アカウント名:
パスワード:
各地で誤解を巻き起こしているこのネタです.あの誤解を招く気満々のプレスリリース,凄いですよね.
そんなわけで,今日,論文の方をちょっとだけまじめに読んでみました.
まず注意していただきたいのは,いわゆる素核などで言う「モノポール」とは全く別なモノです.ですので,「あの未発見だったモノポールがついに!」とか早合点してはいけません.……まあ,あのプレスリリースが全て(略)
まず,論文では電流(電子の運動)と,その電子がもつスピンを考えています.この電子には,磁場によるスピンのエネルギーの変化も受けますし,通常の運動エネルギーの項もあります.スピン軌道相互作用を示す不純物も入れます.また,スピン軌道相互作用によるラシュバ効果(詳細は省略)が効きまして,電流中の電子にスピン分極が生じます(upスピンが片側に集まり,反対側にdownスピンの電子が集まる).このラシュバ効果によって電流中の電子はupスピンとdownスピンが空間的に不均一に並びますので,全体に磁化Mが発生します.
でもって,こういう効果を全部含めた運動方程式を建てます.そうするとなにやらごちゃごちゃとした式が得られます.さて,通常,磁場は磁化に平行に発生します.が,ここで新たに磁場’という変な物理量を定義します.この磁場’は,前述のラシュバ効果によって生じた磁化と,その磁化の時間微分(単位時間での磁化の変化)との外積で定義される量です.さらに,電場に対し,電場’という変な物理量を定義します.こちらは,磁化と磁化の時間微分の外積に,さらにラシュバ効果による場との外積をとったものです.
そうやって,この謎の電場’と磁場’とを元の方程式に入れ,ごちゃごちゃした係数を全部まとめて簡単な係数にして式を整理するとあら不思議!式の形がモノポールを表す式と同じになったね!
というお話.(元のモノポールの従うべき式では電場と磁場のところが,電場’と磁場’という電場や磁場ではない変な物理量にはなっているけど)
まあ確かに,座標やら変数やらの置き換えで同じ形の方程式になるものってのは,その現象を理解する上でのモデル系として大変便利ではありますが,これをそのままモノポールと呼んでしまうのはどうなんだろう……
div B は 0 のまま、ということでしょうか?ということであれば、モノポール成分だけを利用しようとしても、その変な物理量が邪魔してうまくいかない可能性大ですよね。
>div B は 0 のまま、ということでしょうか?
磁場という意味ではそうです.著者がモノポールと言っているのは,E,Bに変わってeffectiveなfieldとしてE’,B’という別な物理量(本来の意味でのEやBとは全く別)を導入すると,そのE’とB’の間にマクスウェル方程式(ただし磁気単極子有りバージョン)として書ける関係が成り立つよ,と.
>モノポール成分だけを利用しようとしても
そもそも(いわゆる磁気単極子という意味での)モノポール成分は出てきません.様々な物理量を押し込んだ新しい量を定義すると,その新しい量(の間の関係)がモノポールを含む式(と同じ形)で表現できる,という感じです.
正直、全く理解できないお馬鹿さんなのですがw
結論としては「仮定の存在である電場'と磁場'を定義できればモノポールっぽいモノができるかもしれないね。現実には無理だけどな!」
……って事でよろしいのですか?
>モノポールっぽいモノ
ここがくせ者で,「モノポールっぽい挙動」≠「磁気単極子っぽい性質」というか.
あまり良い比喩ではないのですが,正に帯電した球と,別な正に帯電した球の間の力(静電的な反発力)は,式の上では反重力として書きあらわすことも出来ます(古典力学の範囲で).重力もクーロン力も両方とも逆二乗に従いますから,質量と電荷の比やらクーロン定数と万有引力定数の比やらを比例定数の中に押し込んでしまえば,二体間の反重力として運動方程式を書いても,とりあえず(この2体だけを考えている範囲では)正確に記述できるわけです.しかし,反重力として記述できたからと言って,そこに反重力が実現しているわけではありません.「反重力だとした場合の方程式」でも記述できる,と.
>電場'と磁場'を定義できれば
定義できれば,というか,そういうふうに定義して変数変換すると,「式の形」が「モノポールを含む場合のマクスウェル方程式」と同じ形になりますよ,というお話のようです.
プレスリリース読むと、あなたのコメントと全く違うように読めるけど、あなたのコメントの方が論理的でしっかりしているので、コメントの方が正しいのだと思う。
ホントに磁気モノポールなら、JPSJは無いよな。って、禁句かな。分野外なので。
なんかわかった気になった。こんな発表都立大学だから許されるのかな?一流大学なら怒られるレベルなのか
1.大学の中の人が出す論文だから大学が怒るわけがない まぁ破廉恥な実験とかなければな2.それほど嘘は言っていない。でもダマ(誇張)してるかも3.なんか実用化でもすればすごいことになるかも<むりむり
部分的NとSが…にってつけるだけでだいぶ違いそうなものだ。
首都大学東京ってドブスを守る会のイメージだしなあ
「のようなもの」の作り方がわかりました。新しい素粒子だとはひとことも言っていません。
# 一行でまとめるとこんな感じ?
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
多少読んだ (スコア:5, 参考になる)
各地で誤解を巻き起こしているこのネタです.
あの誤解を招く気満々のプレスリリース,凄いですよね.
そんなわけで,今日,論文の方をちょっとだけまじめに読んでみました.
まず注意していただきたいのは,いわゆる素核などで言う「モノポール」とは全く別なモノです.ですので,「あの未発見だったモノポールがついに!」とか早合点してはいけません.
……まあ,あのプレスリリースが全て(略)
まず,論文では電流(電子の運動)と,その電子がもつスピンを考えています.
この電子には,磁場によるスピンのエネルギーの変化も受けますし,通常の運動エネルギーの項もあります.スピン軌道相互作用を示す不純物も入れます.また,スピン軌道相互作用によるラシュバ効果(詳細は省略)が効きまして,電流中の電子にスピン分極が生じます(upスピンが片側に集まり,反対側にdownスピンの電子が集まる).
このラシュバ効果によって電流中の電子はupスピンとdownスピンが空間的に不均一に並びますので,全体に磁化Mが発生します.
でもって,こういう効果を全部含めた運動方程式を建てます.そうするとなにやらごちゃごちゃとした式が得られます.
さて,通常,磁場は磁化に平行に発生します.が,ここで新たに磁場’という変な物理量を定義します.この磁場’は,前述のラシュバ効果によって生じた磁化と,その磁化の時間微分(単位時間での磁化の変化)との外積で定義される量です.
さらに,電場に対し,電場’という変な物理量を定義します.こちらは,磁化と磁化の時間微分の外積に,さらにラシュバ効果による場との外積をとったものです.
そうやって,この謎の電場’と磁場’とを元の方程式に入れ,ごちゃごちゃした係数を全部まとめて簡単な係数にして式を整理するとあら不思議!
式の形がモノポールを表す式と同じになったね!
というお話.
(元のモノポールの従うべき式では電場と磁場のところが,電場’と磁場’という電場や磁場ではない変な物理量にはなっているけど)
まあ確かに,座標やら変数やらの置き換えで同じ形の方程式になるものってのは,その現象を理解する上でのモデル系として大変便利ではありますが,これをそのままモノポールと呼んでしまうのはどうなんだろう……
Re:多少読んだ (スコア:3)
div B は 0 のまま、ということでしょうか?
ということであれば、モノポール成分だけを利用しようとしても、その変な物理量が邪魔してうまくいかない可能性大ですよね。
Re:多少読んだ (スコア:5, 参考になる)
>div B は 0 のまま、ということでしょうか?
磁場という意味ではそうです.
著者がモノポールと言っているのは,E,Bに変わってeffectiveなfieldとしてE’,B’という別な物理量(本来の意味でのEやBとは全く別)を導入すると,そのE’とB’の間にマクスウェル方程式(ただし磁気単極子有りバージョン)として書ける関係が成り立つよ,と.
>モノポール成分だけを利用しようとしても
そもそも(いわゆる磁気単極子という意味での)モノポール成分は出てきません.
様々な物理量を押し込んだ新しい量を定義すると,その新しい量(の間の関係)がモノポールを含む式(と同じ形)で表現できる,という感じです.
Re:多少読んだ (スコア:1)
正直、全く理解できないお馬鹿さんなのですがw
結論としては
「仮定の存在である電場'と磁場'を定義できればモノポールっぽいモノができるかもしれないね。現実には無理だけどな!」
……って事でよろしいのですか?
Re:多少読んだ (スコア:3, 参考になる)
>モノポールっぽいモノ
ここがくせ者で,「モノポールっぽい挙動」≠「磁気単極子っぽい性質」というか.
あまり良い比喩ではないのですが,正に帯電した球と,別な正に帯電した球の間の力(静電的な反発力)は,式の上では反重力として書きあらわすことも出来ます(古典力学の範囲で).
重力もクーロン力も両方とも逆二乗に従いますから,質量と電荷の比やらクーロン定数と万有引力定数の比やらを比例定数の中に押し込んでしまえば,二体間の反重力として運動方程式を書いても,とりあえず(この2体だけを考えている範囲では)正確に記述できるわけです.
しかし,反重力として記述できたからと言って,そこに反重力が実現しているわけではありません.「反重力だとした場合の方程式」でも記述できる,と.
>電場'と磁場'を定義できれば
定義できれば,というか,そういうふうに定義して変数変換すると,「式の形」が「モノポールを含む場合のマクスウェル方程式」と同じ形になりますよ,というお話のようです.
Re:多少読んだ (スコア:1)
Re: (スコア:0)
プレスリリース読むと、あなたのコメントと全く違うように読めるけど、
あなたのコメントの方が論理的でしっかりしているので、コメントの方が正しいのだと思う。
ホントに磁気モノポールなら、JPSJは無いよな。って、禁句かな。分野外なので。
Re: (スコア:0)
なんかわかった気になった。こんな発表都立大学だから許されるのかな?一流大学なら怒られるレベルなのか
Re: (スコア:0)
1.大学の中の人が出す論文だから大学が怒るわけがない
まぁ破廉恥な実験とかなければな
2.それほど嘘は言っていない。でもダマ(誇張)してるかも
3.なんか実用化でもすればすごいことになるかも<むりむり
部分的NとSが…にってつけるだけでだいぶ違いそうなものだ。
Re: (スコア:0)
首都大学東京ってドブスを守る会のイメージだしなあ
全く読まなかった:Phasonさんの解説の方が翻訳より有効だから (スコア:0)
「のようなもの」の作り方がわかりました。新しい素粒子だとはひとことも言っていません。
# 一行でまとめるとこんな感じ?