H2Bロケット ロールアウト 68
宇宙ステーション補給機(HTV)打ち上げのため、JAXAと三菱重工業が共同で開発を進めてきた新型国産ロケットH2Bロケットの試験機が完成し、報道陣に公開された。(朝日新聞の記事)H2Bロケットは、H2Aロケットの改良型で、国際宇宙ステーションへの補給に使用される宇宙ステーション補給機(HTV)を打ち上げるため、1段目のエンジンをLE-7A×2のクラスター構成に変更、胴体の直径を4mから5.2mに拡張、全長を1m伸長し、推進薬が約1.7倍に増やされ打ち上げ能力が増強されている。
タンクドームの国産化、摩擦撹拌接合(FSW)の導入も行われたが、既存のH2Aロケットを基に開発したため、開発費は約260億円で済んだとのこと。
H2Bロケットは、HTV打ち上げロケットとして使用されるほか、静止トランスファ軌道へ約8トンの打ち上げ能力を持つため、主衛星の2機同時打ち上げ(デュアルロンチ)を行うことで、商業打ち上げにおいても競争力が確保できるとしている。今後、機体は種子島宇宙センターに輸送され、射場で実際にエンジンを燃焼させる実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)などの試験が行い、2009年9月ごろにHTVの技術実証機を搭載して打ち上げられる予定。