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5月17日 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090517-OYT8T00235.htm [yomiuri.co.jp] > 1日平均100人超がインフルエンザと診断されている千葉県
5月18日 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090518AT2M1800R18052009.html [nikkei.co.jp] >「季節性インフルエンザの流行する季節は終わっており、この時期の
国内感染第1例となった検査を依頼した灘区の開業医が、マスク着用や消毒など十分な感染防御策をとっていたのに、「二次感染防止のため」と市から言われ、16日から2日間、臨時休診したことに不満が噴出。「患者の診療を拒んでも、対応しても、だめなのか」などの声が出た。(2009年5月19日 読売新聞)
あいかわらず行政の対応はひどいようです。
他の地域は検査していないだけで、実際には全国的に広がっていると考えるほうが自然ではないでしょうか。
対策段階の引き上げ見送り 首相、地域拡大防止に全力 [excite.co.jp]という報道だけでは、関西以外には広まっておらず冷静に対応しないといけないな位しか読めないのですが、内科開業医のお勉強日記 [exblog.jp]によれば、
関西での発見のきっかけはたまたま神戸が検査の網をひろげていたからであり、網を広げていない他地域での広がりは相当想定される。ところが、事の経緯をみれば、神戸は国の方針に反し、”渡航歴の有無にかかわらず”新型インフルエンザの検査を怠らなかった。国の方針に従った他地域では一応発症患者がないことになっている。>医療系メーリングリストで流れてくる情報では、現時点、少なくとも昨日の時点でも、>東京都の渡航歴無し・渡航歴接触者なしの発熱患者への対応は従来と同じ非常に恐ろしい状態なのである今週後半から来週にかけて関東などその感染の広がりが判明すれば・・・その政治責任は、厚労省・都などに当然ながらある。政府は”騒ぐな”と国民を恫喝し、事の次第を矮小化しようとしている。・・・その方が予算措置がすくなくて住むし、経済第一主義の国是にあうというものと考えているのだろう。
関西での発見のきっかけはたまたま神戸が検査の網をひろげていたからであり、網を広げていない他地域での広がりは相当想定される。
ところが、
事の経緯をみれば、神戸は国の方針に反し、”渡航歴の有無にかかわらず”新型インフルエンザの検査を怠らなかった。国の方針に従った他地域では一応発症患者がないことになっている。
>医療系メーリングリストで流れてくる情報では、現時点、少なくとも昨日の時点でも、>東京都の渡航歴無し・渡航歴接触者なしの発熱患者への対応は従来と同じ
非常に恐ろしい状態なのである
今週後半から来週にかけて関東などその感染の広がりが判明すれば・・・その政治責任は、厚労省・都などに当然ながらある。政府は”騒ぐな”と国民を恫喝し、事の次第を矮小化しようとしている。・・・その方が予算措置がすくなくて住むし、経済第一主義の国是にあうというものと考えているのだろう。
とまとめられている。神戸の事例 [iza.ne.jp]でも渡航歴のない検体は「新型感染の遺伝子の詳細(PCR)検査が3日間“後回し”にされていた」そうだが、他の地域ではまったく手付かずとのこと。第3段階(感染拡大期、まん延期)への引き上げを見送れば、新型インフルエンザの検査地域を広げる必要がないので、政府広報レベルでは「感染地域の拡大防止」につながっているのでしょうね。
しかも内科開業医のお勉強日記 : 新型インフルエンザ 流行地域情報と添付文書改訂を早く! [exblog.jp]によれば、新型インフルエンザに感染している者の定義 [mhlw.go.jp]は国内発症者が出た後も変わっておらず、。
今でも、医療従事者向け情報も、国内発症後もそのまま放置されている(発熱外来対象者は、“38℃以上の発熱または急性呼吸器症状を認める +(かつ) 10日以内に“新型インフルエンザ患者/動物(ブタ等)と濃厚接触癧を有する者・新型インフルエンザが蔓延している国に滞在した者””となっている)
これでは新型インフルエンザ認定患者と直接接触することのない地方で、海外渡航歴のない人の新型インフルエンザ認定患者が増えないのも当然か。
コメントがたくさんあって、どれを際立たせるべきなのか取捨選択に迷うところなのだけど、とりあえずここにぶら下げてみる。
厚生労働省:「基本的対処方針」の実施について [mhlw.go.jp]
さっきKAMUIさんの日記「日本から強毒性インフル出そうだな・・・」 [srad.jp]にも書いたのだが、厚生省の「基本的対処方針」という日本国民に周知徹底されるべきものが出されている。これによると、休校等の処置は特定の地域限定のようだが、「マスク着用等」といった措置は国民全体に周知徹底されるべきものであるらしい。
# 認定患者が活動した地域に出された措置は『新型インフルエンザ対策本部幹事会「確認事項」』 [mhlw.go.jp]のようで、似たようなことが書いてある『基本的対処方針』とは別物らしい。
一方現状では特定地域だけが感染地域として報道されており、そこで行われている様々な民間レベルの対策がクローズアップされすぎていて(「厚生労働省発表によれば、大阪府の一部も対象に」 [srad.jp]以下を参照)、まるで関西以外では「(新型ではない)インフルエンザが流行している」かのような報道 [srad.jp]にとどまり、「騒がれている割に東京都内では低いマスク着用率」 [srad.jp]。
「基本的対処方針」の実施を読むと、本来ならば日本全国でマスク着用が徹底されているべきと思われる。しかし「基本的対処方針」自体の末尾にある
新型インフルエンザ対策は、国・自治体・医療関係者・国民が一体となって協力することによりはじめて成果が上げられる。限られた医療資源を効果的に運用するためにも、上記の医療体制について国民の十分理解な理解が得られるよう、国・自治体・医療関係者はあらゆる努力をすべきである。
という一文が見過ごされているようにも思う。もしこの対処方針が周知されていれば、きちんとインフルエンザ対策さえすれば(新型・季節型とも対策自体に違いはない)、関西人が県外に遊びに行くのを(まるで汚物にでも触るかのように [srad.jp])拒絶したり、休校中だからといって学生は家で自宅待機していなければならないと決め付ける必要はない。まして子どもと家で1週間缶詰になって悲鳴を上げる必要 [srad.jp]もない・・・。
# 不眠症っぽくてここのところまったく寝付けないので、もし誤読していたらご勘弁を。
あまりにも症状が軽いために過去に何度も流行していたけど、気付いていなかっただけのような気がしてきました。#高熱が出てもすぐに落ち着く人もいるようですし、#今の季節に風邪引いてもインフルエンザの検査は#通常しないと思うので
#そろそろ死者が出てもおかしくないはずなんだけどなぁ
>#そろそろ死者が出てもおかしくないはずなんだけどなぁ弱毒性の場合は熱を取って栄養を付け脱水症状に気をつければ死なない病気だから、飢餓状態にでも無ければ日本じゃ死なないんじゃないかな。対症療法用の薬も栄養豊富な食べ物も幾らでも手に入るから。強毒化して呼吸器をやられる奴でも出ない限りは、>気付いていなかっただけで終わっていても不思議じゃなかったり。
ネタにマジレスかもしれませんが。
細菌(とそして若干メカニズムは違うもののウィルスについても)には増殖を早くするため、ゲノムが小さくなる方向への強い選択圧がかかっており、生きて増殖する上で必要のない遺伝子は世代交代間に集団からさっさと捨て去られるそうです。実際ある細菌群の大部分が必要のない遺伝子を捨て去るまでの期間は数日程度だそうです。(逆に必要のある場合は死骸から直接遺伝子の破片がやりとりされてあっというまに取り込まれて広がるそうで、それが薬剤耐性菌が病院でよくみつかる理由だそうですが。)
そして、細菌、ウィルスのみならず寄生生物全般の立場からすれば宿主を殺してしまったり弱らせ過ぎては、かえって感染が広がらない、即ち繁栄が阻害されてしまいます。なので寄生虫など寄生生物については、最初に本来以外の宿主(この場合な家畜からヒト)に「迷入」したときに、環境が変わったことによる不適応の結果として最も宿主を害するようです。(胃壁に食らいついてヒトを苦痛で七転八倒させることで有名な寄生虫アニサキスは本来の宿主であるクジラの厚い胃壁に寄生している限り宿主であるクジラにとっては大して害がない。)その後は時間と共に宿主と寄生者の双方(といっても細菌、ウィルスの場合世代交代の早い細菌・ウィルス側がヒトに合わせる方が断然早いでしょうが)が適応して宿主への害が弱くなっていく(最近・ウィルスであれば弱毒性に変わっていく)傾向があるそうです。梅毒、AIDSウィルス、そしてインフルエンザ・ウィルスにもこの傾向が観察されたという報告もあるようです。(そういえばAIDSウィルスの元の宿主であったチンパンジーがかならずしもAIDSで死なないことや、昨今AIDSに感染しても発症しない人が見つかり始めていることもニュースになっていました。)
なので、その毒性がいったん弱毒化、即ちヒトの胎内環境に適応したものがヒト-ヒト間感染している間に強毒化して流行する可能性は考えにくいと思われます。(強毒化の突然変異が起こっても必然性がなければ多数派になれない。)
とはいえ、ヒト向けに適応したウィルスがもう一回家畜(ブタとか)に感染してそこで再適応してからもう一回ヒトに再迷入するようなプロセスはありえないとまではいえないので専門家的には油断できないでしょうが、現代日本ではそこまで家畜が身近にいないので、あんまり一般人がパニック的に大騒ぎするのもどうかなー?と…。
タネ本:「ミトコンドリアが進化を決めた」ニック・レーン 著、斉藤 隆央 訳、 みすず書房 刊、2007/12/22Amazonhttp://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%... [amazon.co.jp]
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike
関東はどうなってるの? (スコア:1, 参考になる)
5月17日 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090517-OYT8T00235.htm [yomiuri.co.jp]
> 1日平均100人超がインフルエンザと診断されている千葉県
5月18日 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090518AT2M1800R18052009.html [nikkei.co.jp]
>「季節性インフルエンザの流行する季節は終わっており、この時期の
Re:関東はどうなってるの? (スコア:4, 興味深い)
あいかわらず行政の対応はひどいようです。
他の地域は検査していないだけで、実際には全国的に広がっていると考えるほうが自然ではないでしょうか。
海外渡航歴がなければ新型インフルエンザ患者とならないからくり (スコア:5, 参考になる)
対策段階の引き上げ見送り 首相、地域拡大防止に全力 [excite.co.jp]という報道だけでは、関西以外には広まっておらず冷静に対応しないといけないな位しか読めないのですが、内科開業医のお勉強日記 [exblog.jp]によれば、
とまとめられている。神戸の事例 [iza.ne.jp]でも渡航歴のない検体は「新型感染の遺伝子の詳細(PCR)検査が3日間“後回し”にされていた」そうだが、他の地域ではまったく手付かずとのこと。第3段階(感染拡大期、まん延期)への引き上げを見送れば、新型インフルエンザの検査地域を広げる必要がないので、政府広報レベルでは「感染地域の拡大防止」につながっているのでしょうね。
しかも内科開業医のお勉強日記 : 新型インフルエンザ 流行地域情報と添付文書改訂を早く! [exblog.jp]によれば、新型インフルエンザに感染している者の定義 [mhlw.go.jp]は国内発症者が出た後も変わっておらず、。
これでは新型インフルエンザ認定患者と直接接触することのない地方で、海外渡航歴のない人の新型インフルエンザ認定患者が増えないのも当然か。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
厚生省の「基本的対処方針」が周知されていないだけ? (スコア:2)
コメントがたくさんあって、どれを際立たせるべきなのか取捨選択に迷うところなのだけど、とりあえずここにぶら下げてみる。
厚生労働省:「基本的対処方針」の実施について [mhlw.go.jp]
さっきKAMUIさんの日記「日本から強毒性インフル出そうだな・・・」 [srad.jp]にも書いたのだが、厚生省の「基本的対処方針」という日本国民に周知徹底されるべきものが出されている。これによると、休校等の処置は特定の地域限定のようだが、「マスク着用等」といった措置は国民全体に周知徹底されるべきものであるらしい。
# 認定患者が活動した地域に出された措置は『新型インフルエンザ対策本部幹事会「確認事項」』 [mhlw.go.jp]のようで、似たようなことが書いてある『基本的対処方針』とは別物らしい。
一方現状では特定地域だけが感染地域として報道されており、そこで行われている様々な民間レベルの対策がクローズアップされすぎていて(「厚生労働省発表によれば、大阪府の一部も対象に」 [srad.jp]以下を参照)、まるで関西以外では「(新型ではない)インフルエンザが流行している」かのような報道 [srad.jp]にとどまり、「騒がれている割に東京都内では低いマスク着用率」 [srad.jp]。
「基本的対処方針」の実施を読むと、本来ならば日本全国でマスク着用が徹底されているべきと思われる。しかし「基本的対処方針」自体の末尾にある
という一文が見過ごされているようにも思う。もしこの対処方針が周知されていれば、きちんとインフルエンザ対策さえすれば(新型・季節型とも対策自体に違いはない)、関西人が県外に遊びに行くのを(まるで汚物にでも触るかのように [srad.jp])拒絶したり、休校中だからといって学生は家で自宅待機していなければならないと決め付ける必要はない。まして子どもと家で1週間缶詰になって悲鳴を上げる必要 [srad.jp]もない・・・。
# 不眠症っぽくてここのところまったく寝付けないので、もし誤読していたらご勘弁を。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:関東はどうなってるの? (スコア:2)
あまりにも症状が軽いために過去に何度も流行していたけど、気付いていなかっただけのような気がしてきました。
#高熱が出てもすぐに落ち着く人もいるようですし、
#今の季節に風邪引いてもインフルエンザの検査は
#通常しないと思うので
#そろそろ死者が出てもおかしくないはずなんだけどなぁ
Re:関東はどうなってるの? (スコア:1)
うちの夫婦間の勝手な推理では、
「20年くらい前までは適度に流行ってて、その免疫がある大人は罹りにくい」
ってなってます。
疫学的な根拠は全くありません。
Re: (スコア:0)
>#そろそろ死者が出てもおかしくないはずなんだけどなぁ
弱毒性の場合は熱を取って栄養を付け脱水症状に気をつければ死なない病気だから、飢餓状態にでも無ければ日本じゃ死なないんじゃないかな。
対症療法用の薬も栄養豊富な食べ物も幾らでも手に入るから。
強毒化して呼吸器をやられる奴でも出ない限りは、
>気付いていなかっただけ
で終わっていても不思議じゃなかったり。
Re: (スコア:0)
強毒性には適応的な利点がない (スコア:2, 参考になる)
ネタにマジレスかもしれませんが。
細菌(とそして若干メカニズムは違うもののウィルスについても)には増殖を早くするため、ゲノムが小さくなる方向への強い選択圧がかかっており、生きて増殖する上で必要のない遺伝子は世代交代間に集団からさっさと捨て去られるそうです。実際ある細菌群の大部分が必要のない遺伝子を捨て去るまでの期間は数日程度だそうです。(逆に必要のある場合は死骸から直接遺伝子の破片がやりとりされてあっというまに取り込まれて広がるそうで、それが薬剤耐性菌が病院でよくみつかる理由だそうですが。)
そして、細菌、ウィルスのみならず寄生生物全般の立場からすれば宿主を殺してしまったり弱らせ過ぎては、かえって感染が広がらない、即ち繁栄が阻害されてしまいます。
なので寄生虫など寄生生物については、最初に本来以外の宿主(この場合な家畜からヒト)に「迷入」したときに、環境が変わったことによる不適応の結果として最も宿主を害するようです。(胃壁に食らいついてヒトを苦痛で七転八倒させることで有名な寄生虫アニサキスは本来の宿主であるクジラの厚い胃壁に寄生している限り宿主であるクジラにとっては大して害がない。)
その後は時間と共に宿主と寄生者の双方(といっても細菌、ウィルスの場合世代交代の早い細菌・ウィルス側がヒトに合わせる方が断然早いでしょうが)が適応して宿主への害が弱くなっていく(最近・ウィルスであれば弱毒性に変わっていく)傾向があるそうです。梅毒、AIDSウィルス、そしてインフルエンザ・ウィルスにもこの傾向が観察されたという報告もあるようです。
(そういえばAIDSウィルスの元の宿主であったチンパンジーがかならずしもAIDSで死なないことや、昨今AIDSに感染しても発症しない人が見つかり始めていることもニュースになっていました。)
なので、その毒性がいったん弱毒化、即ちヒトの胎内環境に適応したものがヒト-ヒト間感染している間に強毒化して流行する可能性は考えにくいと思われます。(強毒化の突然変異が起こっても必然性がなければ多数派になれない。)
とはいえ、ヒト向けに適応したウィルスがもう一回家畜(ブタとか)に感染してそこで再適応してからもう一回ヒトに再迷入するようなプロセスはありえないとまではいえないので専門家的には油断できないでしょうが、現代日本ではそこまで家畜が身近にいないので、あんまり一般人がパニック的に大騒ぎするのもどうかなー?と…。
タネ本:
「ミトコンドリアが進化を決めた」ニック・レーン 著、斉藤 隆央 訳、 みすず書房 刊、2007/12/22
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Re:強毒性には適応的な利点がない (スコア:1)
この辺りについては、宿主の社会的行動が関与していることも示唆されており、宿主から次の宿主への伝達が起こりやすい状況では、むしろ増殖が早く、しばしば強毒性の病原体の方が有利となり、選択されていく可能性が示唆されてます。
この現象は元々、HIVが「いつ」強毒化したのかというテーマに端を発してまして。ご存知のように、HIVは性行為によって伝達されますが、異なる相手との性交渉の機会が多い状況によって、強毒株が選択されたことが、世界的蔓延の一因だという説が、疫学の方から提唱されてました。この現象は数理的モデルでも確認され、さらにそれをモデル生物実験で証明したのが、上の日記エントリで示したScienceの論文です。
もちろん実際に、ヒトにおいて重大な感染症にもこの現象が関わっているという直接の証明は、まだ存在してるとは言いがたいです。もともとのHIVも「強毒性」とは言え潜伏期の長い疾患ですし。ただこの現象が、ニワトリでの高病原性トリインフルエンザの出現と関わっているのではないか、と考えている人もいます。
今回のケースで言うと、患者一人から感染する人の数が約3人、ということで、通常の季節性インフルエンザの2〜3倍くらい、というあたりだと思います。このレベルの伝染性の差が、果たして強毒化の頻度に影響するのかというと、それは判らないとしか言いようがありません。スペインかぜでは途中で強毒化したという説がありますが、アジアかぜや香港かぜなどの方が今回とは状況的には近そうです。しかし、これらの大変異の流行過程で、その毒性がどう変化していっていたのかについてはよく判らないところです。
Re: (スコア:0)