その通りだと思います。(現状の)自動翻訳の場合は “take care of him” も「彼の面倒を見る」とだけ訳せば良い。「彼を消す」とか「彼を殺る」という転義はコンテキストを理解しいてる人間ならば自ずから導き出せるはずなので、(現状では)コンテキスト判断は人間に任すべきです。怖いのは自動翻訳が勝手に話者の意図を忖度して「彼を消す」とか(誤)訳してしまう場合です。これは、利用者は誤訳なのか正しいのか運用時には判断できません。だから、自動翻訳は「直訳」だと割切って使うべきだし、それ以上を(当面は)すべきではないと考えます。(Google 翻訳が使い物にならないのは、直訳に徹せず、実力もないのに中途半端に意訳しようとしてしまっているからです。)
翻訳こんにゃく (スコア:2)
あと100年もしたら,自動翻訳が普通に実現していると思います
各自好きな言語を話し,あとはコンピュータが自動翻訳する世界です
自動翻訳はSFの世界では随分前からあったアイデアで
どらえもんの翻訳こんにゃくでさえ30年ぐらい前に登場した話です
しかし現在では
iPhoneのSiriのような音声認識(音声をテキストに変換している),
WindowsとかOS X付属の音声合成機能(テキストを音声に変換している)
excite とか googleのテキスト間の自動翻訳サービス
が既にあり,誰でも使える時代です
またボーカロイドのような音声を変化させる技術があるように,
今後は感情とかニュアン
自動翻訳の限界 (スコア:2)
「状況を読む」能力が求められます。
たとえば私がよく例にするのは、
1. I'll take care of him.
2. 女性があなたに "Would you go out with me?"
3. Open the window
これらは翻訳を行う何かが発言者が持っている知識と、現在おかれた状況を正確に共有しないと、文法こそ中学レベルですが、
正確に訳すことはできません。なので「自動翻訳機なんて100年たっても無理なんだよ。今すぐ勉強しようよ」と説明してます。
翻訳機が我々の知識や思念を読み取れるならあなたの言語を理解しない外国人に自分の思念を伝えるのは出来るでしょうけど、ここにはもはや「翻訳」の過程は入りません。
Re: (スコア:2)
何で例文が全部英語なんだ?日本語でいいじゃん。
例えば「押すなよ、絶対押すなよ!」とか。
Re: (スコア:0)
最近はそういうくだらない番組を見る層と見ない層に分かれているのです。
見ない層を相手にするなら英語の説明の方が都合がいい。
Re: (スコア:0)
英語とか、「そういう層」なんてもの持ち出さなくても、日本語に
そのものずばりを表している言葉があるじゃないですか > 嫌よ嫌よも好きのうち
Re: (スコア:0)
本当に文脈に依存するのは「I'm comming.」とか否定疑問文に対するYes/Noみたく、言語によって概念が食い違っているケース。
Re:自動翻訳の限界 (スコア:3)
でもそれも結局は嫌は嫌と訳すべきで、嫌を好きと訳すべきではないケースでしかない。
その通りだと思います。(現状の)自動翻訳の場合は “take care of him” も「彼の面倒を見る」とだけ訳せば良い。「彼を消す」とか「彼を殺る」という転義はコンテキストを理解しいてる人間ならば自ずから導き出せるはずなので、(現状では)コンテキスト判断は人間に任すべきです。怖いのは自動翻訳が勝手に話者の意図を忖度して「彼を消す」とか(誤)訳してしまう場合です。これは、利用者は誤訳なのか正しいのか運用時には判断できません。だから、自動翻訳は「直訳」だと割切って使うべきだし、それ以上を(当面は)すべきではないと考えます。(Google 翻訳が使い物にならないのは、直訳に徹せず、実力もないのに中途半端に意訳しようとしてしまっているからです。)
「当面は」と書いたのは、将来(30年後か、100年後か、200年後か?)自動翻訳の能力が十分高性能になって、コンテキストもきちんと理解した上で翻訳できるようになった場合には、その時にはやはり自然な訳の方がいいに決まっているからです。
元コメの例文もそう。通訳は直訳すればいいだけ。
「通訳」の場合には多いに異論があります。私は通訳の経験があります。(英語ではありません。)同時通訳もこなします。政財界の要人の通訳や外交交渉の通訳も務めていました。なぜ過去形で話すかというと、現在は、公的機関の通訳依頼は全て競争入札が義務付けられるようになったので、仕事が入らなくなってしまっているからです。現在の通訳の競争入札の仕組みでは「A氏はベテランで非常に優秀だが、その分、料金が高い。B氏は素人だけれども料金が安い」といった状況の場合「では、この通訳は重要だから高くてもベテランのA氏に頼むことにしよう」とは絶対になりません。1日5万円とか8万円の通訳と1日5千の通訳の候補がいた場合には 100 % 5千円の通訳に決まります。「通訳の能力は全て同じだ」という前提の上に成り立っている制度です。
(国賓を迎えた晩餐会の場合、東京での宮中晩餐会の場合も仕出し業者は競争入札になるので、一番安い業者に自動的に決まってしまい、国賓に「一番美味しい料理を食べてもらうことができない」仕組みになっているそうです。これは絶対におかしいよ、と某副大臣が怒り狂っておりました。)
なお、ついでに一般に知られていないことをバラしてしまいますが(別に国家機密ではありません。単に知られていないだけです)。外国から賓客が来日した場合、慣例として「天皇」・「首相」・「外相」の通訳は外務省の外交官が通訳に当たります。原則として民間人は通訳ができません。外務省という役所のメンツの問題のようです。財務大臣とか、他の大臣、経団連等の財界の要人等の通訳は、外務省が通訳を手配する外郭団体を介して民間人の通訳を雇います。これまた外務省のメンツの問題なので、他の役所や民間の要人の通訳には外務省の外交官は派遣しないのです。身分が違う、というわけです。
ところが、外交官が通訳をすると何が問題かといえば、実は多くの場合、通訳がきちんとできないのです。プロじゃありませんから。(いや、実はプロだってだめなんです。サイマルのような有名な通訳派遣会社の英語の通訳がフリーズしてしまい、仕方なく、その場に居合わせた、英語が全くできない自分が助け船を出したことも何度もありました。)つまり、日本では天皇と首相と外相は、制度的に外国の要人ときちんとした意志疎通ができないようになっているということです。ですから、午前中に外相と会談し、昼食は財界人と一緒に取り、そこに外相も出席したりすることになると、外国の要人と日本の政府要人の間で「先ほど、これこれこういう話になりましたが...」と話の続きが始まると、「え? そんなことは言っていませんが?」となり、混乱することは日常茶飯事です。
経験的に日本の外交官は(と言うか、日本人のほとんどは)西洋人のジョークが理解できません。彼らはジョークの部分は黙って何も訳しません。何が面白いのか理解できないから、どう訳していいのかわからないからです。(ジョークを言った方は日本側の通訳が一切黙ったままなのでびっくりします。)私はジョークは即興で訳しますが、どうしても瞬時に訳せないジョークの場合には「すみません。今、こちらはジョークをおっしゃったのですが、日本語には訳せないジョークなので、申し訳ありませんが、笑ってやってください」と言います。そんなことを言うと日本側はドッと笑うので、外国人側はジョークが通じたと座が和みます。
このような人間と人間との通訳の場合には機械的な直訳はまずい場合があります。よくある場面ですが、外国人が日本人に(あるいは日本人が外国人に)お世辞を言おうとするのですが、それをそのまま訳すと相手の文化では侮辱に当たる場合が結構あるのです。(意味的にはそれでいいのですが、本当に例えば助詞の微妙な使い分けなどによって意味が正反対に取れるような場合がよくあるのです。)経験的に日本の通訳の 99 % は私情を入れずに通訳します。つまり機械的に通訳するのです。だからお世辞を言われた方は、最初は「なんで自分がそんなことを言われなきゃならないのだ?」と困惑します。お世辞を言っている方はニコニコしているのですが(だって相手を褒めているわけですから)、どうも相手の反応が芳しくない。そこで、どんどん褒めます。聞いている方は侮辱がどんどんエスカレートしていきます。だんだんと我満の限界に達します。困ったことに正式の会談の場合には、双方に専属の通訳が付きますので、こちらは、相手の通訳を聞きながら「あわわわわ...」と思っていても介入することはできません。また、通訳同士、相手のメンツを潰したくないということもあります。(通訳は原則として母語から異言語に行われます。理由は、訳す大本をきちんと理解していないと正確に訳せないからです。)侮辱され続け、我慢の限界に来た方が、ルールを破って「あの人は本当は何と言っているのか、あなたが訳してくれ!」と言われることがありますが、「実は、これこれ、こうおっしゃっています」と、相手がこの方を褒めていることが伝わるように訳すと、「なるほど。やっぱり。この人があんなことを言うはずがないんだからおかしいと思っていたよ」と納得されます。
通訳のやり方は、通訳によって色々考え方があると思いますが、私の方針は、元の文章が「どっちとも取れる」二義的なものならば、聞いている方にもはっきりと「どっちとも取れる」のだとわかるように訳します。元の発言者が教養がない場合には、その話者は教養がないのだとということが伝わるように訳し分けます。褒めているときには、褒めていることが、皮肉を言っているときには、皮肉を言っていることが伝わるように、すべてメリハリを効かせて訳すようにしています。一部の通訳の方からは「あの人は言葉通りに正確に訳していない」と批判されることもあります。逆に、クライアントの方からはあの人でないとダメだと頼られる場合も多々あります。
と言う分けで、機械翻訳と通訳は役割が違うので、通訳は直訳では済まされないという話でした。
Re: (スコア:0)
いちいちごもっともですな。
実際問題としては直訳ベースも意訳にチャレンジしたものも両方いるよね。
そしてそんなことができるようになるんなら日本語でも婉曲な表現が読み取れないことはあるわけで、
日本語->日本語翻訳もほしくなるね。