世界報道写真の大賞受賞作にPhotoshop加工の疑惑 78
現像時の意図的な調整は加工なのか? 部門より
世界報道写真(World Press Photo)財団が主催する2013年世界報道写真大賞の大賞に輝いたのは、スウェーデンPaul Hansen氏の「ガザの葬列」だった。この写真は、イスラエルのミサイル攻撃の被害者たちの埋葬式に向かう人々の姿を捉えたものだ。しかし、この作品はPhotoshopで加工されているという疑いが持ち上がった。
解析を行ったThe Hacker Factor Blogによると、青および黄色のカラーチャンネルの不飽和化や左の壁について輝度を編集するといった行為が行われているという。これは、葬列に参加している行進者の赤い顔を目立たせることで、怒りを強調する意図があるようだ。同ブログでは、どのように加工したかを検証する比較画像を掲載している(The Hacker Factor Blog、EXTREMETECH、本家/.)。
いっぽう撮影者のPaul Hansen氏は、この写真は専門家などにより検証が行われており、偽物ではないとコメントしている。World Press Photo財団側は、画像解析の専門家Eduard de Kam氏にRAWファイルとJPEGイメージを提供して調査を依頼、その結果を公表した。その結果、色とトーンに関して加工されたのは「明確だ」としている。その上で、複数のファイルが合成されるような加工は行われていないとした(World Press Photo財団、news.com.au)
世界報道写真コンテストでは、イメージの内容を変更してはならないという規定がある。ただし、業界で受け入れられている規格に従う加筆は許可されているいう。このことから、World Press Photo財団はこの受賞は有効だと判定したとしている。