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動的リンクとGPL
すこし前の話になるが、日経Linuxのページに Hard Hat Linux を販売する米 Monta Vista Software副社長の Commune氏のインタビュー記事が掲載されていた。この中で発せられたGPLと知的所有権の保護に関する質問に対して、同氏は「この問題は既に解決し、GPLのルールに従いながら知的所有権を保護することは可能」としいる。 それに続く記者の捕捉コメントでは
同社ではGPLのライブラリは動的にリンク,LGPLのライブラリは静的にリンクするという方法で,ソース・コードの公開義務を回避している
とあるのだが… え!? そうなの? そんなGPL解釈初めて聞いたぞ。ちなみに、同じ日経LinuxのQ&Aのページには
「GPLライブラリを利用したプログラムは,静的リンクであれ動的リンクであれGPLで配布しなければなりません。」
とあるし、また、LGPLの前文には
"When a program is linked with a library, whether statically or using a shared library, the combination of the two is legally speaking a combined work, a derivative of the original library. The ordinary General Public License therefore permits such linking only if the entire combination fits its criteria of freedom." としっかり書かれているのだが…
時おり法的解釈にあいまいさが残る可能性を指摘されることもあるオープンソースライセンスの数々だが、それにしても最近、原文を読めば明白なこの手の勘違い(FUDのための意図的と思われる物も含めて)多すぎるのでかいだろうか。
あなた的オープンソース重大事件は?
ZDNet NEWSの この記事で紹介されているように、Linux World Conference and Expo において多くのオープンソース開発者がここ1年のLinuxにおける最重要事件について語っている。
ここで、Linux Torvals氏は「ユーザインタフェース、上位アプリケーションの充実」を、 Jeremy Allison氏(Sambaプロジェクト)は「2.4カーネルのリリース」を、 Apache の Brian Behlendorf氏は「Microsoftがオープンソースを脅威として認識したこと」を上げている。それではここでクエスチョン。みなさんの「オープンソースここ1年の最重要事件」は何?
未来の計算機
ZDNet NEWSの この記事によると Intel Developer Forum Fall 200 において Intel副社長 のPaul Otellini氏がこれからの計算機について語っている。この講演で同氏はこれからの計算機に求められる物として、(スピードの他に)
等を上げている。
- 低消費電力
- HyperThreading (上記記事参照)
ここで上げられている低消費電力とはプロセッサのセグメント化、回路レイアウト等により 実現される、モバイルを意識したものの様だが、より本質的な消費エネルギー の削減、つまり、1ビット演算あたりの使用エネルギーの削減 は今後の計算機科学において重要なテーマになるのでは無いだろうか?
これは私見であるが、energy/bit を削減するには、 1bitを表現するための電子(もしくはそれ以外の量子) の数をいかに少なくするかという問題にゆきつく。 また、スピードの追求は回路のサイズ縮小を要求する。 そしてこれらの要求が同時にたどりつく解が量子コンピュータ (この記事や この記事 参照)ではないだろうか?
20年後、コンピュータが一体どうなっているのか? どんなに想像しても、現実が想像を追い抜いて行く世界。 少なくとも、Microsoftの語る このめずらしく謙虚な未来どころでは済まないだろう。
そのUNIXを使う理由
ZDNet NEWSの この記事によると、SUN Microsystemsはあくまでも Solaris と UltraSPARC を軸として事業を展開していくらしい。Solarisを無償で提供し、さらに、(オープンソースの定義に合致しないライセンスながら)そのソースコードを公開しながらも、創業以来オープンな標準技術を主軸としていたSUNがあくまでも独自OSである Solaris にこだわる理由は一体何だろうか?
そして、Linux/FreeBSD等、オープンなPC-UNIXの勢力が拡大される中、あえてプロプライエタリなPC-UNIXを使い続ける理由とは一体なんなのだろうか?
実際に様々なUNIXのユーザーの生の意見を聞いてみたい。
教科書も電子化の時代
HOTWIRED JAPANの この記事によると、この秋の新学期からPhoenix大学で本格的に教科書の電子化が始まるらしい。 理由は電子教科書のインタラクティブ性と、紙の教科書の高価格化だとか。MITのOpenCourceWareや、 Stanford大学のこのサイトなど、欧米ではオリジナル教科書の電子化、ネット配布は一般しているようだ。
「教育」に骨身を惜しまない欧米の大学に対して、さて、日本の大学はどう出るのか?
大学は各大学の枠に因われず、ネットなどを用いて無料/低価格で良質の教科書の配布、学生は欧米の良質なネット配布教科書を使えるように英語に磨きをかけるというのはどうだろうか?