y_tambeの日記: 「普通のパンデミック」の怖さ 2
日記 by
y_tambe
前回(「弱毒性」)の続き。
いわゆるHPAIタイプの強毒性でないとは言っても、依然としてインフルエンザパンデミックが脅威であることには変わりがありません。
こっから*それほど*正確性のあるとは言えない予想/数値を含むので、目立たないように日記に書く……このへんはそもそも、昔と今とで患者数や死者数の集計方法も違うので、あんまり確たることが言えないというのもあるんで。
大体で言うと、日本ではインフルエンザの発生は、大体年間(1シーズン)あたり推計1000万人くらいと言われてます 参考1 。インフルエンザによる死亡者数として報告されてるのは、この十数年の間は大体、数百〜2千人くらい 参考2 ですが、インフルエンザでは感染したことによって別の原因により死亡者数が増加するという「超過死亡」という現象が、特に高齢者などのハイリスク群で見られ、これを含めると大体年間、数千〜1万数千人くらいが、直接/間接的にインフルエンザによって死亡していると考えられてます。
で仮に、日本でパンデミックが発生した場合どうなるか。例えばアジアかぜ、香港かぜのケースでは、発生時の死亡者が前年の数倍〜数十倍に増えてます(一方、ソ連かぜのときは少なくとも日本ではそれほどの増加は出てないみたいですが 参考2 、このあたりはようわからん)。今回のケースが果たしてどこまでの規模の流行を起こすかは不明だけど、「弱毒型のアウトブレイク」でも、今の「日本で10人に一人が感染し、(ハイリスク群中心に)日本で1万人に一人が死亡する」というのが、数倍〜数十倍になる可能性が危惧されるわけです(最大だと死者210万人という試算 参考3 もあったり†…)。ハイリスク群である高齢者(続発性細菌感染症を起こしやすい:万一、続発感染した場合の死亡率は40%程度)や乳幼児(インフルエンザ脳症・脳炎を起こしやすい:万一、脳症を発症した場合の死亡率25%、後遺症が出るケースが30%)を抱えている家族にとっては、特に他人事ではない話というか…。
ちなみに高病原性トリインフルエンザの場合はどうかというと、患者数全体が恐らく小さく見積もられていますが、現在確定している中での死亡率が50〜60%というトンでもない疾患で、仮に(ヒトの世界で弱毒化することなく)そのままパンデミックを起こした場合、日本での死者数は17〜64万人 参考4 ††から最大で600万人規模 参考3 になると予想されてるという。なので、とりあえず「HPAIタイプとは遠い」ということが「大きな安心材料」になるわけです。
−−−
† さすがに210万人は多すぎると思うけど。
†† ここらへんの数値は「厚労省の対策報告書」が元ネタになってて、感染研の文書なんかでも「厚生労働省『新型インフルエンザ対策報告書』によれば、わが国でも最悪で約64万人の死者が出る可能性があると試算されています」と書かれてます…まぁその意味するところは推して図るべし。
いわゆるHPAIタイプの強毒性でないとは言っても、依然としてインフルエンザパンデミックが脅威であることには変わりがありません。
こっから*それほど*正確性のあるとは言えない予想/数値を含むので、目立たないように日記に書く……このへんはそもそも、昔と今とで患者数や死者数の集計方法も違うので、あんまり確たることが言えないというのもあるんで。
大体で言うと、日本ではインフルエンザの発生は、大体年間(1シーズン)あたり推計1000万人くらいと言われてます 参考1 。インフルエンザによる死亡者数として報告されてるのは、この十数年の間は大体、数百〜2千人くらい 参考2 ですが、インフルエンザでは感染したことによって別の原因により死亡者数が増加するという「超過死亡」という現象が、特に高齢者などのハイリスク群で見られ、これを含めると大体年間、数千〜1万数千人くらいが、直接/間接的にインフルエンザによって死亡していると考えられてます。
で仮に、日本でパンデミックが発生した場合どうなるか。例えばアジアかぜ、香港かぜのケースでは、発生時の死亡者が前年の数倍〜数十倍に増えてます(一方、ソ連かぜのときは少なくとも日本ではそれほどの増加は出てないみたいですが 参考2 、このあたりはようわからん)。今回のケースが果たしてどこまでの規模の流行を起こすかは不明だけど、「弱毒型のアウトブレイク」でも、今の「日本で10人に一人が感染し、(ハイリスク群中心に)日本で1万人に一人が死亡する」というのが、数倍〜数十倍になる可能性が危惧されるわけです(最大だと死者210万人という試算 参考3 もあったり†…)。ハイリスク群である高齢者(続発性細菌感染症を起こしやすい:万一、続発感染した場合の死亡率は40%程度)や乳幼児(インフルエンザ脳症・脳炎を起こしやすい:万一、脳症を発症した場合の死亡率25%、後遺症が出るケースが30%)を抱えている家族にとっては、特に他人事ではない話というか…。
ちなみに高病原性トリインフルエンザの場合はどうかというと、患者数全体が恐らく小さく見積もられていますが、現在確定している中での死亡率が50〜60%というトンでもない疾患で、仮に(ヒトの世界で弱毒化することなく)そのままパンデミックを起こした場合、日本での死者数は17〜64万人 参考4 ††から最大で600万人規模 参考3 になると予想されてるという。なので、とりあえず「HPAIタイプとは遠い」ということが「大きな安心材料」になるわけです。
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† さすがに210万人は多すぎると思うけど。
†† ここらへんの数値は「厚労省の対策報告書」が元ネタになってて、感染研の文書なんかでも「厚生労働省『新型インフルエンザ対策報告書』によれば、わが国でも最悪で約64万人の死者が出る可能性があると試算されています」と書かれてます…まぁその意味するところは推して図るべし。
N1H1 (スコア:0)
今回の件に限れば、型がN1H1なんで、既存の流行方と型自体は違いありません。
香港風邪がNが変化しなかったので、被害が少なかったのはよく知られてますし、
ソ連風邪は、さらに格段に被害少なく、厳密にはパンデミックに入らないらしいです。
さらにソ連風邪の時のような、流行の空白期もほぼありません。
それから考えると、被害予想は
(大)香港風邪 > ソ連風邪 > 今回の新型H1N1 > 既存のH1N1(Aソ連型)の季節性流行(小)
になる訳で、この辺の予想をせず、脅せば良いと考える風潮には、危機感を感じますね。
むろん、被害が相対的に少ない事が予想できても 新型H1N1 > 既存のH1N1(Aソ連型)の季節性流行
も予測される訳で対策自体は、おおいに必要ですけど
Re:N1H1 (スコア:1)
いろいろと理由は推測されてはいるけど、他国での感染者数がまだ少ない状況では、単に衛生環境などの問題だったのかどうかは判らないので、まだ頭の片隅に残しておいた方がいいかな、と。つってもその「答え」は、メキシコ側の調査で出てくるのではなく(今イチ調査能力に問題がありそうだし)、他国での感染数が増えて、既存の流行株との間で死亡率には差がないということが明らかになれば、メキシコ側の要因によるものと考えられるようになります……けど、まだそう言える段階ではなさそうなので。