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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy
時間が惜しいから (スコア:5, すばらしい洞察)
これが大変なのでしょう。
テープの場合、1時間撮影したら、パソコンに取り込むにも1時間かかります。編集のまえにそれだけの時間を費やすのは、面倒です。HDD方式やDVD方式などの場合、USBマスストレージ接続なので短時間で取り込みが終了します。特にHDD方式は高速です。
DVD作成をゴールとする場合は、さらに違いがでます。最近のPCは速くなりましたが、それでもMPEG2エンコードには時間を要します。HDD方式もDVD方式もMPEG2ファイルですので、DVD作成時にエンコードを必要としません。パソコンで編集しないのであれば、DVD方式なら撮影時にDVD作成まで終了します。
テープ方式(miniDV)のビデオカメラを長く使ってきた人ほど、時間を節約できる非テープ方式に魅力を感じるのではないでしょうか。
MPEG2で十分ですか? (スコア:2, 興味深い)
規格の異なるHDVを別にして、DVDやHDDなどのMPEG2では情報の圧縮が大きくて記録としては、そこはかとなく不安を感じますね。
デジタル方式が主流になってから、AVの方向性が「Hi-Fi(高い忠実度)」から「綺麗に見える」へとシフトしたように思います。
それまでのアナログ方式のシステムが情報量の拡大と、低ノイズ化を目指して行ったのに、CD以降のデジタル方式のシステムは「人間が識別できないレベルは切り捨てる(人間の感覚を上手にごまかす)」という考え方で微少な信号を切り捨てるようになってます。この切り捨てられた部分が案外、リアリティに響いてくると思うんです。
アニメのようにべた塗りな画像ならMPEG2でも十分だと思いますが、現実の世界ではたとえば満開の桜並木をロングで撮ったりすることも多い、というか、そういう映像のほうが多くなります。撮影時に現在の家庭用レベルのMPEG2の情報量で撮るのは不安があります。
MPEG2方式のカメラをもってないので、DV方式とそれ以前のアナログ方式との比較になりますが、Beta、VHS、ED-Beta、Hi8、DVとカメラを使ってみて、ED-Betaが最もリアルな映像を記録できました。DVは確か1/5圧縮されるはずですが、同じものを撮ったときに映像の安定度でED-Betaに劣ります。具体的にはロングに弱いです。風になびく木々の葉など細かい映像がざわざわとつぶれる感じがします。近距離の映像では差は出ないです。
これはED-Betaのカメラ(EDC-50)が2/3インチのCCDで、DV(GY-DV500)が1/2インチのCCDというのも影響しているのかもしれませんが、かたや1980年代後半の家庭用2CCDカメラ、DV500は1990年代末期の3CCDの業務用カメラなのでCCDの差よりデッキの差だと思いました。
個人的には現行テレビ用の記録を撮るカメラとしては、DVあたりの規格が限界なのではと思っています。ソニーのXDCAMあたりが家庭用に降りてくれば使ってみたいですが・・・。
現行方式のテレビでも、カメラ(映像のソース)が良ければ驚くほど綺麗ですよ。またイメージセンサーの大きさもリアリティに響いてきますね。3CCD方式のカメラといっても、家庭用のは細かい部分はつぶれてしまいます。業務用カメラで撮った映像を再生すると、遠くの山並みとか飛んでる虫なども鮮明に写るのですごくリアルです。ソニーのDRC-MFのような画像処理付きのテレビならより違いが出ます。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:1)
その後状況が良くなるかと思ったらMPEG2とかに進みそうで、あちゃー、という感じ。
リアリティという点では、Single-8はたいへんよく映る規格だったと思います。
HDVは「不気味の壁」みたいなものに激突しているような気がしてなりません。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:1)
リアリティの感じ方って、接してきたメディアに影響されるところが大きいでしょうね。
私はテレビ世代なので動画はテレビ的なものに親しみとリアリティを感じます。映画に慣れ親しんだ世代の人たちは8mmだったり16mmを基準にして考えるんでしょうね。
おそらくMPEG方式のカメラに慣れた世代は、MPEG方式を基準にするんだろうなぁ。
>HDVは「不気味の壁」みたいなものに激突しているような気がしてなりません。
店頭でDVDレコーダとかの再生を見ていると、時々、「砂粒が動いて動画になっている」といった感じを受けるときがあります。
アナログ方式にしろ、DV方式にしろ、一枚一枚の全く異なる映像を連続して再生することで動画を作るので「映画」と同じ発想だと思えるのですが、MPEG方式は「差分」を描き直すという発想なので、ちょっと違うなぁと感じます。
HDVはDVと解像力が違うので、このあたりどうなんでしょうね。私は、もう数年、動画はDVでいこうと思ってます(個人的にはED-Betaを使い続けたかったのですが、カメラを維持することが困難なのでDVに移行しました)。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:2, 参考になる)
「MPEG2の規格上の傾向」と「現状のMPEG録再機器の傾向」を混同されている気がします。
MPEG2は差分を取ってはいますが、『「差分」を描き直すという発想』ではありません。
動き予測ではデータ量の削減は行いますが、この段階での画質の劣化はありません。
画質の劣化が発生するのはその後段のDCT処理です。
これは DV でも同じ処理をしてますので「静止画で見た場合」の画質劣化の傾向はDVと同じになります。
問題は、動き予測の結果によってDCT入力段のデータ量が変わってくるため、
「一定サイズのデータになるまで情報削減する(=データレートを一定にする)」と「映像の傾向(動きの大小)によって画質劣化量が変わる」
ということにあるわけですが、
「画質劣化量が一定になる」ように「データレートを変化させる」ことができるなら、こういう問題は発生しません。VBRってやつですね。
これは処理としては大変ですが、DVDのオーサリングなど、エンコードに時間をかけれる状況ならそういうことは問題なく可能で、
そうやって作成したMPEG2データなら、「動きのある部分では画質が落ちてる」みたいなことは発生しません。DV と遜色ない映像が出来ます。
#もっとも、DVDの場合データレートの上限が10Mbps程度なので、あまりにも動きが激しすぎるとこの上限に引っかかって
#目に見える画質劣化は発生します…
残念ながら現状のリアルタイム録画機器では、そこまでエンコード性能が高くないので、
今のところはまだまだ「動きが激しいと画質劣化が大きくなる」という傾向にありますが、
これはMPEG2の規格上の問題ではありませんし、今後の製品ではどんどん改善されていくとおもいます。
ていうか、HDD/DVDレコーダなんかを見ると、ここ数年、大分改善されてきてますね。
そういう点では、MPEG2なビデオレコーダーは今後HiFiの方向に進む、と言えるとは思います。
メーカーはどっちかと言うと「同じ画質でより低データレート・長時間録画ができる」という方向で攻めてきそうですが…
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:0)
これと
>具体的にはロングに弱いです。風になびく木々の葉など細かい映像がざわざわとつぶれる感じがします。
>近距離の映像では差は出ないです。
これは(ほぼ)同じことでしょう。高周波成分を多く含むエッジや細かい画像に対して弱いのがMPEG2(というかDCT)なのですから。
#アニメでも、輪郭線等は高周波成分バリバリですので、ノイズが出やすいです。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:1)
アニメに弱いってLD派に叩かれたものです。その後はエンコーダの改良や、余裕のあるビットレートに
なってきて評価が変わってきましたが。
ところで、アナログ派の方がデジタル圧縮の画質を評価するとき、圧縮率(ビットレート)の視点が
欠けていることが多いのはなぜなのでしょう。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:2, 参考になる)
「DCTはアニメに弱い」という点に基づいてますけど、
「動き予測はアニメに強い」という点が欠落してるんですよね。
JPEG(やDV)とMPEGの違いは何かというと、
前段で「動き予測」という、「時間的に前後のコマを見比べて差分を取る」処理が入る点です。
この段階では、データ量は減りますが、情報の欠落はありません。
その次の「DCT(=いわゆるJPEG)」処理 で、高域情報を落とす(画質を落とす)ことによるデータ量削減が行われます。
この動き予測という処理のため、動きが激しい(映像の変化が大きい)ところと動きが少ないところで
落とされるデータ量(=画質)が変わってくることになるわけですが、
#921766 [srad.jp]ではDVと比べてMPEG2を低く見ていますけど、画質劣化の本質としてはDVもMPEG2は同じです。
まあ、動き予測は非常に重い処理なので、DVDが出たばかりのころは、
十分な動き予測処理が出来てない(=DCT前のデータ量が多い=DCT段階でのデータ量削減が多い=画質が悪い)
ソフトもありましたけど、
規格として考えるならば、
「2Dでレイヤーを重ねて、それぞれのレイヤーがスクロールする」ような「アニメ」映像は動き予測がよく効くので、
ちゃんとした動き予測処理が可能なら「MPEG2はアニメに強い」と言えると思います。
さらに、アニメの場合は作画からすべてフルデジタルで編集することが可能ですが、
そうすれば無駄なまったくノイズが混入しないので高画質が期待できます。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:0)
また、いくら動き補償を加えても「加えるべき差分」がまたもや離散コサイン変換やら量子化やらされるわけで、PフレームやBフレームについても、誤差0とはいきません。
フルデジタルで処理すると、微小ノイズの混入がない、という部分は、おっしゃる通りです。
Re:MPEG2で十分ですか? (スコア:1)
アニメ絵は動き予測後(B・Pフレーム)のデータ量が0になるといった極端な主張をしたつもりもありません。
私が言いたかったのは2点
・MPEGはアニメ絵が苦手というが、それは「離散コサイン変換やら量子化」の処理部分だけを見た評価であり
「動き予測の面」では、アニメ映像は得意分野である。
(両方をあわせた全体としては、動き予測の出来次第でアニメ絵が有利か不利か変わってくるわけですが、
DVDなど、エンコードに十分な時間を掛けられる状況なら、アニメ絵はかなり圧縮しやすい素材と言えると思います。)
・MPEGで画質劣化が発生するのは「離散コサイン変換やら量子化」部分であり、これは DV でも同じ処理をしてるので、
静止画で見た場合の画質劣化の仕方は DV と同じ
(ただし、MPEG は、動きの大小(動き予測の出来具合)によって画質劣化量が変わる)
ということです。