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Quest of Mathの日記: 一様収束(5) 1

日記 by Quest of Math

関数のなすベクトル空間について考える。

C^{k}(D)={f | f:D→Rで、fはD上k階微分可能で,かつD上連続関数}

と定義する。例えば、C^{0}(D)は

C^{0}(D)={f|f:D→RでD上連続関数}

となる。

ここからが問題である。

C^{0}_{b}(D)={f∈C^{0}(D) | ||f||_{D}が有限値}

と定義される実数値連続関数の集合に、ノルム||・||_{D}を導入する。
このとき、ノルム空間(C^{0}_{b}(D),||・||_{D})がBanach空間であることを証明せよ。

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  • by Quest of Math (20493) on 2004年03月16日 13時38分 (#515263) 日記
    ノルム空間になることは、一様収束(4)で既に証明した。
    したがって、ここではこの空間が完備であることを示せばよい。

    C^{0}_{b}(D)の||・||_{D}に関する任意のCauchy列{fn}とする。

    ∀ε>0,∃N, ∀n,m>N ⇒ ||fn(x)-fm(x)||_{D} < ε

    よって、任意のy∈Dについて、

    |fn(y) - fm(y)| ≦ ||fn(x)-fm(x)||_{D} < ε

    である。これより、{fn}はCauchy列である。
    C^{0}_{b}(D)の任意の元はRへの写像で、かつRは完備であるので、
    {fn}はあるfに収束する。よって、

    ∀ε1>0,∃N, ∀n>N ⇒ ||fn(x)-f(x)||_{D} < ε1

    このことから、任意のy∈Dについて、

    ||fn(y) -f(y)||_{D} → 0 (n→∞)

    よって、連続関数列がある関数に一様収束するならば、
    その収束先の関数も連続であるので、fは連続である。
    したがって、(C^{0}_{b}(D),||・||_{D})はBanach空間である。
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