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バグ

2014年、我々はサードパーティーのライブラリに深刻な脆弱性があることを学んだ

タレコミ by headless
headless 曰く、
本家/.「2014: The Year We Learned How Vulnerable Third-Party Code Libraries Are」より

2014年、広く使われているライブラリーに存在した重大なバグ―Heartbleed、Shellshock、Poodle―が注目を集め、ソフトウェア業界を揺るがした。残念なことに専門家たちは、これらのバグが大きな注目を集めただけで、広く使われているオープンソースに潜むバグは他にもあると考え始めている。このことは、「十分な数の目玉があれば、すべてのバグは深刻ではない」というオープンソースの基礎的な概念が単なる神話であることが露呈し始めているようにも見える。

本家/.では「十分な数の目玉が存在するのかどうか」について議論が盛り上がっており、バグが発見できなければ目玉の数が十分でなかったと言えばいいので、この「法則」は常に成立するとのコメントもみられる。なお、このフレーズを生み出したEric S. Raymond氏は、Heartbleedに関するインタビューで「目玉が一切なかったのだ」と述べているそうだ。

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電力

世界最高性能のリチウムイオン電池用固体電解質を開発 17

タレコミ by Diffusional-Mind
Diffusional-Mind 曰く、
東京工業大学菅野研究室、高エネルギー加速器研究機構、トヨタ自動車の研究グループがこれまでで最高のリチウムイオン伝導性を持つ物質Li10GeP2S12を発見した。物質設計から合成、構造解析、特性評価まで行った、基礎研究としてきわめて完成度の高い研究成果である。室温(27℃)での導電率は12 mS/cmに達する。これまでの最高レベルのリチウムイオン固体電解質と比べて、一桁大きな性能を持ち、現在使用されている有機系液体電解質に匹敵する導電率をしめす。これによって、電解質にも無機固体を使用した全固体電池の性能が大幅に向上することが期待される。全固体電池は安全性に極めて優れるものの、これまでは電解質の性能が十分でなく、実用レベルの性能を持たせることが難しかった。これを機に、リチウムイオン電池の世代交代が一気に進展するかもしれない。

情報元へのリンク
97086 comment

Diffusional-Mindのコメント: Re:本当に世界初なのか? (スコア 1) 45

その研究は笑い話の種ですね。
全固体電池がまず第一に掲げるのが、安定性と安全性。
それにも関わらず水素化物を使うというのは本末転倒です。
水素化物は空気中に出すだけで水素を発生し、
反応条件によっては発火して一気に爆発します。

今のリチウムイオン電池よりも遥かに危険ですよ。

97083 comment

Diffusional-Mindのコメント: 成果のアピールの仕方が… (スコア 5, 参考になる) 45

この研究の面白い所は、超イオン伝導相への相転移を
粒子サイズ効果によって制御できる可能性があることを
示したという所に有ると思うのです。
粒子サイズに依存して相の相対的な安定性が変化するということは
一般的に確認されており、予想されていたことでしょう。
これを実験で、系統的なデータとして確認したということは
評価に値すると思います。

しかしながら、この成果をもって固体電池の実現が近づいたと
短絡的に話を展開するのはいかがなものでしょう。

銀イオン伝導体としては、40年以上まえにこの報告の
10倍オーダーの導電率をもつ物質がつくられており(ex. RbAg4I5)、
これは、ストーリーにある方法とは異なる手法で超イオン伝導状態を
低温でも安定化するという目標を達成しています。
この物質を使用した全固体銀電池は既に試作検討も行われ、特許も取得されてます。

実用化を考えるときに、
粒子サイズを制御する必要が有ることに加え、
導電率もより高い物質が既に存在すると言う事実を考慮すると、
「これで実用化が一気に近づきました!」とは言えないのではないのでしょうか?

73070 comment

Diffusional-Mindのコメント: Re:補足? (スコア 1) 70

初志を貫徹して極めて批判的に書かせていただきます。
お気を悪くなさらないよう…

>XRDで基本的なcellが変化していないことから,ナノ粒子の大部分は元のままであるってのはまあ良いかなと言う気がします.
>#目立って伸びたり縮んだりもしてませんし.

XRDでのセルの変化は、細かいようですが、これは有意な差であると考えられます。
1%に満たないですが、X線回折による格子定数の評価というのは、それほど敏感なものです。
#この発表をしている研究者たちがいい加減なデータの取り方、解析の仕方をしている場合はこの限りにあらず。
これだけずれていれば、この議論の本質とは外れたたとえになりますが、
組成がずれているがゆえのバルク特性変化もありえます。

>(一応)STEMで表面に若干違う組成の物がいそうだ,というのも言えますし.
誠実に解析と評価を行っていると信じれば、肯定出来なくはないですが、
あのプレゼンテーション方法では、どうとでも操作できてしまいます。
#実際に使ってみるとわかると思いますが、EDXによる元素マッピングのいい加減さは想像を絶します。
空間分解能をあげて、系統的なEELSスペクトル変化を見るような分析をしていないと、
証拠のレベルまでは行かないでしょう。

>Figure S6とそのキャプションを見る限り,同等サイズのLiFePO4との比較を行い有意な差が出ているようです.
本来は、このFigure S6こそメインに出すべき図のはずです。
これがあるからこそ、少なくとも効果はあるのだなと思えます。
しかしながら、
著者らが同等サイズと主張しているサンプルとの比較で有意な差は確かにでていますが、
この程度の差は、有象無象のドーピングによる材料改質研究と同程度でしか有りません。
この程度の差が、果たしてこのプレスリリースに値するものでしょうか?

また、望んだ粒子粒子のサイズを自由に得ることは極めて難しい技術です。
同等サイズの比較データとしてあげているサンプルはボールミル処理により粉砕して得ています。
ボールミルは極めて強力な衝突とせん断応力により粉末を磨砕する強力な手法です。
この様な方法で試料を処理しておいて、結晶格子および表面に差が無いと
主張するのは極めて非常識です。
著者らにとって、見た目の大きさしか頭に無いという良い証拠です。

>EDLCとしての効果は効いていないと言っても良いのでは.
上で話題に上げているFigure S6ですが、この図において、
組成をずらしていないサンプルのグラフこそ、キャパシタ特性そのものの曲線を描いています。
つまり、
「カーボンを大量に加えているがゆえのキャパシタ容量に加えて、
少しだけ活物質由来の容量を加えることが出来るようになりましたよ。」
程度の結果でしかないと捉えることが出来てしまします。

>Mössbauerでのバルクの分析でのFe3+の存在,XRDでの基本粒子の組成の変化がほぼ無さそうなことなどが出ているので,個人的には許容範囲かなと.
MossbauerスペクトルでのFe3+の存在は、この物質においては、粒子系の小さなサンプルを大気に晒した場合には、一般的に見られるものです。
理想的にはこの材料は全てFe2+ですが、空気中で容易に酸化されて部分的にFe3+が導入されます。
今回のように、粒子系が50 nmを下回るサンプルでは当然の結果といえるでしょう。
このFe3+の量がStoichiometricなものとずらしたもので、果たして差が出ているのでしょうか?

いかがでしょう?
「たいしたこと無いけど、表面を改質した効果はあるかもしれないね」
程度のどうでもいい研究に見えてきませんか?

72088 comment

Diffusional-Mindのコメント: Re:はたして、電極だけでそれほど変わる? (スコア 5, 興味深い) 70

これはあくまで、電極の改良をして、200C(18 min)や400C(9 min)でも正極活物質の理論容量の6から8割取り出せるというもの。
周辺技術の最適化はこれからというところで、ご指摘の通り、これですぐに大電流電池が作れるようになるとはいえないですね。

それだけではなく、この研究には怪しい点がいっぱいあります。斜め読みしただけでも、
・基本戦略は活物質表面の改質のはずだが、実際にはその寄与がどの程度は言っているかが疑問であり、
正しい検証がなされていない。
・特性の向上は活物質粒子を小さくして表面積を稼いだだけでは?(この技術に新奇性はゼロ)
・大電流を流したことによる発熱で反応速度が上がっているだけではないのか?
・高速での動作をさせる電極の組成が非常識で、(活物質では無いカーボンを65 wt%いれている。)
それを除いた容量で評価している。
・上記のカーボン量を考えると、ただの電気化学キャパシタとして動作しているだけでは?
・表面の評価データが低分解能の P(りん)の光電子分光スペクトルのみで、とても成分の分離が出来ているとはいえない。
(こんな解析を高級な学術雑誌に出すなんて常識を疑う程。)

これだけの疑問がはっきりと浮かんできます。
他にも色々とモヤモヤしますね。

typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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