DoubleFireの日記: 水星と庭木とビノマイト
タレコミにも書いた水星の太陽面通過を見た感想を、こちらにこっそり書いてみます。
私はこの現象を観察したのは初めてなので以前の現象と比較はできませんが、条件面ではかなりラッキーだったと思います。
快晴に恵まれた上に、ビノマイトで見える太陽は鏡のように静か。
それでいて、観察の邪魔にならない位置に双眼鏡のピント合わせにうってつけの大きな黒点が一つ。
問題は観察場所ですが、自宅の窓からでも近所の建物の隙間から昇ってくる太陽が見えることを前日の同じ時間帯に確認していたのでこれもバッチリ……のはずが、太陽が昇ってくるのを待ち、自信満々で双眼鏡を向けると、まあるい太陽をバックに隣家ご自慢の庭木のシルエットがくっきり……。
眩しいようで、太陽は一部しか見えていなかったのです。
太陽が木の陰から完全に出てくるまでの時間はせいぜい10分くらいだったと思いますが、非常に長く感じました。
ビノマイトはコンパクトで軽いので長時間の観察でも疲れにくい反面、手ぶれが起こりやすく、慣れるまで少し時間がかかりました。
肝心の水星はというと、ネット中継で水星の見え方を確認してから目をこらすとぎりぎり見えるかどうかと言ったところでした。
ある意味、水星の小ささを実感できたように思います。
ちょっと残念だったのは、太陽の縁に若干色収差が出ていて、次第に太陽の縁に近づく水星が見えづらくなってしまったことです。
もともと像が小さいので観察自体がやっと、第三接触と第四接触の区別も付きそうになかったのでそこで切り上げ、あとはネット中継に切り替えました。
また、双眼鏡で太陽を見ている最中に母が様子を見に来たのですが、太陽を視野に入れるだけで一苦労で、すぐにどこかに行ってしまいました。
太陽を双眼鏡で捉える時には、目的の天体を肉眼で確認したり周囲の星から辿ったりできないため、慣れていないと夜間の天体観望以上に難しいのかもしれません。
しかも、視力の異なる人同士で一つの双眼鏡を使って観察する場合には交代の度にピントを合わせるのが面倒です。
一人で観察する分にはビノマイトの手軽さと、自分の手で双眼鏡を向けて本物の太陽を見ている!という感覚は捨てがたいのですが、やはりこういった滅多にない天文ショーを見る時は周囲の人を引っ張り込みたいと感動を共有したいものです。
次の金星の太陽面通過の時には投影式の望遠鏡を買っているかも…。