nakanotのコメント: 続報 (スコア 2) 49
スピン流と違って「モノポール」流は (仮定した摂動の範囲では) 保存量になるので扱いやすいですよ、ということのようです。 分野外なのであまりピンときませんが、はたしてメジャーな考え方になるのかな?
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科学論文では、その仕事に関連する文献を引用するのが通例になっていますが、 著者は実際にそれらの文献のどれだけをちゃんと読んでいるのだろう、 という問題を評価した ちょっと面白い論文が昨日付けでプレプリントサーバに登録されていました。 ある文献を別の論文の引用リストから知るというのは良くあることですが、 その時文献を実際に取り寄せて自分で読まず、 エントリだけを丸写しする不心得者はどれだけいるのだろうか、というわけです。 文献リストのエントリには、 著者・雑誌名・巻号・頁などの情報が含まれますが、 件の論文ではここに現れる typo の総数とその種類とから 「読まずにエントリだけ写した」事象を統計的に評価しようとしています。 つまり実際に読めば typo は修正されるはず、 同じ typo が伝播するのは丸写しのせい、という原理です。 結果、実際に読まれている文献はたったの 20% ちょっと。 もちろん評価対象にした母集団にも依存すると思いますが、 さて身の周りを見渡して (あるいは胸に手を当てて :-) どう思います? 論文は初等的な確率論の知識があれば理解できますので、 興味を持った人は読んでみると良いかと思います。
ベル研の研究者 Jan Hendrik Schoen 氏が、 データ改竄の件で解雇されたようです (日本語の解説記事, ベル研のプレスリリース)。
彼は、分子性結晶の表面に作成した電界効果トランジスタ (FET) 構造による 2 次元電子系を対象に、 高温超伝導・分数量子ホール効果・レーザ発振などが発現するという素晴らしい結果を Nature や Science といった一流論文誌に次々と報告し、 ここ数年大きな注目を集めていた研究者でした。
しかしこれらの結果は他の研究者により再現されず、 また試料作成に関する詳細が与えられなかったことから、 その結果に疑問が持たれていました。 特に、複数の論文での全く異なる試料を対象とする FET 特性が非常に似ていたことをきっかけに 疑念が強まり、 調査が進められていました。
大きな科学スキャンダルですが、 なぜこのようなことが生じるのか、 どのようにすれば防げるかなどを 考え直す良いきっかけになるのではないでしょうか。 なお、日本語の優れた解説記事が「パリティ」誌の 2002 年 8 月号にあります。
コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell