64bitの日記: 「なれ合い型」学級崩壊 3
塾講師のアルバイトで中学生を相手にしているが,この調査結果のとおりだと思う.私のような塾講師でさえ感じていることを,現場の教師が気づかないのはなぜだろうか?そこにも問題があるように思う.もっと現場の教師が自主的に動いて問題分析すべきでないだろうか.
10年前に同じ塾で教えていたときは,確かに反抗的な生徒のために授業が成り立たないことが多かった.しかし,今年に入って再登壇して感じたのは,先生と生徒の関係が“お友達”になってしまっていることだ.困ったことに,塾長までがそういう関係になっている.いつか私の口から直接指摘しようと思っていたが,この記事のおかげでその手間が省けそうだ.
私はその問題点に気づいていたので,適度な距離(というか立場の違いの表現)を作るようにしている.それでも,生徒からはいつしか“~先生”と呼ばれなくなってしまう.呼び名やあだ名で呼ばれるようになるのだ.質問するときも「~じゃないの?」とタメ口をきいてくる.そのような時は丁寧語になるように言い換えさせるのだが,本人がフザケ調子なので効果はあまりない.しかし,心の奥底では注意されたことをどこかで気に留めているはずだ.それを信じて,注意を繰り返していくしかないだろう.
どちらかというと,女子のほうが先生をお友達にしてしまう傾向があるように思う.体育会系のような上下関係のある部活動に属していないためだろうか.そう思ったが,そうとも言い切れないようだ.
個人的に関連付けて考えているのは親子の関係の希薄化である.「三つ子の魂百までも」という言葉があるが,生まれたときから両親と適切な関係がなかった可能性がある.特に両親が共働きであると,コミュニケーションをとる相手や機会が少ないまま成長する.小学生,中学生ぐらいになると,コミュニケーションの相手は友達と学校の先生ぐらいになってしまうだろう.しかし,友達も稽古事や塾に通い始めると相手は先生だけになる.もともと,幼少時から親よりも先生とコミュニケーションをとることが多かった生活では,“先生と生徒”の適切な距離を意識しなくなってしまうかもしれない.そこへ先生側から歩み寄れば,その関係まさに“友達”になってしまうだろう.そして,引用記事が示すような学級崩壊のプロセスを辿るのである.
こうなってしまうのは (スコア:1, すばらしい洞察)
学生時代からルールを「押し付けられるもの」としか思ってなくて、
ルールの意味なんか考えずに、不本意に思いながら黙従してたんじゃないかと。
個人的感情を最優先する「ルール軽視」人種が、
再生産ループを作っている気がする。
Re:こうなってしまうのは (スコア:1)
うちの子の学級がまさにこの初期段階をすぎる頃です。
子供たちのわがままとルール無視が横行して、教師も
それを注意できていません。
そういう連中のほうが多数をしめるので、わがままを
止められない。教師も指導しないし、へたをすれば
少数意見側が譲歩すべきなどとたわけたことを言う。
親がそのことを指摘しても、賛同しているようでなにもしない。まじめな子ほど割を食うという…
どうしたものかと一家で考えているところです。
Re:こうなってしまうのは (スコア:1)
- 個人的感情を最優先する「ルール軽視」人種が、再生産ループを作っている気がする。
「ルール」という言葉で括るのは少し抵抗がありますが,再生産ループを作っている気がするというのはうなずけます.- 教師も指導しないし、へたをすれば少数意見側が譲歩すべきなどとたわけたことを言う。親がそのことを指摘しても、賛同しているようでなにもしない。まじめな子ほど割を食うという…
やはり,そのような状況が多いのでしょうか.私の教えている中学生の学校でも同様のようです.あくまで塾講師の立場なので間接的に聞いた話ですが,親も子供も学校の状況に非常に困惑しているそうです.私でさえ社会人経験が3年しかないことを恥じることがあるのに,大学を卒業してから一般社会を知らないまま“先生”よばれる立場になってしまうような小中高の教師採用のシステムにも問題があるような気がします.(ここでも [yahoo.co.jp]同じようなことがかかれてますが)
この前の夏休みの話ですが,中学校で非常勤で働いていた人が7月で任期切れになったらしく,当塾の求人に応募してくれました.講師が不足していたので塾長共々大変期待していたのですが,前日にドタキャンされてしまいました.それならまだしも,「他に良い仕事が見つかったのでキャンセルさせていただきます.」といってキャンセルしてきたのだというのです.
これにはさすがに塾長も怒り心頭でした.断り方も知らないような非常識人が,中学校で子供を教えていると思うとぞっとします.
さらに話が長くなりますが,先のコメントで私が「親子の関係の希薄化」を挙げたのは,問題の多い生徒ほど“親の顔が見えない”傾向があるような気がすると感じているからです.例えば,夜遅くになるので迎えに来る親御さんが多いのですが,問題を起こしがちの生徒は一人で自宅に帰る傾向がある気がします.授業中,普段の生活の話を聞いても「家に帰っても誰もいないしぃ~・・」みたいなことを言う生徒は,たいてい問題を起こしがちの生徒です.印象的なのは,他の生徒が楽しそうに普段の生活の話をしているとき,問題を起こしがちの生徒は羨ましそうに聞いていることです.定期的な三者面談にもご出席いただけない傾向もあるような気がします.
これらは私の偏見かもしれませんが,親子関係の希薄化と無関係ではないと考えています.“被害を被っている”と感じているご家庭の親子関係は良好だと思いますが,そうでないご家庭が増えているということと,非常識な教師の増加が学級崩壊の原因を作っているのだと言えるのかもしれません.