IAEA、福島の原発事故による明確ながん増加はない見通し

masakun 曰く、

2011年に起きた東京電力福島第１原発事故の影響から、子どもの間で甲状腺がんが増加することはなさそうだとする報告書を国際原子力機関（ＩＡＥＡ）がこのほど公表した（ロイター、ニューズウィーク日本版、msn ニュース、IAEA Releases）。

2011年3月に福島県で実施された子どもの甲状腺測定の分析 9頁は「チェルノブイリの事故によるベラルーシの子どもの甲状腺吸収線量の幾何平均は510-1300mGyだったが、福島県の3か所（いわき・川俣・飯舘）の子どもの甲状腺の等価線量は平均 2.2-6.6mSv だった」と報告、そのため

It is therefore unlikely that an increase in the incidence in cancer, including thyroid cancer in children, will be discernible among members of the public as a result of releases from the Fukushima Daiichi accident.
子どもの甲状腺がんを含めがんの発生率は、福島の事故による放射性物質の影響による増加を識別できる可能性が低い

と書かれている。(早野龍五先生のツイート)

さらにRADIATION AND HEALTH EFFECTS AND INFERRING RADIATION RISKS FROM THE FUKUSHIMA DAIICHI ACCIDENTには、不安を煽るメディアの責任についてこのように論じられていた。(早野龍五先生のツイート)

Since the accident occurred, several hypothetical estimates of future cancer risks have been reported in the media, sometimes based on calculations of collective dose or its computational equivalent. Such predictions are inappropriate, as explained above. The results may have contributed to the anxiety and emotional distress experienced by the Japanese population.
集団線量などの計算に基づく将来のがんリスクについてのいくつかの仮想的な推定値がメディアで報道されているが、このような予測は不適切であり、結果的に人々の不安や精神的苦痛に貢献している可能性がある。

福島原発の事故評価が「レベル７」となったことでチェルノブイリと同等の放射能災害が起きたと信じる人も大勢いたが、このようなデータを客観的に受け止めることがいま必要ではないかと思う。