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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
アナリティクカル・グラフィックス社(AGI)の研究部門CSSIのblogによれば、2009年に打ち上げられたロシアの小型衛星BLITS(Ball Lens In The Space)が中国の風雲1号C(FY-1C)由来のデブリと衝突した、らしい。
ご存じの通り、1999年に打ち上がられたFY-1Cは2007年1月に行われた衛星破壊実験により破壊され、約3000個のデブリを発生させている。今年1月22日7時57分(UTC)頃にBLITSの軌道と姿勢に変化が生じ、試算の結果FY-1Cによるデブリの一つが同日3時8分に接近してたことが判明し、またこの時期に接近した物体はこれだけであることから、BLITSの軌道と姿勢の変化はこのデブリによるものと結論づけている。
BLITSはGLONASSやGallileo衛星に搭載されているリフレクタなどを製造する公開株式会社「科学生産企業・精密機器システム」(ОАО НПК СПП)により製造された7.5kg、直系170mmの小型科学衛星で、地球科学等の研究のためのSLRデータの修得や、ルネベルグレンズの原理による逆反射体を搭載した衛星コンセプトの実証のための衛星であり、測定エラーは0.1mm以下らしい。また、衝突によりデブリも新たに生じたらしい。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
25日6時7分(モスクワ標準時)、ロシアのプレセツク宇宙基地打上複合施設43/4から、Soyuz-2.1b打上げ機+Fregat上段により新型の測位衛星"GLONASS-K"が打ち上げられ、9時41分に衛星が分離し打上げは成功した。この打上げにより、GLONASS衛星コンステレーションの構成衛星数は27機となる。
GLONASS-KはISS Reshetnev(旧NPO PM)により開発された衛星で、既存のGLONASS-Mと異なる点は、非与圧構造(GLONASS-Mを含めロシア宇宙機は内部が予圧されてる物が多い)のExpress-1000A衛星バスを利用しており重量が1415kgから935kgと大幅に軽量化され、寿命も10年以上となっている。また、測位信号も今までのFDMA方式のL1,L2バンドに加え、GPSと同じCDMA方式のL3バンドが追加された。
加えて、GLONASS-Mの打上げはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地を用いてたが、GLONASS-Kでは自国領土内であるプレセツク宇宙基地から打ち上げられており、また打上げ機もProton-M+Block DMから安価なSoyuz-2.1b+Fregatに変更されている。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
今月5日にバイコヌール宇宙基地打上げコンプレックス81の24番射点よりGLONASS-M測位衛星3機を搭載したProton-M+Block DMが打ち上げられたが、軌道投入に失敗し太平洋に落下した。
当初はプログラムミスなどの説もあったが、17日にROSCOSMOS(ロシア連邦宇宙庁)より、DM-03上段に酸化剤(液体酸素)を積み過ぎたのが原因であると発表された。
RIA Novosti、InsideGNSS、SpaceflightNowやRussianspaceWebの情報をまとめると、今回初めて使用された新型のBlock DM-03上段は従来より25%ほど大型化した燃料タンクを搭載していたが、開発を行ったRSC-Energiaのミスにより今までと同じように酸化剤を入れたため、結果として1.5~2トンほど予定より多くの酸化剤を積んでしまったらしい。Proton-Mによる商業打上げを行うInternational Launch Serviceの副社長兼最高技術責任者のJames Bonner曰く、「燃料タンクの3/4の燃料を入れたとき、20ガロンのタンクならば15ガロンだが24ガロンのタンクならば18ガロンになる」と言うことだそうだ。
ただしProton-MやBlock DM-03自体の信頼性に繋がる問題ではなく、また通常の商業打上げではBreeze-M上段を使用するので打上げはすぐに再開されそうである。次のProton-Mの打上げ(KA-SAT)はおそらく今月中に行われるだろう。
この打上げでGLONASSは衛星コンステレーションが完成する予定だったが、来年の3月までずれ込む予定である。現在のコンステレーションの状況は、稼働衛星20機、メンテナンス中が4機、予備が2機の計26機である。
余談だが、Proton-Mを製造しているKhrunichev国家宇宙研究生産センターのリリースでは、原因がまだはっきりしていない段階からちゃんと「RSC-Energia製のBlock DM-03」をさり気なく強調しているのが面白い。
なお、Khrunichev国家宇宙研究生産センターやROSCOSMOSのニュースリリースは、"ENG"を選択して英語版トップページに行ったあとでないと見られないかもしれない。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
朝鮮日報の記事より、韓国初のロケットKSLV-1"羅老"が現地時刻5時ちょうどに羅老宇宙センターより打ち上げられ、5時9分に科学技術衛星"STSAT-2"を高度300kmの低軌道に投入し、打ち上げに成功したとのことです。この後、衛星との交信に成功すれば韓国は今年2月に衛星を打ち上げたイランに続き、10番目の人工衛星打ち上げ国となります。
KSLV-1は、ロシアのクルニチェフ国立研究生産宇宙センターが開発しているAngaraロケットの第一段をベースに使い、第二段に韓国国産の固体ロケットを使用していますが、写真を見てもわかるように第二段が非常に小さく、事実上第一段+キックモータの構成となっているため打ち上げ能力は極めて限られ、低軌道に100kg程度とされています。
打ち上げ日が7/30から8/11、8/19、そして8/25へと延期されたり、そもそも第一段のエンジンがまともに燃焼試験をされているのか不明だったりするようですが、無事に打ち上がり何よりでしょう。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
気象庁の報道発表資料と三菱電機のニュースリリースより、次期気象衛星である「ひまわり8号」および「ひまわり9号」の入札が行われ、三菱電機が約300億円(税込み)で落札したとのこと。
8号および9号は、現有の7号と同じく三菱電機製の衛星バス「DS2000」を用い、衛星寿命が15年、ミッション運用寿命が8年に延長されるようです。
また、気象庁単独の予算で初めて製作される衛星となります。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
三菱重工のプレスリリースより、以前のストーリーでも話題になったH-2Aによる韓国の衛星の打ち上げですが、正式に受注した模様。
以前から言われてたとおり、打ち上げられるのは多目的衛星"KOMPSAT-3"で、JAXAの水循環変動観測衛星"GCOM-W"と相乗りで低軌道に投入されるとのことです。
長い道のりでしたが、先日の三菱電機による商用通信衛星"ST-2"の受注とともに、やっとここまで来られたかという思いです。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
気象庁のプレスリリースより、2次補正予算では認められなかった気象衛星「ひまわり」後継機の予算だが、「重要課題推進枠」にて復活、予算が通る運びになったとのこと。
松浦氏などは怒り狂っていたが、とりあえず首の皮一枚でも生き残ることに成功してくれて本当に良かったです。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
10月末から省エネモードでオペレーションを行っていたNASAの火星探査機フェニックスだが、11月10日にNASAはフェニックスからの信号が11月2日で途絶え、ミッションがほぼ終了したことを発表した。今後数週間はフェニックスからの通信を受信する試みは続けられるが、その見込みはほとんどあり得そうにないとのこと。
最後に更新されたTwitterメッセージ(変換表)にはミッションを完璧にこなした自負心にあふれている。5ヶ月間お疲れ様でした!
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
ArianeSpaceのプレスリリースと宇宙通信のプレスリリースより、商業静止通信衛星としては初めて国産の衛星バスを用いた宇宙通信のSUPERBIRD-7がAriane5 ECAにより、SES AMERICOMの通信衛星AMC-21と共に日本時間15日午前5時44分に打ちあげられ、6時9分に衛星はロケットから分離し打ち上げは成功しました。衛星は軌道上でSUPERBIRD-C2と改名され、現在東経144度に配置されてるSUPERBIRD-Cの後継となる予定です。
なお、このSUPERBIRD-7は三菱電機の衛星バスDS2000を採用した衛星としてはMTSAT-2に続き2機目となります。また、既存のSUPERBIRDシリーズは自衛隊の衛星通信に使用する移動体通信用Xバンドトランスポンダが乗っていましたが、この7号機も多分搭載してるものと思われます。
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KAMEDA,Tsukasa 曰く、
神戸航空衛星センタより、本日27日より運輸多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS)の試験信号を正式な信号へ切り替え、MSASの供用を開始したとのこと。
MTSAT-1Rの打ち上げから2年半、長い道のりではありましたが、より安全で効率的な航空輸送の実現により一歩近づいたのは喜ばしいことです。