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ニューズウィークがこれやってますね。何年か前になんかやらかして(詳細忘れました、どなたかよろしく)、それ以来情報元を明記する、明記できない場合はその理由を書く(「政権を代表して語る立場でないため匿名」とか)、と宣言してました。実際上記のポリシーは守られてるんですが、~のため匿名ってのも結構多いので、読んでる分にはあんまり意味ないかなあ、と思うこともあります。
ニューズウィークで匿名情報源とか情報検証の事件っつーと2005年のやつ [wikipedia.org]かな。wikipediaのほうはちょっとしか読んでないからどんな記事になってるか知らんが。
1.「グアンタナモ米軍基地の取調官が、コーランをトイレに捨てた」 とニューズウィークが報道。情報源は「米政府筋」とされ、匿名。 記事自体は、この基地の収容者への扱いは酷いもんだ、という内容で、コーラン云々はその極々一部にすぎなかった。2.イスラム圏で反米デモ。これはデモというか暴動に近いもので、国連の事務所、パキスタン領事館などが襲われた。 鎮圧に乗り出した警官隊&米軍部隊と、デモ参加者が衝突し、百名以上の怪我人と十数名の死者が出た。 米軍側も、兵士が拘束されたりした。3.ニューズ誌は掲載の経緯について 「掲載前に、国防総省の人間二人に記事内容へのコメントを求めたが、一人は拒否。 もう一人はコーランの件については何も言わなかった。別の部分への反論はあったけど」と説明。 つまり、反論されなかったから事実と判断したというもの。4.マイヤーズ統合参謀本部議長が「米軍側が行ったという事実は確認できなかった」と話す。 国防総省も「ニューズ誌が報道したような事実は確認できない」と指摘。5.ニューズ誌が「情報源」に再調査し、「記憶が定かではない」との回答を得る。6.ニューズ誌「不確実な内容を載せてしまいました」と謝罪。ただし記事撤回はせず。7.ホワイトハウス報道官「人が死んでるのに撤回しないなんて、理解不能だ」←正直この批難はおかしい気がするが…8.ニューズ誌が記事を撤回(=誤報と認める)。ただし「情報源は信頼に値する人物だ」と弁明。9.国防総省(の報道官)が激怒。 「その人物が適当なことを喋ったせいで、何人も死んだ。これでも信頼できる情報源だってか?」10.情報公開請求を受けたFBIが、「警備兵がコーランをトイレに捨てた」とする収容者の証言メモを公開。 ただし(メモ作成時に)機密文書扱いだったため、収容者や取調官の名前は削除されていた。 また、「収容者が自分でコーランを乱雑に扱い、警備兵のせいにした」とする記録も同時に公開された。11.ホワイトハウスが「(トイレ云々のメモは)誤報にのっかって米軍を貶めようとする、アルカイダメンバーの策略だ」との見解を示す。12.誤報だった、との結論で終着。
ちなみに米軍は一連の調査結果として、コーラン冒涜に相当する行為が十数件あったって報告してる。
# ほぼ同時期にディープ・スロートの正体が明かされてウォーターゲートの話題も活発になり、# 「示唆こそ受けたが、情報の取り扱いは記者自身が徹底して行った」ウォーターゲートと# 「情報検証を怠ったせいで死者を出した」コーラン事件、って形で比較されて、誌はずいぶん批難された。
詳細ありがとうございます。なるほど、誌面を使って大々的に謝罪していたのでかなりやらかしてたんだろうな、とは思ったんですがかなり大きな話になっていたんですね。改善点が行動指針として出てくるあたり、すごいな、やるな、と思った記憶があるんですが、それだけ騒ぎになっていればそうせざるをえなかったのかもしれませんね。
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
Wikipediaが悪いの? (スコア:1)
マスコミが情報の裏づけをきちんと確認していないだけじゃないの?
卒論だってWikipediaを原典としたのはだめじゃなかった?
Re: (スコア:3, 興味深い)
「検証可能性」と言う観点で問題無いと思うんだけど、
単にマスメディアで報道されたと言うだけで、
それを「信頼できる情報源」と見なすと言う事であれば、
実際の運用が目的とそぐわないと言う意味で、ダメだと思う。
これは、Wikipediaの運営上の話ね。
> 日本でもWikipediaに関連して誤った報道がされたけど、Wikipediaが悪いのかな?
> マスコミが情報の裏づけをきちんと確認していないだけじゃないの?
このストーリーは、Wikipediaの運営上の視点でしか無いと思う。
社会の中で誤った情報を流布する事の評価としては、
裏付けを取らなかったマスコミも、
最初にWikipediaに不正確な情報を書いたヒトと同様に悪いけどね。
「マスコミが悪いのか、それとも、Wikipediaが悪いのか」
と言う視点ではないでしょ?
Re: (スコア:2, 興味深い)
(ネットメディアにもその悪習を持ち込む馬鹿が居るけど、)
「○○の取材に対し××社は『△△』と答えた」と言う報道であれば、
広報担当などの代表的窓口が答えたのであろうと言う事で、
後日再度取材する等で「検証可能」なんだけど、
これが「関係者は」だったり、「観測筋によると」だったり、
取材対象がぼやかされてると、内容は検証可能な場合もあるだろうけど、
その様な発言が本当にあったのかどうかは、ほぼ検証不可能だと思う。
(勿論、新聞が多用する「政府高官」「~省幹部」「与党幹部」「首相周辺」も)
Wiki
Re: (スコア:2, 参考になる)
ニューズウィークがこれやってますね。
何年か前になんかやらかして(詳細忘れました、どなたかよろしく)、
それ以来情報元を明記する、明記できない場合はその理由を書く(「政権を代表して語る立場でないため匿名」とか)、と宣言してました。
実際上記のポリシーは守られてるんですが、~のため匿名ってのも結構多いので、読んでる分にはあんまり意味ないかなあ、と思うこともあります。
Re:Wikipediaが悪いの? (スコア:2, 参考になる)
ニューズウィークで匿名情報源とか情報検証の事件っつーと2005年のやつ [wikipedia.org]かな。
wikipediaのほうはちょっとしか読んでないからどんな記事になってるか知らんが。
1.「グアンタナモ米軍基地の取調官が、コーランをトイレに捨てた」
とニューズウィークが報道。情報源は「米政府筋」とされ、匿名。
記事自体は、この基地の収容者への扱いは酷いもんだ、という内容で、コーラン云々はその極々一部にすぎなかった。
2.イスラム圏で反米デモ。これはデモというか暴動に近いもので、国連の事務所、パキスタン領事館などが襲われた。
鎮圧に乗り出した警官隊&米軍部隊と、デモ参加者が衝突し、百名以上の怪我人と十数名の死者が出た。
米軍側も、兵士が拘束されたりした。
3.ニューズ誌は掲載の経緯について
「掲載前に、国防総省の人間二人に記事内容へのコメントを求めたが、一人は拒否。
もう一人はコーランの件については何も言わなかった。別の部分への反論はあったけど」と説明。
つまり、反論されなかったから事実と判断したというもの。
4.マイヤーズ統合参謀本部議長が「米軍側が行ったという事実は確認できなかった」と話す。
国防総省も「ニューズ誌が報道したような事実は確認できない」と指摘。
5.ニューズ誌が「情報源」に再調査し、「記憶が定かではない」との回答を得る。
6.ニューズ誌「不確実な内容を載せてしまいました」と謝罪。ただし記事撤回はせず。
7.ホワイトハウス報道官「人が死んでるのに撤回しないなんて、理解不能だ」←正直この批難はおかしい気がするが…
8.ニューズ誌が記事を撤回(=誤報と認める)。ただし「情報源は信頼に値する人物だ」と弁明。
9.国防総省(の報道官)が激怒。
「その人物が適当なことを喋ったせいで、何人も死んだ。これでも信頼できる情報源だってか?」
10.情報公開請求を受けたFBIが、「警備兵がコーランをトイレに捨てた」とする収容者の証言メモを公開。
ただし(メモ作成時に)機密文書扱いだったため、収容者や取調官の名前は削除されていた。
また、「収容者が自分でコーランを乱雑に扱い、警備兵のせいにした」とする記録も同時に公開された。
11.ホワイトハウスが「(トイレ云々のメモは)誤報にのっかって米軍を貶めようとする、アルカイダメンバーの策略だ」との見解を示す。
12.誤報だった、との結論で終着。
ちなみに米軍は一連の調査結果として、コーラン冒涜に相当する行為が十数件あったって報告してる。
# ほぼ同時期にディープ・スロートの正体が明かされてウォーターゲートの話題も活発になり、
# 「示唆こそ受けたが、情報の取り扱いは記者自身が徹底して行った」ウォーターゲートと
# 「情報検証を怠ったせいで死者を出した」コーラン事件、って形で比較されて、誌はずいぶん批難された。
Re:Wikipediaが悪いの? (スコア:1)
詳細ありがとうございます。
なるほど、誌面を使って大々的に謝罪していたのでかなりやらかしてたんだろうな、とは思ったんですが
かなり大きな話になっていたんですね。
改善点が行動指針として出てくるあたり、すごいな、やるな、と思った記憶があるんですが、
それだけ騒ぎになっていればそうせざるをえなかったのかもしれませんね。