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ホストから別のホストに感染した後に、ワクチンが 効かなくなっていたり、害が少なくなっていたり、また凶悪になった り、最悪、とんでもない速度で増殖したりと、どうなるかは、その時 次第。
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
何処の SARS ウィルス? (スコア:2, 参考になる)
よく解らんがインフルエンザみたいに変化するとかだったりする?
若しそうなら,ワクチンの開発とか結構大変な気が・・・
Re:何処の SARS ウィルス? (スコア:3, 参考になる)
います。よって、ホストから別のホストに感染した後に、ワクチンが
効かなくなっていたり、害が少なくなっていたり、また凶悪になった
り、最悪、とんでもない速度で増殖したりと、どうなるかは、その時
次第。よって、一刻も早く駆逐したいウィルスなんだとかで。
最近読んだ雑誌:Timeより参考。
There is no spoon.
Re:何処の SARS ウィルス? (スコア:2, 興味深い)
香港のグループは4/16に香港株の解読をしたと発表していたようですが、正直、今回のSARSの一件では、中国/香港発の情報にはフライングした挙げ句に結局間違ってたものも多かったので(クラミジア肺炎だとか、パラインフルエンザだとか)かなりフィルターをかけて聞くことにしてます。「香港株との違い」を語る前に、その配列がどこまで信頼できるかがちょっと…なので、現時点では変異の大きさを語るのは時期尚早でしょう。
RNAウイルス(ゲノムがRNAで構成されてる)は一般に、DNAウイルスに比べると変異の頻度が高いです。これは一つにはDNAの方が安定であることと、宿主となる細胞が自分のゲノム(DNA)を守るために、DNAに対するエラー修復機構を備えているため変異しにくいのだと考えられています。
ただ、インフルエンザウイルスはRNAウイルスのなかでもちょっと別格で大きな変異をしやすい仕組みを持ってます。インフルエンザのゲノムは8つの分節に別れていて、異なる株のインフルエンザウイルス同士が同じ宿主に二重感染したときに組換えが起こり、大変異(抗原ドリフト)を起こします。こういう機構があるからこそ変異しやすいのです。
現時点ではSARSがこういった独自の変異機構を持っているのかどうか全く判りませんから、他のRNAウイルスと同程度に変異しやすいことは考えられても、インフルエンザと同程度、と考えるのはちょっと難しいかと。
Re:何処の SARS ウィルス? (スコア:2, 参考になる)
宿主となるヒトの数が極めて少なく、また接触の機会が少ないようなところ、例えばアフリカの奥地で小規模の集落が離れて存在しているようなところだと、もしも極めて感染力が強くて致死性も高い変異ウイルスが出現したら、一つの集落で一気に広まり、そこは短期間で壊滅するでしょうが、それと同時に宿主を失った変異ウイルスも滅びてしまい、結果としては淘汰されてしまいます。そういう環境ではむしろ、宿主に長期間潜伏して、次の宿主と出会う機会を待つような変異ウイルスが結果的には繁栄し、生き残っていくと考えられてます。HIVがその一つの例に挙げられます。
ところが一方、宿主がたくさん、かつ密集して存在しているところでは、感染力が強く増殖が速い変異ウイルスの方が、そうでない変異ウイルスよりもより速く、多くの宿主を使って増殖できます。また、宿主の持つ免疫力を押さえ込めば、その分ウイルスの増殖には有利なので、毒性も強いものの方が有利になると考えられます。その結果、こういう都市型の生活環境では、新たに出現した変異ウイルスの数ある中でも、特に凶悪なものが選択されてくる危険性が高いです。
このような選択圧が本当に今回のSARSウイルスの変異に働いているかどうかは正直まだ判りません。ただ、感染地域ごとの被害の大きさの違いの説明として、こういう学説を持ち出している専門家もいる、ということです。
#個人的には、もっと基本的な衛生環境などの側に、今はまだ見落とされている違いがあるんじゃないかと思ってますが。