暗号化技術の指導をするとオーストラリアの法律に引っかかる

taraiok 曰く、

オーストラリア・モナシュ大学で数学教師をしているDaniel Mathews氏は、512ビット長の暗号化技術を技術を授業で教えていたところ、オーストラリア政府の国防貿易法の防衛戦略物資リスト（DSGL）に引っかかった。この法律では、電子メール、ファックス、電話、ビデオ会議、電子ファイルといった無形の手段での防衛、戦略物資に関連する技術の供与を禁止している。また規定は、産業界、大学、研究分野にも適用されるという。引っかかった場合、最長10年の懲役刑になる可能性もあり、一見、無害なように見える教育活動も国の防衛機密流出につながる可能性がある（THE CONVERSATION、Dan's blog、slashdot）。

同氏によれば、オーストラリアのDSGLで設定されているハードルは低すぎるのだという。ソフトウェア開発者の間では、2048または4096ビットのRSA鍵の話をしているのに、DSGLでは512ビットの暗号鍵の話題が検閲に引っかかる状態になっている。同氏は、暗号化技術はすでに広く使われているものであり、オーストラリアの国防貿易法は、法的な欠陥があるだけでなく、潜在的に学問の自由を攻撃している危険性があるとしている。