パスワードを忘れた? アカウント作成
386404 journal

Anal Cuntの日記: ガラスペン

日記 by Anal Cunt

筆記具店で予てから興味のあったガラスペンとボトルインクを購入した。店頭で様々な種類のガラスペンを見せてもらい、試し書きを行った結果、最終的にイタリア製のものにした。太めでずしりと重量感があり、グリップ部分の微妙なカーブが握ったときにしっくりと馴染み、書き易かったから。軸部分は透明なガラスにダークブルーとホワイトのラインを捻じったような柄の間に、うっすらと金色のラメが散りばめられ光の角度によってキラキラする。涼しげで爽やか。持ち易さ以外の性能ではどれも大差を感じなかった。

ガラスペンは元々明治35年に風鈴職人によって日本で開発されたものだそうな。それが世界に広まっていったのだという。確かにペン先部分の形がどことなく筆先のようにも見える。墨汁の使用が可能なので、もしかすると、筆からインスピレーションを得てできあがったものなのかもしれない。ボールペンやカートリッジ式の万年筆が登場する以前は国内でも普及していたらしい。それが時を経て、今やガラスペン職人が日本には佐瀬 勇氏たった一人しかいないんだそうな。多くの伝統工芸と同じで、貴重な技術が消えようとしている。せっかく日本発で世界中に拡がり親しまれているものが、発祥地で途絶える寸前のような状態になっているのは、とても残念に思う。しかし、最近はメディアに取り上げられたことで知名度が上がり、工芸品・美術品として評価されてきてるようだし、手作りのものが見直されつつある時代なので、状況が変わる可能性もある。是非とも技術を後の世に継承して欲しいものだ。

インクに関しても万年筆ブームのおかげか、かなりの種類の世界のインクが手に入れ易い状態になっている。自分は単純に老舗メーカーもののインクを買ってしまったが、インクにこだわる大人の「書」によると、「ハンドメイドのインク」や、好みの色をブレンドする「カクテルインク」、火で炙ると書いた文字や絵が浮かび上がる「あぶり出しインク」、「香り付きインク」などおもしろいものも色々あるようなので、徐々に試しながらお気に入りのインクを探してみようと思う。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

読み込み中...