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ツタンカーメンの墓を発掘したカーターという人が、呪い(?)で次々に仲間を失った際、こう言ったそう です。
こと日本に関して言えば、“天皇陵”と呼ばれる古墳をまるで発掘させてもらえないことの方が、よほど問題なのではないでしょうか。
「他人の墓を暴くことをどうとも思わない人」がいたらそれは嫌ですが、その一方で、冒涜だからとまったく発掘させないというのも考えものです。なにごとも行き過ぎはいけませんね。
棺を開けなければ判らないことは確かにあります。被葬者なんてのはその最たるもので、どこまで信用してよいか判らない古代の文献と副葬品の内容が一致したことで、やっと「○○の墓である可能性が高い」と言えるくらい。
実際、いわゆる古墳の類で被葬者がはっきりしている例はほとんどありません。だからどれも地名で呼ばれるんです。例外はあります [srad.jp]が、これは明治期の天皇神格化の過程であまり明確な根拠のないまま断定されてしまっています。ちなみにこれらの古墳は、現在では宮内庁の管理下に置かれているため、発掘したくてもまず許可が降りません。周辺に立ち入ることすらできない。
個人的には、古墳(正確には、明らかに墓と判っている遺跡すべてに言えることですが)の発掘は医学における解剖と同じだと思っています。医学ほどには直接的に我々の役には立ちませんが、過去の歴史を知ることに意味がないとは思えません。
古墳の発掘なんていうと、とかく太古のロマンとかいう言葉が付きまといますが、実際の発掘ってのは、ほとんど土木作業なので、そんなモノの出てくる余地はありません。そういうのは調査の結果だけを見てマスコミがつけるあおり文句です。作業する各個人がモチベーションを維持するための材料として、そうしたロマンを内心抱いていることまでは否定しませんけど、それでも棺を開ける瞬間ってのはやはり厳粛な気持になるもんです。周辺を掘っている時はそれほどでもないんですが。
お墓と知っていて、心の底から喜々として発掘するのは、墓泥棒だけでしょう。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
他人の墓 (スコア:2, 興味深い)
学術的な見地だろうが単なるお宝目当てだろうが、墓に入っている人や
その墓を作った人にしてみれば、ある意味冒涜というか、
やんごとなき出来事かもしれない・・・。
何年経ったら他人の墓を掘り返してもいいです、なんて
決まりがあるのかどうかもわからないけど、
あったとしたら、ちょっと恐ろしい感じ。
ギザのピラミッドは実は墓ではないとか散々言われているけど、
あんなデカイ建造物をおっ建てた経緯を考えると、
墓だろうがなんだろうが何かを象徴するもので、
それは当時の人にとっては不可侵な部分もあっただろうと思うと、
複雑な心境です。
考古学者というのは、太古の時代への興味と
他人の墓を暴く呵責との葛藤が絶えないものなのでしょうか。
他人の墓を暴くことをどうとも思わない人がいないように、
ほんの少し期待したい。500ユーロくらい。
Re:他人の墓 (スコア:3, 参考になる)
「われわれ考古学者は、相手への敬意を常に持っている。その情熱が発掘へと駆りたてる。呪いがあるにしろないにしろ、墓の主の返辞がこうだというのであればしかたあるまい(うろおぼえなので超訳)」
小学校のころ図書館で読んだ話なので、「」でくくっちゃいけないような引用ですが、おれはこの言葉に感動して歴史屋の門を叩いたようなもんです。
今思えばこの言葉、自分の「覗き趣味」への自嘲もあったのでしょうが、相手(この場合墓の主)と一種のコミュニケーションを築こうとする学者の志向と、相手のことなど知ったこっちゃない(と思われる)盗掘とでは、やはりちがうんだと思いたいんです。
なんつうか、こう、分かっていただけませんか。
しかしテレビ中継はやりすぎだろうに。
呪いの真相 (スコア:2, 興味深い)
Yukio@神戸在住
マスコミのでっち上げ (スコア:2, 参考になる)
ロンドンのタイムズ社と独占契約を結んでおり、タイムズ社以外に
いっさいニュースを流さなかったため、世界中のマスコミから非難が
集中しました。そのため、カーナヴォン卿が急死した際、彼を恨む
記者によって「ツタンカーメンの呪い」なる物語がでっち上げ
られ、新聞をにぎわしました。
調査隊のメンバーの生年と没年は以下の通り。(発掘調査は1922念)
カーナヴォン卿 1866~1923
ハワード・カーター 1874~1939
アーサー・C・メイス 1874~1928
アルフレッド・ルーカス 1857~1945
ヘンリー・バートン 1879~1940
A・R・キャレンダー 不明 ~1937?
P・E・ニューベリー 1869~1949
A・H・ガーディナー 1879~1963
J・H・プレステッド 1865~1935
ウォルター・ハウザー 1893~1959
リンズレイ・F・ホール 1883~1969
リチャード・アダムスン 不明 不明
見ての通り、調査隊の大半は発掘後20年以上生存しており、
志望者の年齢も多くは65歳を越えています。
また、封印のとかれた墓室に最初に足を踏み入れた
3人のうち一人、カーナヴォン卿の娘のイヴリンが
死亡したのは発掘後58年も後の1980年、享年78歳
でした。
調査隊のメンバーのうち、カーナヴォン卿とメイス以外は
比較的長生きし問いますね。
ちなみにカーナヴォン卿は1901年にドイツで交通事故に
あってから長らく健康を害しており、エジプトを訪れるように
なったのも、イギリスの冬の寒さに耐えられなくなったから
だそうです。直接の死因は髭を剃っている際に蚊に刺された
跡を誤って傷つけ、そこから熱病に感染したためで、体の
弱っていた卿は肺炎を併発して亡くなったとのこと。
Re:他人の墓 (スコア:1, 興味深い)
こと日本に関して言えば、“天皇陵”と呼ばれる古墳をまるで発掘させてもらえないことの方が、よほど問題なのではないでしょうか。
「他人の墓を暴くことをどうとも思わない人」がいたらそれは嫌ですが、その一方で、冒涜だからとまったく発掘させないというのも考えものです。なにごとも行き過ぎはいけませんね。
Re:他人の墓 (スコア:1)
善悪の感覚でミックスされた結果を Yes/No で問われ
ますか?
質問自体が疑問ですが、Noです。
考古学・文化人類学関係の書籍を購入し、「墓荒らし」と
呼ばれる人々に寄付をして下さい。6万円くらい。
地面を数メーター掘り返せば墓場だったり、一瞬で体が
バラバラになりうる環境に住んでいても、死を身近に感じない
事は誰にでもできる事だと思います。
Re:他人の墓 (スコア:0)
この「質問自体が疑問」というのは、その上でご自分がしている質問のことを指していますか?
Re:他人の墓 (スコア:1)
棺を開けなければ判らないことは確かにあります。被葬者なんてのはその最たるもので、どこまで信用してよいか判らない古代の文献と副葬品の内容が一致したことで、やっと「○○の墓である可能性が高い」と言えるくらい。
実際、いわゆる古墳の類で被葬者がはっきりしている例はほとんどありません。だからどれも地名で呼ばれるんです。例外はあります [srad.jp]が、これは明治期の天皇神格化の過程であまり明確な根拠のないまま断定されてしまっています。ちなみにこれらの古墳は、現在では宮内庁の管理下に置かれているため、発掘したくてもまず許可が降りません。周辺に立ち入ることすらできない。
個人的には、古墳(正確には、明らかに墓と判っている遺跡すべてに言えることですが)の発掘は医学における解剖と同じだと思っています。医学ほどには直接的に我々の役には立ちませんが、過去の歴史を知ることに意味がないとは思えません。
古墳の発掘なんていうと、とかく太古のロマンとかいう言葉が付きまといますが、実際の発掘ってのは、ほとんど土木作業なので、そんなモノの出てくる余地はありません。そういうのは調査の結果だけを見てマスコミがつけるあおり文句です。作業する各個人がモチベーションを維持するための材料として、そうしたロマンを内心抱いていることまでは否定しませんけど、それでも棺を開ける瞬間ってのはやはり厳粛な気持になるもんです。周辺を掘っている時はそれほどでもないんですが。
お墓と知っていて、心の底から喜々として発掘するのは、墓泥棒だけでしょう。