、抽出手法による差も*それほど*大きくはない(エスプレッソの場合は抽出法の関係で使用する豆の量が少ないってのが、おそらくいちばんの理由かと)。また実際に、コーヒーにはヒトに生理的な作用を与えるのに十分な量のカフェインが含まれてますから、デカフェを除き、ほとんどすべてのコーヒーについて「カフェインによる作用が現れる(ただし個人による感受性の違いはある)」と言えます。
ところが、それ以外の成分については、焙煎中に失われるもの、生じるもの、抽出法で濃度に差が出るもの、保温中に新たに生じるものetcであって、必ずしもすべてのコーヒーに共通するとは限らないわけです。さらに、元が植物という、ただでさえ多成分系であるのに加えて、焙焦反応によってさらに多数の化合物が生み出されるため、どういう成分があるかということを特定していくことすら難しい、という部分があります。コーヒーの生理作用の中には、カフェインによらない(デカフェでも見られる&カフェイン単独で再現できない)作用というのもあるんですが、その活性本体を見つけるのは、こういう事情もあって難しい、というのが現状です。
まぁそういった中でも、カフェイン以外では、例えばカフェストールやカーウェオール(cafestol, kahweol)というジテルペン系の化合物なんかも見つかってます。これは植物の中では、コーヒーノキに割と特異的な成分でもあります。もともとは肝臓の解毒酵素の一つであるグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)の活性を亢進させるものとして見つかったもので、発見当時、GSTの活性亢進は食餌由来の発癌物質を解毒することで、腫瘍予防につながると考えられてたため、植物由来の新規抗がん剤の候補として期待され、注目されました(実用化はされませんでしたが)。
ところで、一方では、コーヒー飲用直後に(一過性の)血中コレステロール濃度の上昇が起きることが知られていて、高脂血症や心不全などの循環器系疾患との関連から注目されてたんですが、実はカフェストールやカーウェオールが、肝臓のコレステロール分解酵素も阻害して、結果的に体内のコレステロール量を一過性に増加させるということが判明し、これらのジテルペン化合物は一転して、「悪役」の候補になってしまいました。ただしその後、あくまでこの血中コレステロール上昇は、一過性のものであって、長期的な高脂血症の原因にはならないだろうと考えられてますし、またカフェストールやカーウェオールの濃度が抽出の方法によって変わる(北欧式のボイルした上澄みを飲むスタイルでは多いが、他の淹れ方では少ない)ということも判りました。
で、ここ数年くらい、疫学調査の結果から、コーヒー飲用者では糖尿病や肝がんの発症リスクが低下するということが次々に報告されており(メタアナリシスも含む)、これらもほぼコンセンサスが得られた状態になってきてます。ところが、その活性本体というのが、まだよく判ってはいません。で、おそらくは今後、カフェストールやカーウェオールの役割についても再検証されていくのではないかな、と。実際、そういう観点からの実験報告が、またちらほらと出はじめたような状況です。