WindVoiceの日記: スパコンの予算削減とか 5
日記 by
WindVoice
最近ニュースで何かと話題の「事業仕分け」で、(世界一を目指せるような)スーパーコンピュータの建造について、予算化見送りとも言えるような減額という結論になったそうな。
不況の折、守りの姿勢になってしまうのは無理も無いが、もう少しチャレンジ精神を持つべきではないのか。日本の将来を考えたときに技術を磨かずになにで食べてゆくというのだろう。資源も無く国土も狭く、内需すら先細りで頼りにならないこの国が、他に売れるものをもっているのか? 技術に相当するものがスーパーコンピュータなのかどうか、ということには議論の余地はあるとは思うが。
手厚く金を使おうとしている年金も、医療制度も、生活の最低ラインをどこに設定するのか、という後ろ向きな話であって、将来わが国が何を売りに生きてゆくのか、というような話ではないのだ。この国はすっかり年寄りじみた思考に陥ってしまっている。ベーシックインカムなんてニュースを聞いたときには、つまり社会主義国家になるのかと驚いてしまった(立ち消えたみたいでほっとしたけど)。
はっきり言って、国民すべてが年金で生活を保障され、遍く高水準の医療の恩恵に与り、高等教育も無料で受けられるというのは、現在の経済力に見合っていないはずだ。日本はそんなに豊かではないはずだ。
……熱く語りすぎかなとは思うのだけど、もし自分の将来を真面目に考えるなら、日本から出ても生きてゆけるよう、選択肢を用意しておくべきだと思う。日本の中にいる限りこの枠組みから逃れることはできないのだから、管を巻いているつもりがないのならそうするくらいしか方法はない。そんな贅沢なインフラのために高額な税金を納めなければならなくなるのだから。
戦艦大和 (スコア:1)
「世界一のスーパーコンピューター作るべし」という主張を見ていると、「戦艦大和」という単語がちらつきます。ランキングトップをめざすことが第一の目的なら、それは趣味の範疇であって、「だから何なの」というツッコミは当然出てくると思います。
仮にわが国にとってすばらしく意義のあることだとしても、あとできちんとお金が回るような環境整備も戦略として一体に考えておかないと、片手落ち。
(撤退した会社があって)構成が大幅に変更になったのに事業の価値は変わらないのか、という意味の質問に対しても、ちゃんとした答えは用意されてなかったように見えました。
だいたい、どうして国が引っ張らないとできないのか、まずそこから疑問に思います。商売としては需要がないの?
Re:戦艦大和 (スコア:2)
儲からないのか? と言われると儲からないのでしょうね。いくつかの企業がスーパーコンピュータから撤退しているのも、つまりビジネス的には成り立たないという経営判断でしょう。開発費が高額である割に、顧客は減っています。汎用のコンピュータの性能が向上したために、スーパーコンピュータが必要とされる場面が減っているのでしょう。
ただ、一例として、台風の針路を計算するスーパーコンピュータがありますが、あれも儲かるのかどうなのか、という尺度だけなら要らない、という結論になるんじゃないでしょうか。情報としては大事なんですが、誰が金を払うのかというと、やっぱり公共事業としてしか成り立たないでしょう。
儲からないけど必要なものに対してお金を払うのが公共事業の務めだとは思いますが、さて、申し訳ないのですが開発が予定されていたスーパーコンピュータが「必要なもの」だったのかどうかというと、正直内容は良く存じません。報道されている範囲では必要なものが残されているのかどうかよくわかりません。科学者はそのあたりアピールできないと難しいですね。
人生は七転び八起き、一日は早寝早起き
即戦力にならなければ切り捨て (スコア:0)
という事なんだろうなあ、あまりに近視眼的なモノの考え方。
学問で腹が膨れない、魚の捕り方のほうが大事という低俗議論。
正確には、議論の時間さえ与えていない。
一事業一時間で判断とかもうね。
『科学』傷だらけ iPS細胞生んだ事業や科学未来館 [tokyo-np.co.jp]
「理系の学問・研究は金にならない」と盛大に宣告されたようなもの。
いくら他の有望な事業には金を出すんだといっても、こんな無茶なやり方で予算を削減されるような、
不安定な国家方針では安定した環境になるはずがない。
貧すれば鈍する。
明日はわが身と思って研究するくらいなら国外に出て行く研究者が続出だろうね。
Re: (スコア:0)
ペタコンに関してはわずか15分でしたよ。中継見てましたけど。
あれはもう結論ありきのセレモニーです。見てて馬鹿らしくなりました。
まぁ、紆余曲折でまずはじめにSXありき、というのは問題だというのはあって、
Venusスカラのみになってしまった、という時点で巻き戻しはまぁ、わかるんですが
あそこまで限りなくばっさり、というのはいくらなんでもひどいと思いましたよ。
っていうか、あれってペタコンそのものよりはその周囲の要素技術開発がキモだってのは
計算機利用者含めて当然の認識だと思ってましたけど。特にメモリ帯域とかノード間ネットワークとか
チップ間伝送技術の実証とか
箱はCellBEとかXeonでもいいんですがその周辺まで含めての技術開発ですから
Re:即戦力にならなければ切り捨て (スコア:1)
総合科学技術会議で延々議論して結論が出ず、しまいにNECが撤退して、進むことも退くこともできなくなり、政治的にバッサリやる以外になかった、という感じがします。しかし、そういうニッチもサッチもいかないプロジェクトが何百も事業仕分けの対象になっているのだとしたらぞっとします。
金曜日の夕方にちょっと近い人に電話してびっくりしました。なぜって、声が普段より一オクターブ高いんですもの。メインのストーリーには、事情に詳しい人はあまりコメントしていないようです。言葉が出ないのかもしれませんね。