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いやそれ故に見つからなかったんだろうな。光学で見えるものがウイルスであるはずがない! と…
今回ので既成観念が取っ払われたから、これから同スケールのウィルスがバンバン発見されたりしてね。
いやもう取り払われているから重点的にさがされていて今回見つかったんですよ。この研究グループは前にも巨大ウィルスを見つけていて今回は記録更新したってことです。
以前に見つかったときは光学顕微鏡でも見えるから細菌に擬態している(ミミック)ということでミミウィルスと名前がつけられているし、これだけでかいウィルスなのでウィルスに感染するウィルスもすでに見つかってます。
20年ほど前に発見されているところのミミウィルスも、今回のウィルスで特徴だといっている・小さな細菌並みという記録破りのサイズ・物理的サイズだけでなくDNAの数も巨大で、一般的なウイルスの数百倍の遺伝子数を持つという特徴は持ってるので、本当に単なる「記録更新」でしかないですよね。しかも何度か目の。
>本当に単なる「記録更新」でしかないですよね。
そうでも無い。これまでのとの違いで言えば、
・ミミウイルス系の大型ウイルスの塩基数は1Mbあたりのものばかりで、「このぐらいのサイズが限界なんじゃない?」とか言われていたのが一気に倍になった。まあ程度の問題って言えばそうなんだけど。
・ミミウイルス系とは形成の仕方が全く違う。これまで見つかっていたミミウイルス系は「カプシド(殻)を作る」&「中身を作る」→「殻に中身をぶち込んで閉じたら完成」。今回のは、「中身を増やしながら、周りに同時進行で殻を作っていく」→「完成」と、全く組み立て方が違う。また、殻の形状自体も全く違う(ミミウイルス系はicosahedral的だが、今回のはそんな構造は無い)。この辺は次の部分とも関連。
・遺伝子がまるで別物。ミミウイルス類は多くの遺伝子を含むが、それらは既知の別の種にも含まれる遺伝子(とその類似物)が多く、由来(他の生物との繋がり)がおおよそ推定できるものだった。ところが今回のものは、大部分が由来不明な新規な配列であり、既知のミミウイルスとは根本的に違う分類である可能性が高い。さらに言えば、これだけ違う遺伝子を持ったものが単独で存在しているとは考えにくいので、これまで気づかれていなかったこいつの仲間が多数いて、独自のグループを作っている可能性がある。(これが、「新たなドメインを作った方が良いのではないか?」という提言に繋がる)
生物学上の歴史としてみると、遺伝子には役に立たないものがどんどん追加されていく。なぜならそぎ落とすフェーズがないから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0#.E6.95.B0.E3.... [wikipedia.org]
それからゲノムサイズが大きくなると大量の情報を保存できるが複製に使うエネルギーが増え生存に不利に働くため、一定のゲノムの大きさで自然選択圧が掛かる。
という話があって、理屈的にはそうなる気がします。
ところで、ここの「ゲノムサイズの例」を見ると、最大のゲノムを持つ生物ってアメーバなんですね。 今回のものを含め、巨大ウイルスはアメーバから見つかってるようなんですが、なんか関係があるんでしょうか。
その前の段落で「イントロンや遺伝子間のジャンクDNAの長さが原因」でゲノムサイズが大きくなっている生物がいるということは、自然選択圧などないことを意味しているのでは。
アメーバは有性生殖をしないので、無駄なゲノムが蓄積しやすいというのはあるかも知れない。
イントロンは一見無駄に見えるが、選択的スプライシングや、エキソンシャッフリングを可能にし、また、mRNAを核から運び出す過程や、翻訳効率などに関わっていることがわかってきた。
ジャンクDNA [wikipedia.org]
ゲノム上の塩基配列には、翻訳を受けないいわゆる非蛋白質コード領域が多数存在することが知られており、この中には、DNA複製の開始点として定義される複製起点、あるいはプロモーター、エンハンサー、サイレンサーといった遺伝子の発現を制御する生命活動に非常に重要な領域が含まれている。このことは、「蛋白質にならない領域=無駄な部分」ではない事を明確に示している。
したがって、ゲノムレベルにおける遺伝子の機能に関する、時代遅れの誤った認識を与える'ジャンクDNA'という用語は使用が避けられるべきものであり、'非蛋白質コードDNA'(noncoding DNA)のようなより正確な用語の使用が好まれる。
まぁ、本当に無駄なゲノムをたくさん持っている生物もいるのでしょうが、その場合でも「自然選択圧などない」というより「種によっては自然選択圧は小さい」とした方が正確でしょう。 カルソネラ・ルディアイ [wikipedia.org]のように、生物なのにパンドラウィルスの約15分の1のゲノムでやりくりしてる奴もいますし。:)
ではなぜ ゲノムの量≠肉体構造の複雑さ なんだろう?人間はアメーバなんかより少ないゲノムでどうやって肉体を構成しているのだ?
ゲノムの使い方が違っている。ほんの一例であるが、哺乳類の免疫機構は自分で遺伝子組み換えを行うことで多様な免疫タンパクを生産させたりしている。(1987年 ノベール賞利根川進 抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見)
実際には、本当にジャンクな部分もあって、変異が大きく、個人ごとにさえ異なる部分もありますね。犯罪捜査の個人特定に使われるので、警察にとってはジャンクではないのでしょうが。
プログラムコンテストとかで、僅かなコードで信じれないほど凄いことをやってるのを見ることがあります。無能なコーダーがコピペの連発で徒にサイズがでかいだけのコードを量産してたりします。そんな感じなのかなと思ったり。
つまり、いたるところでコードの再利用を行うことで、助長を無くしてコーディングの効率高めていると。
そういうのをコルモゴロフ複雑性というんだね。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%82%B4%E3... [wikipedia.org]
計算結果の複雑さからコードの複雑さを計算することは不可能であることが証明されている。まあ、DNAはチューリング完全ではないので、その類じゃないが。
k.inabaさんがコルモゴロフ複雑性のことをコードゴルフと表現していたのは目からうろこでした。http://www.kmonos.net/wlog/123.html#csr11_3 [kmonos.net]
20年ほど前に発見されているところのミミウィルス
発見されたのは1992年ですから21年前ですが、しばらくはグラム陽性菌の一種と思われていて、「実は巨大ウィルスでした」という論文が発表されたのは2003年とそれなりに最近ですよね。 参考:http://en.wikipedia.org/wiki/Mimivirus [wikipedia.org]
でも、すごい!
既成概念じゃね?
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人
光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:3)
いやそれ故に見つからなかったんだろうな。
光学で見えるものがウイルスであるはずがない! と…
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2)
今回ので既成観念が取っ払われたから、
これから同スケールのウィルスがバンバン発見されたりしてね。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:5, 参考になる)
いやもう取り払われているから重点的にさがされていて今回見つかったんですよ。
この研究グループは前にも巨大ウィルスを見つけていて今回は記録更新したってことです。
以前に見つかったときは光学顕微鏡でも見えるから細菌に擬態している(ミミック)ということでミミウィルスと名前がつけられているし、これだけでかい
ウィルスなのでウィルスに感染するウィルスもすでに見つかってます。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2, 参考になる)
20年ほど前に発見されているところのミミウィルスも、今回のウィルスで特徴だといっている
・小さな細菌並みという記録破りのサイズ
・物理的サイズだけでなくDNAの数も巨大で、一般的なウイルスの数百倍の遺伝子数を持つ
という特徴は持ってるので、本当に単なる「記録更新」でしかないですよね。しかも何度か目の。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:5, 参考になる)
>本当に単なる「記録更新」でしかないですよね。
そうでも無い。
これまでのとの違いで言えば、
・ミミウイルス系の大型ウイルスの塩基数は1Mbあたりのものばかりで、「このぐらいのサイズが限界なんじゃない?」とか言われていたのが一気に倍になった。
まあ程度の問題って言えばそうなんだけど。
・ミミウイルス系とは形成の仕方が全く違う。これまで見つかっていたミミウイルス系は「カプシド(殻)を作る」&「中身を作る」→「殻に中身をぶち込んで閉じたら完成」。
今回のは、「中身を増やしながら、周りに同時進行で殻を作っていく」→「完成」と、全く組み立て方が違う。
また、殻の形状自体も全く違う(ミミウイルス系はicosahedral的だが、今回のはそんな構造は無い)。
この辺は次の部分とも関連。
・遺伝子がまるで別物。ミミウイルス類は多くの遺伝子を含むが、それらは既知の別の種にも含まれる遺伝子(とその類似物)が多く、由来(他の生物との繋がり)がおおよそ推定できるものだった。ところが今回のものは、大部分が由来不明な新規な配列であり、既知のミミウイルスとは根本的に違う分類である可能性が高い。
さらに言えば、これだけ違う遺伝子を持ったものが単独で存在しているとは考えにくいので、これまで気づかれていなかったこいつの仲間が多数いて、独自のグループを作っている可能性がある。
(これが、「新たなドメインを作った方が良いのではないか?」という提言に繋がる)
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2)
Re: (スコア:0)
生物学上の歴史としてみると、遺伝子には
役に立たないものがどんどん追加されていく。
なぜならそぎ落とすフェーズがないから。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0#.E6.95.B0.E3.... [wikipedia.org]
という話があって、理屈的にはそうなる気がします。
ところで、ここの「ゲノムサイズの例」を見ると、最大のゲノムを持つ生物ってアメーバなんですね。
今回のものを含め、巨大ウイルスはアメーバから見つかってるようなんですが、なんか関係があるんでしょうか。
Re: (スコア:0)
その前の段落で「イントロンや遺伝子間のジャンクDNAの長さが原因」でゲノムサイズが大きくなっている生物がいるということは、自然選択圧などないことを意味しているのでは。
Re: (スコア:0)
アメーバは有性生殖をしないので、無駄なゲノムが
蓄積しやすいというのはあるかも知れない。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:4, 参考になる)
イントロン [wikipedia.org]
ジャンクDNA [wikipedia.org]
まぁ、本当に無駄なゲノムをたくさん持っている生物もいるのでしょうが、その場合でも「自然選択圧などない」というより「種によっては自然選択圧は小さい」とした方が正確でしょう。
カルソネラ・ルディアイ [wikipedia.org]のように、生物なのにパンドラウィルスの約15分の1のゲノムでやりくりしてる奴もいますし。:)
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:3)
ではなぜ ゲノムの量≠肉体構造の複雑さ なんだろう?
人間はアメーバなんかより少ないゲノムでどうやって肉体を構成しているのだ?
Re: (スコア:0)
ゲノムの使い方が違っている。
ほんの一例であるが、哺乳類の免疫機構は自分で
遺伝子組み換えを行うことで多様な免疫タンパクを
生産させたりしている。
(1987年 ノベール賞利根川進 抗体の多様性に関す
る遺伝的原理の発見)
Re: (スコア:0)
実際には、本当にジャンクな部分もあって、変異が大きく、個人ごとにさえ異なる部分もありますね。
犯罪捜査の個人特定に使われるので、警察にとってはジャンクではないのでしょうが。
Re: (スコア:0)
プログラムコンテストとかで、僅かなコードで信じれないほど凄いことをやってるのを見ることがあります。
無能なコーダーがコピペの連発で徒にサイズがでかいだけのコードを量産してたりします。
そんな感じなのかなと思ったり。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2)
つまり、いたるところでコードの再利用を行うことで、助長を無くしてコーディングの効率高めていると。
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:2)
そういうのをコルモゴロフ複雑性というんだね。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%82%B4%E3... [wikipedia.org]
計算結果の複雑さからコードの複雑さを計算することは不可能であることが証明されている。
まあ、DNAはチューリング完全ではないので、その類じゃないが。
Re: (スコア:0)
k.inabaさんがコルモゴロフ複雑性のことをコードゴルフと表現していたのは目からうろこでした。
http://www.kmonos.net/wlog/123.html#csr11_3 [kmonos.net]
Re:光学顕微鏡で見えるウイルス (スコア:3, 参考になる)
発見されたのは1992年ですから21年前ですが、しばらくはグラム陽性菌の一種と思われていて、「実は巨大ウィルスでした」という論文が発表されたのは2003年とそれなりに最近ですよね。
参考:http://en.wikipedia.org/wiki/Mimivirus [wikipedia.org]
Re: (スコア:0)
でも、すごい!
Re: (スコア:0)
既成概念じゃね?