Quest of Mathの日記: 一様収束(5) 1
日記 by
Quest of Math
関数のなすベクトル空間について考える。
C^{k}(D)={f | f:D→Rで、fはD上k階微分可能で,かつD上連続関数}
と定義する。例えば、C^{0}(D)は
C^{0}(D)={f|f:D→RでD上連続関数}
となる。
ここからが問題である。
C^{0}_{b}(D)={f∈C^{0}(D) | ||f||_{D}が有限値}
と定義される実数値連続関数の集合に、ノルム||・||_{D}を導入する。
このとき、ノルム空間(C^{0}_{b}(D),||・||_{D})がBanach空間であることを証明せよ。
証明 (スコア:1)
したがって、ここではこの空間が完備であることを示せばよい。
C^{0}_{b}(D)の||・||_{D}に関する任意のCauchy列{fn}とする。
∀ε>0,∃N, ∀n,m>N ⇒ ||fn(x)-fm(x)||_{D} < ε
よって、任意のy∈Dについて、
|fn(y) - fm(y)| ≦ ||fn(x)-fm(x)||_{D} < ε
である。これより、{fn}はCauchy列である。
C^{0}_{b}(D)の任意の元はRへの写像で、かつRは完備であるので、
{fn}はあるfに収束する。よって、
∀ε1>0,∃N, ∀n>N ⇒ ||fn(x)-f(x)||_{D} < ε1
このことから、任意のy∈Dについて、
||fn(y) -f(y)||_{D} → 0 (n→∞)
よって、連続関数列がある関数に一様収束するならば、
その収束先の関数も連続であるので、fは連続である。
したがって、(C^{0}_{b}(D),||・||_{D})はBanach空間である。