GeoJの日記: その後の進展
定義:
前回までの定義に加えて以下を定義する.
C (n,i)={B+c | B∈B(n,i), c∈ℤ} : 解A(n,i)の部分和の列に法sの下で任意の整数を加えてできる列集合の族.
ただし,∀B∈B(n,i), ∀c∈ℤに対してB+c={b+c mod s | b∈B}とする.
定義からB (n,i)⊂C (n,i)となる.
特にB (n,i)={C∈C (n,i) | 0∈C}である.
また,|B (n,i)|=n,|C (n,i)|=Sである.
さらに,任意のx,y∈ℤ,x≠y mod sに対して,C (n,i)(x,y)=B (n,i)(y-x mod s)+xとすると,C (n,i)(x,y)∈x, yを満たすC (n,i)の元を一意に指定できる.
以下、前回と同様にbenihitode予想を正しいものと仮定する。
補題:
命題:
∀C (n,i)に対し,∃Cid (n,i)∈C (n,i)があって,Cid (n,i)=q・Cid (n,i).
証明:
∃m∈ℤがあってn=3m+1又はn=3m+2となる時,前回の結論からB=q・Bとなる孤立列B∈B (n,i)が存在するのでCid (n,i)=Bとなる.
したがって,n=3mとなる時のみを証明すればよい.
任意のx,y∈ℤ,x≠y mod sに対して,前回の結論から,B (n,i)(y-x)は三つ組列の兄弟q・B (n,i)(y-x)=B (n,i)(qy-qx)及びq2・B (n,i)(y-x)=B (n,i)(q2y-q2x)を持つ.
それぞれ変形してC (n,i)(qx,qy)=B (n,i)(qy-qx)+qx=q・B (n,i)(y-x)+qx,C (n,i)(q2x,q2y)=B (n,i)(q2y-q2x)+q2x=q2・B (n,i)(y-x)+q2xと書ける.
したがって,q・C (n,i)(x,y)=C (n,i)(qx,qy),q2・C (n,i)(x,y)=C (n,i)(q2x,q2y)である.
C (n,i)(x,y)≠C (n,i)(qx,qy)であれば,C (n,i)(x,y),C (n,i)(qx,qy),C (n,i)(q2x,q2y)は三つ組列を形成する.
ここで,C (n,i)がすべて三つ組列であるとすると,C (n,i)の元の個数は3の倍数になるはずだが,実際には|C (n,i)|=3m(3m-1)+1なので矛盾する.
ゆえにC (n,i)(xid,yid)=C (n,i)(qxid,qyid)となるC (n,i)(xid,yid)∈C (n,i)が一つ以上存在しなければならない.
この時,Cid (n,i)=C (n,i)(xid,yid)となる(証明終わり).
結論:
命題より,すべての解のそれぞれに対してC=q・Cとなる拡張部分和列が一つ以上存在することになる.
言いかえれば,C=q・Cとなるすべての拡張部分和列を探索すれば,すべての解を網羅できることが(benihitode予想の下に)証明できた.
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