TCPは車のトラフィックと同じ。TCPでは、
1. 事故が起こったら速度を下げる(事故が起こらないならどんどん速度をあげる)
2. 目の前の人の速度が遅くなったら速度を下げる(目の前の人の速度が遅くならないならどんどん速度をあげる)
のどちらか、または、併用したものを採用する。
インターネット標準は、1ですが、条件によって2を標準とするOSもあり。
1では、道の太さを無視して、事故が起こるまでは速度をどんどんあげていって、事故が起こると、通信速度を下げよう、というような処理を行っています。(これは、TCPの場合は事故が起こった場合のコストが比較的小さいからできる技です。)
NextTCPを考えるといっても、所詮、狭い道で早い速度を出しすぎると事故が起こるのは明確だし、事故が起こると渋滞が起こって余計に目標到達が遅くなってしまうから、ある程度ゆっくりな速度で走らざるをえないというのは自然の摂理なわけです。速度の上げ方を巧妙に選んだHighSpeed TCPというものもありますが、制御だけでがんばっても限界はあります。
TCPのエンドは、TCP単体では回線の太さを事前に知ることができないので、適切な速度を選びづらいという特性もあります。元記事のように、事前に回線速度がわかっていれば、1, 2 をベースとし、その増加量や再送手順を工夫した高い通信効率を持つ通信を実現することはできますが、それがすべてのインターネット通信に応用できるほどのものとはいえないでしょうね。