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> 「夜中の方が像が安定するんだ!」とかいって昼夜逆転の生活を送っているみなさんにも愛の手を!
確か電顕を設置する場所の近くに道路が有るとダメなんですよね. と, 金属結晶の研究室の同期が言っていました. 私は切削・研削加工なので走査電顕レベル止まり.
あと、この方法で分かるのはたんぱく質の質量数だけですよね。同定するためには、少なくともアミノ酸の並んでいる順番も同じでないといけないと思うんですけど、これはどうやって測定するんでしょう?
# しろうと質問ですいません。
で、田中氏の功績は、これまでよりも長いアミノ酸配列のタンパク質の質量分析ができるような方法を考案した、ということですね。 確
タンパク質のアミノ酸配列の決定って、結構難しいものなんですね。単純に DNA 配列から決定する方法だけではなく、直接興味あるタ
MW=Molecular Weight
MW という単位は何でしょう?
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:3, 参考になる)
ヒトゲノムプロジェクトで遺伝子レベルでの解析が進んだ後、次はそこから実際に出来上がってくる蛋白質を直接解析しようとする「プロテオミクス」研究が進行していますが、それを支えている重要な分析装置の一つにMALDI-TOF/MS(*)があります。その基盤となったのが田中氏の受賞研究であるようです。
質量分析(MS)は大雑把にいうと、目的分子をイオン化させて電場に送り込み、その移動速度からそのイオンの質量を求めるものですが、従来の方式ではそのイオン化の条件が強く、分子自体が分解された小さなフラグメント(MW数百程度まで)として検出されてました(これを利用して低分子の分子構造を決定していた)
しかし、ソフトなイオン化の方法が開発されたことで、かなり大きなフラグメント(MWが数千〜数万)でも解析できるようになり、それを用いて現在では高分子である蛋白質の同定が可能となり、生化学の分野で非常に強力なツールになっています。
この分野でのMALDI-TOF/MSの利用(ペプチドマスフィンガープリンティングによる蛋白同定)はいずれはLC-MS/MSにとって代わられるものだと思いますが、その基礎を築いたことは非常に大きなことだったと言えます。
* Matrix assisted laser desorption/ionization - time of flight - mass spectrometry、マトリクス支援レーザー脱離イオン式飛行時間型質量分析計、マルディ-トフ-マス
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:1, 参考になる)
これでノーベル賞の一つもとれなきゃその方が嘘だ!
MALDIでなくても各種の電顕等でも一昔前には生物観察しようとすると良くて干物まかり間違うと黒焦げになったものですが、最近はみなさんの努力で生きている状態に近い細胞の様子を捉えることが出来るようになりました。
「夜中の方が像が安定するんだ!」とかいって昼夜逆転の生活を送っているみなさんにも愛の手を!
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:2, 参考になる)
> 「夜中の方が像が安定するんだ!」とかいって昼夜逆転の生活を送っているみなさんにも愛の手を!
確か電顕を設置する場所の近くに道路が有るとダメなんですよね. と, 金属結晶の研究室の同期が言っていました. 私は切削・研削加工なので走査電顕レベル止まり.
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:0)
あと、この方法で分かるのはたんぱく質の質量数だけですよね。同定するためには、少なくともアミノ酸の並んでいる順番も同じでないといけないと思うんですけど、これはどうやって測定するんでしょう?
# しろうと質問ですいません。
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:2, 参考になる)
あ、失礼。分子量(Molecular weight)です。水素原子=1の。
それから、MALDI-TOF/MSを用いたタンパク質同定はペプチドマスフィンガープリンティング [a-m-i.co.jp]と呼ばれてます。
まず、目的のタンパク質を蛋白分解酵素(トリプシンなど)で処理します。するとタンパクがその酵素で決まった特定のアミノ酸の部分で切られてペプチド断片が得られます。それをMALDI-TOF/MSにかけてやるとそれらのペプチド断片が検出されますが、実はそのすべてが検出されるわけではないです。しかもペプチド断片=連続したアミノ酸、ですから例えば途中のアミノ酸が入れ替わっただけのものは同一の大きさのものとして検知されます。
それで何故、タンパク質の同定が可能か、というとそこにはタンパク質データベースが充実してきた、という背景があります。
そのサンプルが得られた生物からこれまでに見つかった、既知の(データベース内の)タンパク質を同様に分解したときに飛ぶ断片の質量を計算して、実測で得られたピークから同じパターンになるものを推定しスコアリングするわけです。今の機器精度なら実測値と予測値の誤差は50ppm以下におさまりますし、全部のペプチドが飛ばなくても、あるいはいくらかノイズが混じっても、有効なペプチド断片が十分多く検出されれば同定が可能、ってわけです。
またタンパク質の解明が進んでなくてもゲノムが判っていれば、そこからコードされる蛋白の予想ができますから、そこから推定も出来ます。実際問題としてはいちばん使えるのはヒト、次いでマウス、他の生物でもゲノム全体が判ってれば同定できる可能性は高いです。
従来の蛋白同定の方法と比べるとデータベースさえあれば、感度も高く、また精製が完璧でなくても(余分なピークが数本増えるだけなので)使えるというのが魅力で、大体5〜10個のペプチド断片由来のピークが飛べば同定できますね。
#これがLC-MS/MSならそれぞれのペプチド断片のアミノ酸配列まで判るので2〜3本のピークで十分といいます。
#感覚的にはヒトの蛋白ならCBB染色で見える量のタンパクがあればまず100%、銀染色で見える微量だとものによって確率は落ちますが、はっきり見える小さいものならまあ何とか、って感じ。
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:2, 参考になる)
#つっても、がんがん同定するラボでは外部で検索する時間が惜しまれるので、質量分析システムにオフラインで出来るのが組み込まれてることも多いです。
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:0)
で、田中氏の功績は、これまでよりも長いアミノ酸配列のタンパク質の質量分析ができるような方法を考案した、ということですね。 確
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:2, 参考になる)
厳密に言うと、ペプチドマスフィンガープリンティングが行うのは、アミノ酸配列の決定というよりもタンパクの同定です。まぁタンパクが決まればアミノ酸配列もおのずと決まるのですが、アプローチの方向が異なるので。
日本語のいい解説が見当たらなかったのですが、ここにある図 [spectroscopynow.com]あたりが参考になるかと。
>で、田中氏の功績は、これまでよりも長いアミノ酸配列のタンパク質の質量分析ができるような方法を考案した、ということですね。
その礎を築いた、といった方がいいかもしれません。生化学の分野で現在使われているMALDI自体は田中氏というよりもFranz Hellinkamp [nih.gov]が考案したものと言う方がよさそうですが、その基本原理となる(マトリクスを用いない)soft laser desorptionを考案したのが田中氏、というわけで。
>同時に、質量分析の精度も上げないといけないような気もしますが、こっち方は問題ないんでしょうか?ひょっとして、これが「50ppm 以下の誤差」といっていることなんでしょうか?
まさにその通りです。ここらへんこそ田中氏がいろいろと試行錯誤したところでしょうし、こういう地味な部分の方が大変だったのでしょうけど、それこそ世界を変えるほどの「画期的な躍進」と呼べる部分ではないわけで、それだけではノーベル賞なんてありえなかった、あくまでlaser desorptionの考案こそが評価されたのだと。
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:0)
タンパク質のアミノ酸配列の決定って、結構難しいものなんですね。単純に DNA 配列から決定する方法だけではなく、直接興味あるタ
MW (スコア:1)
より正確には、分子の壊れたものだから、分子量といってしまうのはまずいでしょうが、だからといって、用語を量産するのも考えものですから。
Re:MW (スコア:1)
ご推察の通り。MSではイオンとして観測され、厳密には M/Z (単位電荷当り質量数)という単位になりますが、少し噛み砕くつもりでMWと表現した次第です。
Re:MALDIの恩恵を受けてるものとして (スコア:1, 余計なもの)