web広告OK、採掘ダメ、という人は
おそらく民放TVや雑誌等の既存メディアのアナロジーから、コンテンツを見る対価として広告を見させられるのは「社会的に許容し得る(既に許容されている)」、後者はそうではない、と考えているのではないかと思いますが、
webでは一見広告に見えるものが裏で何をしているのか把握していないのではないでしょうか?
ネット広告 閲覧者の情報収集「端末」「個人」危うい結合
「欧州サッカーと推理小説が好きで週1回ジムに通う40代男性、4人家族……。ウェブ上の行動履歴をもとに推測した属性が大量に集められてデータベース化されています」。インターネット広告に詳しい技術者はこう説明する。
(略)こうして集められる興味関心などの情報は、あくまで端末やブラウザーに紐づいたもので、日本の個人情報保護法では、個人情報には当たらない。
(略)だが、この図でいうZが、フェイスブック(FB)のように利用者の個人情報を保有する事業者だったらどうだろう。端末に紐づけられた情報は個人に結びつけられ、個人情報に変わる。
また別記事にコメントしましたが、見えない広告というのもあります。
広告以外では、例えばfacebookの「いいね(シェア)」ボタンは、一見してfacebook利用者の利便性のためで、非会員や押さない人は無関係のように思えますが、これも裏で情報収集しています。
これをプライバシー侵害で違法とする国もあります。
ベルギー裁判所、Facebookによる「いいね」ボタンなどを使った同意無しでの個人情報収集を違法と判断
これらは、webサイト読者の「意図に沿うべき動作」でしょうか?
広告画像を見させられることは既存メディアと同じく許容していても、ここまでは許容するしない以前に把握すらしていないのではないでしょうか?
「意図に反する動作」ではないでしょうか?
かように、webサイト読者が(※場合によってはwebサイト運営者すら)把握していない、もしくは意図に反するスクリプト(プログラム)がwebサイト上に氾濫する中で、
採掘だけ特にやり玉に挙げる、しかもいきなり逮捕するのはフェアでない、というのが技術オタク(笑)の意見かと。
その先は、両方クロという意見(刑法が専門の園田寿・甲南大法科大学院教授)と両方シロという意見(ひろみちゅ:産業技術総合研究所の高木浩光主任研究員)があると思いますが。
他人のPC「借用」仮想通貨計算 ウイルスか合法技術か
※場合によってはwebサイト運営者すら: 例えばはてなブックマークボタンは、設置後いつのまにか行動情報の取得と第三者への提供をするようになり、さらにいつのまにかやめました
(盗電のアナロジーで)俺は許せん、という人がいるのはわかります
しかしその伝でいうなら、動画広告や(今は亡き)flash広告は重い(盗CPU)ので許せん、とか、全画面広告や誤クリックを誘う広告はムカつくので許せん、とか、それに比べれば採掘のほうがマシ、とかいう人もいるので、
一律にweb広告は社会的に許容されているとも言えない。
facebookボタンの件は、日本では「個人情報保護委員会」がサイト運営者への注意喚起とfacebookへの(行政指導を視野に)ヒアリングしているようです。管轄からして個人情報保護法の問題であって、不正指令電磁的記録等作成罪は問題視してませんが。
- 注意喚起
SNSの「ボタン」等の設置に係る留意事項
サイト運営者は、SNSに情報送信されるような「ボタン」等をウェブサイトに設置する場合には、ボタン等を押さなくとも閲覧しただけで当該SNSに情報が送信されることがあることを一般の利用者が十分に認識するよう、当該SNSに情報が送信されていること及び送信されている情報の範囲等をプライバシーポリシー等においてわかりやすく明示する等、丁寧にご対応ください。
- ヒアリング
「いいね」で個人情報収集、FB納得いく説明を 個人情報保護委員会事務局長へのインタビュー
――FBに対しては。
現在、担当者を呼んで話を聞いており、行政指導を視野に、利用者に分かりやすい説明をするよう求めていく。FBはデータポリシーなどの見直しを進めており、内容を確認しているところだ。