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436222 journal

Mc.Nの日記: Windows 95 発売 10 周年記念カキコ

日記 by Mc.N

PC売りの店員
inspired by 「マッチ売りの少女

ひどく寒い日でした。今年最後のビックイベントの中、一人の憐れなPC売りの店員がアキバをたたずんでいました。手には「激安!PC/AT 互換機」と書いたパンフレットと店の用意した買ってから一度も洗っていないと思われるジャケットを羽織り、アキバを行き交うヲタにパンフを配ります。「PC は如何ですか?Triton チップセット搭載の最新型です。」

ご存知のように、今日は Windows 95 の発売日前夜です。

強引な社長の思いつきの召集だったため店員は大した防寒対策をしていません。どんどん寒くなってきましたが、このままショップに引き返す事は出来ません。PCは全く売れていないし、たった一人のヲタもショップに連れて行くことが出来ないためです。このまま帰ったら社長と工場長にどやされます。それにショップにだって場所は無いのです。既に先輩たちが陣取っていてその中に入る場所さえない状況なのです。

ああ!このヲタの行列に並んで Windows 95 を買って帰ったら、どんなに楽しいでしょう。

店員は自分の店のパンフを持ちつつヲタの列に並んで競合相手(きょうごうあいて)のパンフを貰う事にしました。パンフを見て悟りました。これでは今日は売れないな、と。そもそも Windows 95 発売日に Windows 95 搭載 PC を大して用意することが出来ず、別途配送なんて対応の方がどうかしているのです。店員は取り敢えず手に持たされたパンフを捌くことにしました。客の列は午前12時の発売時刻まで待たされたままのようですので、格好の餌食です。他の店の列のヲタ一人一人にパンフを押し付け、ノルマをクリアしました。他店も同じノリらしく店員以外にも同じようにパンフを捌いていたようです。

当時のアキバは 7 時半を過ぎた辺りで殆どの店が閉店してしまいコンビニもありませんでしたので、非常にさみしいゴーストタウンと化します。なので、この日は余計光がまばゆく目立つのです。店員は亜土電子(現:TSUKUMO eX.)を去り、やがで光のある方へ歩いていきました。

やがて店員はそのまばゆい光がテレビ局のカメラだと気がつきました。たじろいながらも店員は暖かそうな(*1)ヲタの群れに混じることにしました。しばらくするとマイクを持った LAOX の店員がヲタを煽りはじめます。

発売時刻が迫ってきたようです。

「3(すりー)・2(つー)・1(わん)・Windows 95 発売開始ですっ」

一斉にフラッシュが炊かれ、LAOX 前は興奮で絶頂に達しています。店員はヲタ達の絶頂をヨソに、ヲタに振舞われた酒をがぶがぶと飲みました。

体は暖まったものの心は依然寒いままです。「俺は一体ここで何をしているんだろう?」放っておくと自分探しの旅に出てしまいそうな気分です。とはいえ、終電も無くなっている今、店員の戻る場所はショップしかありません。店員はほろ酔い状態でショップに戻る事にしました。

ショップは、相変わらず先輩たちで占拠されています。
ふと店先に目を移すと店の前の張り紙にこう書いてありました。

「Windows 95 発売記念!5インチドライブ本日 100 円!」

(*1) 人の温もり的なモンじゃなく単なる温度ね。
(*2) 残業代という概念0だって所も考慮に入れてね

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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