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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy
本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:5, 参考になる)
断わっとくけど、以下長いよ。読み飛ばしできないよ。
まず、宇宙エレヴェーターは原理的には非のうちどころがないもの。
だからと言って工学的に可能、実用になるとはゆかないのは言わない約束。
静止軌道から上方と下方にテザー(ケーブル)をゆっくりと展開してやれば、下方では重力が、上方では遠心力が卓越し、最終的には下端を地表に固定できる。
地上から積みあげるのは不可能だし、テザーの材質も柔軟な、つまりエラスティックな紐やロープでなくちゃいけない。
この時、上端をさらに伸ばすか、上端にさらに重しをつけてやれば、地表部のテザーには上向きのテンションがかかる。そこでこの重み以下の荷物ならテザーごしに持ち上げてやれる。
持ち上げに必要なエネルギーは、下向きにおろしてやる荷物の減速で発生するエネルギーを回生ブレーキで再利用してやれば、原理的にはゼロにできる。
しかし、地球の静止軌道から36000kmも吊り下げられる素材は、先端にテーパーかけて荷重を減らしてやっても、知られる限りでは存在しない。
発案初期には、ダイヤモンドが何万kmの継ぎ目なしの糸にできたらとか、鉄などのホイスカー結晶ならどうか(現実にはミリ単位)とか言われ、現在はナノチューブ(これも長いの作れる保証ゼロ)を使えばとか、「あったらいいな」「できたらいいな」なんて議論がされてる。
だが、それ以上の難問があると言っているのが、今回、振動の問題を提起したチェコ天文学協会のLubos Perek。
月や太陽からの摂動や「太陽風」(原文ママ)により、宇宙エレヴェーターは揺らされ、振動をおこしてしまう。
クラークの『楽園の泉』では、火星植民政府が、この振動を逆に利用して、火星では絶対に避けられないはずの衛星フォボスとの衝突を回避する策に出る。
クラークのこのアイデアを使えば、月や太陽などの自然に生じた振動を消したり、軌道上の人工物を回避できるはずというのが、今までの研究者の主張。
しかし、地上の根本に力を加えてやるだけでは問題は解決しないよというのが、Perekの主張。
その根拠についてはNew Scientistの記事でもあやふやなので、ここからは推測。
地上に固定されたこの長大テザーは根元に振動をあたえてやっても、上橋は動くことがない。先端に重しをつけて紐を手からぶらさげ、その手を左右に細かく動かしてやればよい。先端は、紐全体(具体的には重心)を動かしてやらない限り、びくとも動かない。
ならばどうすると、Perekは考えたのだろうと、ここまでが推測。
Perekによれば、根本的な解決のためには、テザーの各所にスラスター(ロケット)をつけてやらねばならない。
デブリ避けるのも、こうしたスラスターで接近探知したら噴かすって手しかないでしょというわけ。
でも、そんなのつけたら重くなる上にメンテや推進剤補給が偉い手間で、長大構造を維持することさえできなくなる。
だから駄目じゃんってわけ。
ここまでまとめればわかる通り、Perekの論自体、かなりに隙があり、元記事でもその見解に賛同のコメントをよせているのは、やはり安定性が致命的という、ニューメキシコ採鉱学工学大学のAnders Jorgensenひとり。しかも、Jorgensenによれば、地球磁場により、Perekがちゃんとした解析やってない自然振動は、完全にとまでゆかないが減衰するという。
それでも解消しない振動にはロケットの代りに、テザーそのものに電流を流してやり、地球磁場と相互作用させてやる策もあると、Jorgensenは語っている。
宇宙エレヴェーターほどの規模ではないが、シャトルから長大なケーブルを真下に展開してやる実験は「テザー衛星」(Tethered Satellite)の呼称ですでに行われていて、テザーに誘導電流流してやって、電離層を横切らせ発電しちまえという構想も進められたことがある。
このあたり、日本語版Wikipediaの「軌道エレベータ」の項目では、「テザー推進」と「テザー衛星」ってのがごっちゃになっていて混乱を招く。
また、記事ではNASAの概念研究レポートのまとめ役だったBradley Edwardsもコメントしていて、月や太陽からの影響はたいしたことないし、テザーにスラスター固定してやると荷物の上げ下げが大変だよと釘さしている。
とまあ、正しい要約がむつかしいってのはここまで読めば、読んでくれたらわかるだろうが、実は、さらにコメントつける形でのPerekへの反論がどっとよせられてて、今現在、総計30(モデレートによる本文削除含む)。
そっちまでは読み込めてないので元記事にあたってね。くれぐれも本家の筋違いの紹介じゃなく元記事にね。
なお、Perekの論文は、
Acta Astronautica (DOI: 10.1016/j.actaastro.2008.01.020)
に掲載。
アブストラクトは、
Space Elevator: Stability Lubos Perek [sciencedirect.com]
にあり。原典にあたれるひとのつっこみ求む。
YuiTad
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:3, 参考になる)
自分の理解用の意訳の意訳なので、信頼性は言うまでもない。
・軌道エレベータは、基本は静止軌道から”糸”を垂らし、その糸に張力がかかる形で固定される。
・ということは両端が固定された糸、つまり「弦」なわけで、振動が起こることは避けられない。
・これを固定端(要は地上)から調節できれば、自然の影響で起こる振動を打ち消したりデブリを避けたりに利用できる
・でもそれは難しいらしい、というのがコメント元が主張する今回の話。
・Perekによれば、地上でちょこちょこやってもダメ、やるなら”糸”の各部にロケットつけないとね、とのこと(コメント元の推測)
あとはウンチクと元記事や本家/.コメントの意訳なので省いた。
つまり、問題は
>エレベータの軌道が揺れ動くことで、衛星やスペースデブリに構造物がぶつかってエレベータが破損する可能性が高い(タレコミ)
ではなく
「軌道の振動をコントロールできないこと」かな。
パワーと耐久性を無視すれば弦の端に適当な力をかけることで振動はコントロールできるはずだけど、軌道エレベータの規模だと難しいよね、ってことか。
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:3, 参考になる)
宇宙エレヴェーターは基本的に、上はじは開放端。
この場合も、エレヴェーター全体(の重心)を動かさない限り、上端は静止している。
地上からの振動=横波不可だけでは、上端をぶんまわしてやるのは
不可能。
地上側から振動(横波)を伝えてやり、フォボスや大型人工天体を回避することは可能だが、デブリの場合は軽すぎ軌道が不安定に変動、いつ探知できるかわからず、地上部からの振動モード制御で回避はむずかしい。
エレヴェーター全体を動かすには上端からブースター噴かしてやる手もある。この場合、エレヴェーターは一種の振り子運動をおこなうが、タイムラグの問題でデブリ回避にはやはり使えんだろう。
ならば、エレヴェータの要所にロケットつけて一時的に曲げ、回避してやるしかないというのがPesekの主張。
ニューメキシコ工大の研究者の主張は重要。
電離層(低軌道テザー衛星)、ヴァン・アレン帯との相互作用で、エレヴェーター全体(あるいは局所)を動かしてやれるのだ(ただし、あくまで原理的には)。
この場合、なにより魅力的なのは、推進剤がいらないこと。
これは読み飛ばせる「蘊蓄」ではない。
ちなみに、太陽や月からの力は、振り子運動と振動の両方をひきおこす。
宇宙エレヴェーターの振り子運動は地球からだと制御むずかしいわりに、正のフィードバックおおこしたりするので、まずは使えない。つまり、
>パワーと耐久性を無視すれば弦の端に適当な力をかける
わけだが、その為には、Pesekが言う設定だと、余分な推進剤が必要になる。
ただし、地球・月のラグランジュ点と月面を結ぶタイプの宇宙エレヴェーターだと、アンカーと月面でテザーを延び縮みさせてやればコントロール可能で、しかも既存素材で建造可能。
両端が開放端の、現に空飛んでるテザー衛星の場合は、この延び縮みに加え、全体を回転させてやれば、推進剤なしで、軌道要素の一部を変更でき、すでに予備的な実験がおこなわれている。
YuiTad
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:1)
てっきり、糸の部分がデブリにぶつかるぶつからないの話だと思ってたら端っこのステーション部分の話だったんですね、
> 地上側から振動(横波)を伝えてやり、フォボスや大型人工天体を回避することは可能だが、デブリの場合は軽すぎ軌道が不安定に変動、いつ探知できるかわからず、地上部からの振動モード制御で回避はむずかしい。
のあたりの話によると。
でもこの問題については静止衛星は全て同じ問題をかかえていませんかね?(糸ついてないから地上から制御という議論はそもそも無意味ですが)
>>ということは両端が固定された糸、つまり「弦」なわけで、振動が起こることは避けられない。
> 宇宙エレヴェーターは基本的に、上はじは開放端。
これは”充分重たい重りが先端に付いてたら固定端とみなせる”とか勝手に考えていたので、補足感謝です。
> これは読み飛ばせる「蘊蓄」ではない。
その部分がウンチクだとは言いませんが(省いた部分がすべてウンチクだとは書いてませんよね)、
「タレコミは主題がズレてる」というタイトル=主題においては蛇足だったので省きました。
コメントが長すぎると理解を阻害するので、話したい内容を適当に分け、別々にコメントすることをお薦めします。
(たとえ自分の文にコメントつけることになっても)
> ちなみに、太陽や月からの力は、振り子運動と振動の両方をひきおこす。
ここから下とか。
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:1)
ケーブルの各所にスラスター付けなくても、スラスターを上下させて必要なところで、水平噴射させればいいんじゃない?
そうすれば、そんなに重くならないし。
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
確かに理屈はそうだけど、下方が大気の濃い部分に入った時点でバランスが破綻する気がするんだよな。
風が吹く方向はケーブルに対して横方向からだけじゃないんだし、上昇気流や下降気流に巻き込まれても重心位置が静止軌道上に居続けられるのか。
月みたいなところでなら上手くいきそうなんだけど。
どこか、実験衛星でも打ち上げてみてくれんかねぇ。
単純にテザーを伸ばすだけの実験で下方が大気圏に入っても安定軌道をキープし続けられるかを。
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:1)
現在も、複数のテザー衛星が軌道上にありますが、目的大気高層への吊り下げではありません。
吊り下げをねらったシステムは数年前に、ESAにより、学生からの公募と作業への参加のおとで進められ、使い捨て式の下端機器不調のため失敗と思われましたが、その後の解析で結構いいとこまで行ってたことが判明してるはずです。
両端が固定されていないテザー衛星は、テザーの展開ならびに巻き取りをおこなうことができ、アメリカン・クラッカーをまっすぐにしたような構造すべてをこのときにメリーゴーランドのように回転させてやれば、軌道要素の一部を変化させることができます。
で、低軌道の吊り下げ式の末端の場合は、静止軌道からの吊り下げと違って、軌道速度で風を受けることになるのですが、それでも、成層圏の上端あたりまでなら、断熱コートと短い安定翼ですむことになってたくらいで、ケーブルと大気との水平総体速度がほぼゼロの成層圏までならなんとかなるんじゃないでしょか。
対流圏?地面に接地?
正直、わかりませんが、こおゆう場合に、「科学」の名のもとで安易に否定してみせると、あとで恥かきますよ。
経済的な面については、かなあり無茶ではあるんですけどね。
YuiTad
Re: (スコア:0)
たわませるのにかかる時間でデブリ回避が可能かどうかはわからんけど、宇宙側をコントロールする事で、揺れについてもある程度の制御は出来るんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
調整や回避のためにエレベータの軸をずらしたいだけの話なら
アンカーの距離を動かすとかして重心をちょいと変えれば角速度ずれて推進系なくても動くやん?
なんかおかしな事言ってるかな?
Re: (スコア:0)
または、雷雲の発生しない砂漠地帯にベースを作る必要あり。
Re: (スコア:0)
揺れること自体が問題なんじゃなくて、今考えられてる方法で作ってたらデブリあっても
避けれねえから危なくて作れたもんじゃねえってことが問題だって言いたいのか?
Re:本家もこっち版タレコミも筋違い (スコア:1)
避けれねえから危なくて作れたもんじゃねえってことが問題だって言いたいのか?
さすが、頭がいい(と思ってる)ひとの言うことは違う。
間違ってるよ、根本的に。
で、私が「要約もできない奴」とわかってるなら、申しわけありませえん、オフトピ、荒しを避けるため、さらに妄想増殖させるのでなく、原典読んで、「間違って」ない「要約」、アノニマスじゃなくて、登録ハンドルで、その証明をアップしてください。
YuiTad
Re: (スコア:0)
間違ってるらしいってのに俺に説明しろとか救いようがないな・・・
間違ってると指摘するなら、誤答が何で、正答は何かを示せばいいだけの話。
それ以外は補足でしかないから極端な話全部省略可能なのに、肝心のとこだけ
省略してるお前の書き込み見てどうしろと?
技術的な背景なんてもんは本質的にはどうでもいいんだよ。そういう背景が
あったうえでお前は何が言いたいのかをまず書け。それから補足すれば自然に
要約になる。
薀蓄語りたいだけならチラシの裏にでも書いてろ。