
流れ星の「太さ」は数ミリ、すばる望遠鏡が測定
タレコミ by galaxiast
galaxiast 曰く、
ハワイ島に設置されている国立天文台 すばる望遠鏡による観測で、流星として輝いている領域の幅は約数ミリメートルであることがわかったそうです。(すばる望遠鏡プレスリリース、プレプリント)
流れ星は、直径1mmにも満たない粒子(流星塵)が地球大気(高度100kmほど)に飛び込んできたときに輝く現象です。その速度は秒速数十kmにもなるので、地球大気との衝突による摩擦によって流星塵は蒸発し、その通り道の分子や原子は蹴散らされ、高温になって輝きます(蹴散らされる原子のイメージ図)。これが流れ星として見えるわけです。この研究では、流れ星として見える光の量が蹴散らされた分子や原子の数に比例することに目をつけ、高度110kmあたりでの酸素の原子数密度から光っている領域の幅を数mm程度と見積もったものです。これまでの観測では解像度不足で幅1m以下であることしかわかっていなかったそうなのですが、大望遠鏡の威力でここまで高精度な研究が可能になったとのこと。
この研究では、アンドロメダ銀河の撮影中にたまたま視野に移りこんだ流星に注目していることもポイントです。これまで「邪魔者」でしかなかった光の筋に対して、見方を変えることで科学的な成果を生み出すことができたわけです。すばる望遠鏡をはじめとする世界の大望遠鏡で観測された画像の中にも、きっと流れ星はたくさん写っていることでしょう。眠っているデータから次々と新たな知見がもたらされるきっかけとなったら面白いですね。