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月ミッションを標準としてデザインするとISSミッションに使うには高価過ぎるようになりそう。
この要求が通ったからDoDに開発費の多くを負担させることができました。事実STSの初期ミッションには内容非公開のが一杯あるし、彼らを巻き込めなかったら果たしてNASA単独でアポロの次の有人活動手段は確保できたかどうか。「有人宇宙活動そのものが無駄もいいとこで、有益な無人活動のリソースを著しく圧迫するだけだからやめちまえ」というのが仰られる「リデュース」の中身であるなら、まあ賛成しちゃうけど。
#デザイン以外で当時と同じモノって有るんだろうか?
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家
リユースの教訓 (スコア:3, 興味深い)
すばらしい教訓を残してくれたと思います。
エコだとかいって、リユース、リサイクルが言われますが、一番効果があるのは
身の丈にあったものを無駄に作り過ぎない「リデュース」が重要であることが
見えてくるかと思います。
それでも、エコでひと儲け…っていう日本には到底無理かもしれませんが。
針の穴を通す…と形容される再突入時の角度等の狭いマージンや、
複雑さを増すことによる不具合の連発、コスト高にもかかわらず
ここまで長期にわたって運用し続けられたのは、ある意味意地だったのでしょうか。
Re:リユースの教訓 (スコア:3, すばらしい洞察)
(帰還時にしか使わない翼を軌道上まで持って行く)有翼式だからよくなかったのか
それともいろんなミッションに対応できるようにシステムが複雑化、巨大化したのがよくなかったのか
なんて言うのは既に評価が出てるのかなあ
素人目には三番目が一番利いているような気がするんだけど
それと溶融シールドじゃなくて機械的に脆い耐熱タイルを使ったこととかね
Re:リユースの教訓 (スコア:2, 参考になる)
まったくもって同感。
軍からの要求の中に、極軌道を一周して同じ基地へ戻れるように、
というのがあったためクロスレンジを大きくとれる現在の機体構成に
なったそうです。
あと低軌道へ30tってのと、静止衛星打ち上げもって。。。
そりゃ無茶なシステムになりますよねぇ。
Re: (スコア:0)
でも、次世代のやつもアポロを巨大化したようなやつじゃありませんでした?
# 大丈夫だろうか...
Re: (スコア:0)
40年過ぎるとアポロもメタボになるんです
Re: (スコア:0)
これは別に無茶じゃないですよ。
静止軌道ミッションといっても、シャトル自体は上段ロケットと衛星を低軌道に投入するだけですから。
まあ結局チャレンジャー事故の後に、液体ロケットをペイロードベイに搭載するのは危険ということで廃止されましたが。
Re:リユースの教訓 (スコア:1, 参考になる)
Re: (スコア:0)
主要因をそれとすると、後継のアレスロケットも既にヤバイ雰囲気が有るのだけど。
月ミッションを標準としてデザインするとISSミッションに使うには高価過ぎるようになりそう。
Re:リユースの教訓 (スコア:3, 興味深い)
> すばらしい教訓を残してくれたと思います。
コロンビアの初打ち上げから13年も経って、ようやく低軌道に貨物だけを10tぽっち上げるのに
1億ドルかかる打ち上げ手段を手に入れている国があることを鑑みると、
「30tの貨物と6人の人間を低軌道に上げたり下ろしたりできる」乗り物に
1回のフライトで5億ドルかそこらかかる、というのは言うほどコスト高とは思いません。
> 針の穴を通す…と形容される再突入時の角度等の狭いマージンや、
> 複雑さを増すことによる不具合の連発、コスト高にもかかわらず
> ここまで長期にわたって運用し続けられたのは、ある意味意地だったのでしょうか。
再突入の条件が厳しいのはアポロだってソユーズだって大して変わらないし、
システムの複雑さの原因の半分以上は「有人システムだから」。残りは多分「でかいシステムだから」。
結局シャトルもソユーズも100回そこそこの打ち上げで2回の致命的事故という実績はあまり変わらないし、
原理的に安全だからって自動的に安全な実装と安全な運用が行われて安全な実績、というわけではないのよね。
> エコだとかいって、リユース、リサイクルが言われますが、一番効果があるのは
> 身の丈にあったものを無駄に作り過ぎない「リデュース」が重要であることが
> 見えてくるかと思います。
「バンデンバーグから極軌道に打ち上げて赤い星の衛星を偵察し1周しただけで再突入して、
大きなクロスレンジでバンデンバーグに帰ってきてね、あと国防関連の大質量衛星の打ち上げもよろしく」
という要求があって、それを元に仕様が策定され、当時の技術で最大限仕様を満たすよう実装されたシステムがSTSです。
この要求が通ったからDoDに開発費の多くを負担させることができました。事実STSの初期ミッションには内容非公開のが一杯あるし、
彼らを巻き込めなかったら果たしてNASA単独でアポロの次の有人活動手段は確保できたかどうか。
「有人宇宙活動そのものが無駄もいいとこで、有益な無人活動のリソースを著しく圧迫するだけだからやめちまえ」というのが
仰られる「リデュース」の中身であるなら、まあ賛成しちゃうけど。
過剰過ぎる合理主義の徒花の一つ?(Re:リユースの教訓 (スコア:3, 興味深い)
問題の根本は、有人宇宙飛行の手段をシャトル一つに絞ってしまった事にあるのではないですか?
もう一つ挙げるならば、1990年代末期まで、有人飛行が可能な機体としてシャトルの後継タイプである、再使用可能かつ多用途な機種のみを追求して、搭載容量が少なくて数名程度の乗員を打ち上げる使い捨て(もしくは一部再使用可能)なシステムの開発を袖にしていたことではないかと。
DoDが絡んでいるということでの理由も多分にありそうですが、大型兵器(自衛隊用語でいう所の「正面装備」とします)の能力向上競争が激化しつづける中で、要求される任務が多くなって旧来のように任務単位で機種を開発生産するのでは製造コストも維持コストも教育コストも非常に高価になるというので、一つの機種や基本設計から多くの・大半の用途に対応できるようにしよう。と言う考え(いわゆるマルチロール指向)が1980年代以降に新規開発されたアメリカ兵器の傾向として顕著に出ていまして、
この考え方は第一次湾岸戦争の圧勝もあってか一時期世界の趨勢になったのですが(多分、例外は制空任務専用に開発された物に開発予算が逼迫したので後付けで対地攻撃能力を付けたF-22Aや所謂後方向けの兵器程度ではないかと…新規戦艦の分野でも大モメしていましたし)、
ここにきて、アメリカの工業界がコストに偏重しすぎて疲弊し切っているのもあってか、開発遅延とか開発キャンセルとかの嵐に見舞われていて、生き残った開発プロジェクトも、
・軽戦闘機として一つのベース機種から複数のまったく異なるタイプを生産しようとして、競争試作までは順調に言ったものの、量産向けの開発をしてみたら困難の連続で、もっとも単純な空軍向けの初飛行が非常に大幅に遅れた上に、全機種を量産に持ち込むために後幾らかかるかわかっていない(F-35 A/B/C ライトニングII [wikipedia.org])
・対潜哨戒機の新規開発でコスト削減の為に民間ジェット機を改造して済ませようとしたけど、一機種に要求される任務が増え、システムが複雑化しすぎた上に民間ジェット機で低空飛行することに難があったのも災いして開発予算が高騰し初飛行が遅延している(P-8 ポセイドン [wikipedia.org])
これらは海外諸国との共同開発であったり海外から資金を募っていたりするので引くに引けなくなっているので生き残りましたが、そうでない物についてはキャンセルされては復活し…の繰り返し担ってる物が大半で、一番代表的な例が
・一つのベースより兵員輸送車のような軽重量の装甲車から戦車や自走砲のような大重量の兵器まで次世代型の高性能な物を一気に開発しようとして、何度も開発コストに見合った実用性に疑問が呈されて議会から予算ストップがかかって計画が停止、計画練り直して開発予算を取得するハメに陥った(MCS(2000年代頭まではFCSと言われていたような…今は陸軍の戦闘体系全てを指すのですね) [wikipedia.org]計画)
これらに共通することは、
・一つの基本設計に多くの事をやらせられるという自信過剰?から来た見通しの甘さ
・先端技術が解決するとして先送りした問題が、解決は出来るけど実はコストの面でどうしょうもなく高価になるために予算的に揉めた
・開発ベースを単一の基本設計にしたために、一つの枝分かれ(P-8の場合には旅客機から哨戒機への転換)で重大な不具合が起きると、他の枝分かれに関しても開発や運用をストップして見直さないといけなくなるのでスケジュールや人的コストが予想外にかかる=「代わりがない」が故に、現状のプロジェクトに固執して、デスマーチになってしまう。
この部分で、スペースシャトルも同じ原因からお金を喰ってしまって、当座の凌ぎの有人飛行手段を放棄せざるを得なくなって、結局多くのシャトル前提でなくてもよい任務である中重量の貨物打ち上げや人員輸送などの遅延を招き、(ここで更に違約金とかで金を喰い)、本当にシャトルが必要なISSのような計画の大幅遅延を招いてしまった。と言う点で共通していて、
スペースシャトル計画が多用途性やアメリカ的合理主義の陰・陽、両方の部分を全て引っ張り出した結果として、低軌道での宇宙開発という体系から冗長性を早期に捨てざるを得なくなった事で多くの計画が大幅遅延したり。と言ったシステムの総崩れを招いてしまったと言う意味で、長々と前置きに挙げたアメリカの大型兵器開発計画と同じ根っこの問題を抱えていると思いますよ。
悪い言い方すれば身の丈に合わない物を強引に安上がりに作ろうとして出来上がったら上手くいかないのでもう少し粘れば…としている内に他の有効な道を塞いでしまって、その計画や路線を止めるタイミングに恵まれなかった、合理主義の貧乏性な部分が非常に大きく裏目に出た感じがするんですよ。
特に、当座凌ぎの代替手段を確保しないで予算を獲得してしまったがために、いざ計画がやばい、代わりの古い手段で現状を凌ごう。って時にはその生産ラインを再開する為の工業基盤が海外に出て行ってしまっていて確保できない上に工場労働者の能力も(ラインの停滞や雇用形態に由来する問題で)著しく低下していて実効性のある手が打てません→更にデスマーチ化したプロジェクトへの期待や圧力が高まってそれ自体が予算高騰の要素にもなっている。と言う悪循環については、スペースシャトルは15年くらい先端を行ってしまった。
この事からアメリカの政治も工業界も教訓を得られている…と思いたいですが(;´Д`)
Re: (スコア:0)
なんでコレが荒しになるの。長文書くと全部荒し?
私は非常に参考になりました。
アメリカの最近の軍事装備の迷走ぶりを知っていると、シャトルの失敗理由と、アレスの危うさが透けて見えますよ。
Re: (スコア:0)
特定の人に対する「粘着」がモデレーション権持ちだったのでしょう。
Re: (スコア:0)
ACで投稿してもマイナスされるとおもう。
Re: (スコア:0)
> 1億ドルかかる打ち上げ手段を手に入れている国があることを鑑みると、
H-IIは約2億ドルですね。
1億ドルのH-IIAが飛んだのはコロンビアの初打ち上げから20年後。
Re:リユースの教訓 (スコア:1)
#ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…
masamic
Re: (スコア:0)
#デザイン以外で当時と同じモノって有るんだろうか?
Re: (スコア:0)
KISS