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これは深刻だと思う。ある病気を恐れるあまり、副作用が灰色(それもかなり黒い)薬を大量に準備するのは、リスクとして変わらないんじゃないか。
製造元(カナダだっけ?)がライセンス生産を拒否してると聞いた記憶があるのだけど、それもリスクを更に大きくしているんじゃないかな、と。
この辺り、日本国外でも議論が足りないor未消化って気がするなぁ。政治とアメリカの製薬業界の思惑とかがありありと。
日本では、若い患者にもバンバン投与するんでしょうかね?私は特に持病などを持っていない29歳男性ですが、昨シーズンにインフルエンザにかかったとき、投与を受けました。その場では熱で苦しいから言われるまま支払いましたが、後でレシートを見直して、ちょっと引きました。高価いっ。医師には、既に発症してから48時間くらいは経っているかも、と伝えたはずなんですが・・・。
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この薬を準備するリスク (スコア:1)
これは深刻だと思う。ある病気を恐れるあまり、副作用が灰色(それもかなり黒い)薬を大量に準備するのは、リスクとして変わらないんじゃないか。
製造元(カナダだっけ?)がライセンス生産を拒否してると聞いた記憶があるのだけど、それもリスクを更に大きくしているんじゃないかな、と。
この辺り、日本国外でも議論が足りないor未消化って気がするなぁ。政治とアメリカの製薬業界の思惑とかがありありと。
副作用での死者数と病気での死者数 (スコア:3, 参考になる)
ちなみに日本の中外製薬が輸入・製造販売しています。
成分はリン酸オセルタミビル
日本で昨冬(2004年冬から2005年春)に出荷されたタミフルの量は、1日2カプセル×4日の標準量換算で、1080万人分。今年6月の供給計画によると今冬の分は、1500万人分が予定されていました。日本政府が備蓄を予定しているのは2500万人分です。(添付資料:中外製薬の抗インフルエンザウイルス剤『リン酸オセルタミビル』2005-2006年シーズンの供給計画 [66.102.7.104](上手く飛べないのでGoogleキャッシュ)
その膨大な投与患者数に対して、どれだけの副作用(現時点では、脳症や高熱の影響も疑われている)が出るとデメリットだと見るのか?という話ですね。 ちなみに、鳥インフルエンザが人間に感染した東南アジア等の事例は200人を越していますが、致死率は50%を超えています。今後、人間に感染するような変異を起こした場合も、影響は大きいと予測されています。
最近の報告
鳥インフルエンザに感染した患者達の肺などの組織を調査したところ、免疫細胞が分泌する「サイトカイン」と呼ばれる物質の量が通常のインフルエンザに比べて異常に多いことが判明しています。これは免疫システムに「サイトカイン・ストーム」と呼ばれる暴走現象が起きたことを示唆する物だそうですが、それによって体内の臓器がうまく働かなくなる事があるそうです。
タミフルは、インフルエンザを治療しない為(ウイルスの増殖は抑止するが、ウイルスを殺すのは免疫系)、日本以外では免疫系の弱っている高齢者や感染症に弱い慢性疾患の患者に主に投与されています。(欧米ではインフルエンザは「自然治癒」する病気とされているので、通常は対処は安静のみ)
インフルエンザには、免疫を獲得する事でしか対抗できないので、ワクチンが無いと話にならないわけです。そのワクチンですが、まだ … なのよね。 だから、ウイルスの増殖を抑えるタミフルが最後の頼みの綱です。
# 病気より薬が怖いかどうかは、数字を見ればわかるよね
Re:副作用での死者数と病気での死者数 (スコア:5, 参考になる)
現在のインフルエンザワクチンは感染予防にはあんまり効果がないのですが、脳炎などのような重症化を抑えるのには効果があると考えられてます。だから、ワクチンを打ったからといってインフルエンザにかからなくなるわけではないけど、高リスク群への接種は積極的に行うべきだと。
ここらへん、ワクチンとはどういうものなのか、という理解抜きに「夢の予防法」みたいな理解をしている人が多いのも、ちょっと問題かなあと思わなくもない。
一時期行われていた学童への接種が任意化されたのも、これに基づいてるわけです。まぁ学童を重症化の虞れがある高リスク群と考えるかどうかについては両論ありますけど、とりあえず接種義務化する必要まではないだろうということに落ち着いてます。ただこの義務接種がなくなった弊害で、ワクチンの作成に必要な孵化鶏卵を作る業者が減って、国内のワクチン生産能力が落ちたのは大きな痛手でしたが。
インフルエンザウイルスの感染は、主に気道粘膜上皮で起きるんですが、こういった粘膜には、抗体の中でも分泌型IgAと呼ばれるタイプのものが多く存在しており、血中に多いようなIgGやIgMはほとんど機能してません。だから分泌型IgAを産生できるようなタイプのワクチンでないと、感染防御の役には立たないのだと考えられてます。で、現行の静脈注射型のワクチンでは血中IgGやIgMは増えるけど分泌型IgAは増えない……これが感染予防の役にはたたないいちばんの理由だと考えられてます(ただし重症化の防止にはどうも血中IgGなども有効に働くらしい)。このあたりは経鼻ワクチンなど、投与経路を変えることでなんとかならないかと模索されてますが、今のところまだ実用化には至ってないです。
それから新型ウイルスの場合は、当然、ウイルスが出てくるまではワクチンは作れないわけですが、現状からみて今、流行しているトリインフルエンザに対するワクチンを準備できれば、それなりの役に立つんじゃないかという考えもあります。ヒトの新型インフルエンザになるときにもう一つ変異が入るにしても、それ以外の部分がいくらか交差反応して、重症化を抑える役に立つかもしれないので。
ただ、今流行しているみたいな高病原性トリインフルエンザにはもう一つ問題があって。インフルエンザではワクチンを作ったりウイルスを大量に増やそうというときには通常、孵化鶏卵を使うんですが、ニワトリに対して高病原性であるがゆえに途中で卵が死んじゃって、うまく作れないという問題があるのです。
ここらへんをクリアするために、遺伝子工学の技術を応用して、既存の低病原性のウイルスに高病原性ウイルスの遺伝子を組み込んだキメラウイルスを作って、それによってワクチンを作ろうというプロジェクトも進んでます。そのためにはインフルエンザウイルスの遺伝子の機能解明が重要なんですが、このあたりについては去年くらいから、東大の研究グループが、インフルエンザウイルスの粒子を作るためのパッケージング機構の解明を行うなど、日本の研究者も大いに貢献しながら、かなり基礎的な部分は解明が進んでるところです。
Re:副作用での死者数と病気での死者数 (スコア:2, 興味深い)
日本では、若い患者にもバンバン投与するんでしょうかね?
私は特に持病などを持っていない29歳男性ですが、昨シーズンにインフルエンザにかかったとき、投与を受けました。
その場では熱で苦しいから言われるまま支払いましたが、後でレシートを見直して、ちょっと引きました。高価いっ。
医師には、既に発症してから48時間くらいは経っているかも、と伝えたはずなんですが・・・。
ウイルスはDNAカプセルなので (スコア:2, すばらしい洞察)
「肺炎になれば治療が出来る」、というのは冗談ではないのよね
日本医師会生涯教育シリーズ : インフルエンザ [forth.go.jp]
病原体:インフルエンザウイルスinfluenza virus
通常であれば1週間程度で寛解する
タミフルがしているのはウイルスの増殖抑止だけですので
ウイルスの少ない時期に飲めば身体が戦うウイルスが少なくてすみます。
故に、症状(身体がウイルスと戦った結果でる)が軽くてすむのです。
でも実際は、高熱などの症状が現れる期間を1日ほど短縮するだけなのよね。
高熱が出るほどウイルスが増えていたら(既にからだ内部で大戦争中)
投与しても無意味だった可能性もありますね。
特に持病などを持っていない29歳男性
通常のインフルエンザではほとんど死なない年齢層ですね
でも普通の人は、「これで早く治ります」と言われたら飲みますよ。例え短縮される不快な期間がわずか1日であっても。みんな会社勤めの都合が有ったり、学校を余計に休めなかったり、自分で食事の支度をする必要が有ったりするのですから。
ただ、健康な大人に対して、発症期間を1日短縮するために「高価な抗インフルエンザ薬」を使うのは日本だけです。医療制度の仕組みのおかげでも有るのですが、一昨年の冬のインフルエンザ流行時には、世界の使用量の8割が日本で使われ、状況を知る外国の研究者達の顰蹙をかっていた事実もあります。
外国が今大騒ぎをしながら求めているタミフルは「迫ってきている非常時の為の備蓄」用で、通常のインフルエンザに罹患した健康な大人に「今」使う為のものではありません。タミフルを世界中が必死に求めている時に、健康なインフルエンザ患者(妙な表現だ)に投与するのは、普通に考えて「顰蹙もの」だと思うんですけど。しかも、日本では危険に備える為の備蓄分も充足されていないのよね。
# 高リスク群に使うなとは言わない
# でも、「死ぬ危険性が高い疾患の為に優先備蓄する」戦略の方がまともだと思う