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16094 story

ヨウスコウカワイルカ、絶滅 57

ストーリー by yosuke
最近の目撃例はスナメリとの見間違いらしい 部門より

KAMUI 曰く

Yahoo!ニュースの記事(元記事ロイター)によると、中国・長江(揚子江)の淡水域に生息する「ヨウスコウカワイルカ」がおそらく絶滅したという研究結果が、8日に発行された王立協会Biology Lettersで発表された。
1997〜1999年の調査では 13頭が確認されていたが、それ以降でヨウスコウカワイルカが確認されたのは 2002年が最後である。その後も不確定な目撃例が数件あったものの、2006年末に日本・中国・アメリカ・イギリスの研究者らで構成する調査チームが 6週間をかけて生息域を調査した際に、その生存の証拠を確認できなかったことから「絶滅」と判断した。クジラ目としては「人類の活動」を原因とする初の絶滅種となる。

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  • 一方日本では (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2007年08月09日 1時44分 (#1203013)
  • 揚子江と開発 (スコア:5, 参考になる)

    by sakaki101 (30670) on 2007年08月09日 6時57分 (#1203046) 日記
    その名のとおり揚子江に棲息するヨウスコウイルカはもともとの数が少ないこともあって、
    揚子江流域の開発と供に姿を消していきました。

    1979年に中国当局絶滅危惧種に指定されて以来、1986年には300頭、1990年には200頭と減っていき、
    1998年にはわずか7頭が確認され、その後の調査で17頭が確認されるも、2006年の12月の調査では発見されずに終わり [bbc.co.uk]、今回絶滅となったわけです。
    水生の大型の哺乳類としては1952年のカリブモンクアザラシの絶滅以来の絶滅となります。

    忘れてならないのは、これは"揚子江の生態系の崩壊"という問題の一つの面に過ぎないということですね。
    例えば、揚子江には他にも、スナメリ [wikipedia.org]という生物がいて、こいつはちょっと違い日本周辺にも住んでるのですが、
    揚子江では400頭を切り、絶滅危機の状態にあるといわれています。
    • by Dumarest (25156) on 2007年08月09日 11時34分 (#1203159) 日記
      >1998年にはわずか7頭が確認され、その後の調査で17頭が確認される

      確か種として存続するには最低でも50-200頭程度はいないと
      遺伝的な問題で難しいと聞いたことがあったので、
      17頭が発見されたとしてももう手遅れだった気もしますね…
      (人工授精技術と飼育ノウハウが有ったならまた別かも知れませんが)
      運よく残った個体を元に数が回復できていた場合も
      特定の病気/環境等に弱いといった群のリスクが種全体のリスクになってしまいますので
      最低限の個体数になる前に手を打つべきでは有ったんですが。

      ボトルネック効果(bottleneck effect)
      集団を構成する生殖可能な個体の数が、ある期間の世代に渡って減少すると、遺伝的浮動の作用が強くなり、集団中の遺伝的変異の量が減少する。
      遺伝的浮動(genetic drift)
      集団の遺伝子頻度が世代間で偶然に変動すること。小集団で起こりやすい。ライト効果とも言う。
      http://bluedun.at.infoseek.co.jp/flytalk/sabou_dam.htm [infoseek.co.jp]

      #これについては最近反論もあるようです。
      http://www.igakuken.or.jp/kenkyu-katudo/press/070213.html [igakuken.or.jp]
      親コメント
      • by rainforest (4616) on 2007年08月09日 18時10分 (#1203358) 日記
        元コメントの論旨に関わる訳ではないですが、一点、

        > #これについては最近反論もあるようです。
        > http://www.igakuken.or.jp/kenkyu-katudo/press/070213.html [igakuken.or.jp]

        について。

        そこに書かれている内容は、ミトコンドリアの同質性は単なる
        サンプリング効果だけでは説明できないだろうと言うことであり、
        ボトルネックによる集団の遺伝的劣化に疑義を差し挟んでいるわけ
        ではありません。

        そのページの下の"■用語解説■"に"ボトルネック効果(瓶首効果)"の
        説明があります。
        親コメント
        • ボトルネックによる集団の遺伝的劣化に疑義を差し挟んでいるわけ
          ではありません。

          ですね。

          あと、(極端な)小集団になってしまうことの問題としては、遺伝学的な問題のほかに、なんらかの災害によって集団が全滅する確率が高まることがあると思います。ある程度集まって生活している生物だと中長期的にはけっこう重要かと。

          # それだけなのでAC。

  • by zeros (34309) on 2007年08月09日 12時12分 (#1203176)
    1秒間に
    地球は太陽から486億kWhのエネルギーを受け…
    植物の中で最も速く生長する竹が、10ミクロン伸び…
    0.002種、7分に1種の生物が絶滅しています。

    1秒の世界 [thinktheearth.net]より、一部転載。

    中国の環境問題はかなり深刻だと思うけれど、
    『どの国が悪い』とか、『どの国は偉い』とかいった批判ではなく、
    本当に必要なのは、地球規模でこういった問題に向き合うことなんだろう。
    と思う。
    --
    〜昼の光に夜の闇の深さが分かるものか〜
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 22時01分 (#1203421)
    揚子江カワイルカ、国内専門家が絶滅宣言に“待った”―中国 [recordchina.co.jp]

    2007年8月8日、長江に生息する希少な淡水イルカ、ヨウスコウカワイルカが絶滅したとの調査報告がイギリスの科学雑誌に掲載された。これに対し中国科学院水生生物研究所の王丁博士が「絶滅は断言できない」と待ったをかけた。

    同博士は「確かに絶滅の危機に瀕しており、個体数の激減により群れによる繁殖能力を失った状態である、といえる。ただ、国際自然保護連合の絶滅の定義は、50年間自然界で一度も発見されなければ絶滅と判定する、と明記されている。97年に13頭が確認され、そのわずか9年後の2006年に行われた大規模調査の結果だけで絶滅と判定することはできない」と強調した。

    これに対し、今回の調査結果を発表したロンドン動物学協会のサミュエル・タービー氏は「最先端の技術を駆使して6週間調査したが発見できなかったため、おそらく絶滅してしまっただろうと報告した。絶滅に瀕している動物にとって50年の観察期間はあまりに長すぎる」と述べた。

  • by Sinraptor (22797) on 2007年08月10日 13時43分 (#1203657)
    ニホンオオカミ、トキ、ニホンカワウソ……かつての日本の姿がここにありますね。
    --
    //Sinraptor
  • 違うだろ? (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年08月09日 4時12分 (#1203033)
    ヨウスコウカワイルカ、絶滅 か?
     
     
     
    だろ!? orz
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 9時53分 (#1203103)
    西遊記の沙悟浄は、亀か、このヨウスコウカワイルカがモデルと
    言われてますね。
    日本じゃ河童なんですが、中国には河童はいないわけで。

    なお、西遊記の挿絵ではイルカでも亀でもなく、ただのおっさんです。

  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 10時47分 (#1203134)
    絶滅危惧種とか絶滅種ってたくさんあるので、そのなかのひとつくらいが
    絶滅したところで、とくに珍しくもなんともないと思うんですが。

    こちら [tochigi.jp]によると、2000年ごろでは、1年に約40000種くらいのペースで
    生物種が絶滅しているらしいです。
    • by SteppingWind (2654) on 2007年08月09日 11時13分 (#1203150)

      その40000種の内, 99.9%以上が昆虫で占められていますが. というか, 昆虫以外の動物種類が年間に40000種類も絶滅していたら, 10年ぐらいで昆虫以外はいなくなっちゃいます. 哺乳類なんかは1ヶ月も持ちません.

      親コメント
    • by epsilon-minder (32074) < > on 2007年08月09日 13時22分 (#1203209) 日記
      ヨウスコウカワイルカが注目されやすいというのはありますよね、やっぱり。
      一部の研究者しか知らないようなバクテリアが絶滅したって話題にはなりませんから。

      確かにこれも、年間何万種と絶滅しているなかの一例でしかないでしょう。
      しかし、このニュースを見た人に求められるのは、よくあることと受け流すことではなく、共存のために何ができるかを考えることではないでしょうか。

      動植物と人間の共生を考えるきっかけとするならば、意味のないニュースとはいえないのではないでしょうか。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 2時13分 (#1203020)
    捕鯨が駄目なら、ましてイルカを絶滅させるなんて論外ですよね。
    反捕鯨国の方々はどんな抗議活動を展開してくれるのでしょうか。
    • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 6時22分 (#1203041)
      >反捕鯨国の方々はどんな抗議活動を展開してくれるのでしょうか。

      ほら見たことか、絶対に日本に捕鯨なんか許しちゃいかん!
      え?絶滅したのは中国のイルカ?知るか!
      ジャップもチンクも俺たちから見たら同様にイルカや鯨より価値が無い!

      …と本当に思ってそうだから怖い。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 9時09分 (#1203082)
    キルゴアトラウトの小説では生物種が絶滅するとこういう星があるらしい。キルゴンゴ!

    --
    ヴォネガット追悼
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 11時50分 (#1203170)
    アラカワカワイルカが発見されたようです。
    http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF... [google.co.jp]
  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 13時24分 (#1203211)
    さすが中国、イルカを食い尽くすか。

    「空飛ぶもので食べないのは飛行機、四足で食べないのは机と椅子、二本足で食べないのは両親」に
    「川を泳ぐもので食べないものはない」が追加だな。

  • by Anonymous Coward on 2007年08月09日 14時38分 (#1203253)
    ガンジスカワイルカも忘れないでください。

    カワイルカの仲間はみんな絶滅危惧種ですなあ。
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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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