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外から想定してないエネルギ(この場合はレーザ)を与えてやるとあっさりと機能停止、あるいは破壊に至る
30年近く前(冷戦まっただなか)のScientific Americanの記事に, この場合の問題点として, 確実に機能停止あるいは破壊が確認できるまでは攻撃を終えられないってものが挙げられていました. なにしろ標的は数100km以上彼方ですから, 破壊の程度を観測するのも難しく, 最悪の場合にはブーストフェイズが終わって軌道を観測して初めて壊れていることが分かるってこともありえます. そのため, ブーストフェイズは比較的長時間(1970年代のICBMで約8分だとか)あっても, その間に処理しきれるミサイルの数はそれほど多くなく, 現実的には有効性に乏しい(当時は本格的なミサイル戦争では, 第一撃として1000基以上のミサイルが想定されていましたし)と結論付けられていました.
今回の場合は想定される条件はかなり異なっていますが, かなりの確率でハードな破壊が可能でなければ, システムとしては回らないでしょうね.
最近の高出力レーザーってフェムト秒単位でナノからミリ単位に照射し周囲に熱が拡散する前にうち抜くことが多いんじゃないですか。
実験室の中と違って長距離で使用するレーザーは, たとえ真空中であっても光学的な限界により拡散します. 実際には発振器などの精度の問題もあって1ミリラジアン程度の広がり角を持っているので, 100km先の標的に対するビームスポットはスポットと言う割に100mにも達することになります. これを小さくするためにはビーム出口の口径を大きくする必要があり, 実用的には1m前後からそれ以上の口径が必要になるみたいです. このあたりの理論的な説明はこちらのページ [anfoworld.com]が詳しいです.
さらに空気中で使用する場合には, レーザーによる空気の加熱を考えなければなりません. これはレーザーの周波数に依存する吸収特性で変化しますが, それにしても多かれ少なかれビームの中心部は加熱され密度が低下することになります. するとこの経路の光の伝播速度が変化し, 凹面レンズの様に発散を促進することになります. これがフェムト秒クラスの超高強度パルスレーザーなんかになったら, どんな非線形光学の挙動が発生するのか.
レーザーで弾頭を焼く兵器って、大昔の破裂しない弾丸のようなもので、もし1MJのエネルギーを目標に当てようとするなら、1MJのエネルギーがレーザーから出ていかないといけないところが、20世紀少年発想で、エレガントでないと思います。それに、目標にレーザーを向けるための鏡があって、鏡が焼かれないようにするには単位面積当たりのエネルギーを十分小さくしなければいけないとすると、鏡がバカでかくなってしまいます。SDIの時も、そんな鏡を、高速で飛んでくる多数の目標に向けて振り回すのはムリだと言われていました。
これと関係があるかどうか分かりませんが、核融合レーザーと言えば日本でも大学でレーザーでする核融合を研究しているところがありますが、核融合は磁場閉じ込め(ITER)に決まって希望がなくなってしまい、アメリカやフランスや中国では核兵器研究としてレーザーの研究がされているから日本でもそうなれば良いという意見がないわけでもありませんでしたが。
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
核融合レーザー (スコア:0)
Re:核融合レーザー (スコア:1)
レーザーは弾頭に真に直撃でないと意味がないんですよね。
アンチミサイルなら近接信管が作動すればダメージを与えられる可能性がありますが。
後はどれだけの時間、照射すれば弾道の機能停止ができるかの判断もかなりシビア。
198X年の上映見てしまった人だけどID
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:核融合レーザー (スコア:5, 参考になる)
米軍のABL [dion.ne.jp]にせよ今回のネタにせよ、ブーストフェイズにおいてミサイルの胴体を加熱して破壊するのが目的です。ミサイル(あるいはロケット)はぎりぎりの条件で設計・使用されてるので、外から想定してないエネルギ(この場合はレーザ)を与えてやるとあっさりと機能停止、あるいは破壊に至る、とのこと。
聞きかじりだけどID
Re:核融合レーザー (スコア:1)
しかし、ブーストフェーズでレーザ照射って射程が…
航空機搭載可能ならまだ運用が想像できますが、なんか高い玩具に終わりそうな。
やっぱりSDIの再来ですか、これは。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:核融合レーザー (スコア:1)
30年近く前(冷戦まっただなか)のScientific Americanの記事に, この場合の問題点として, 確実に機能停止あるいは破壊が確認できるまでは攻撃を終えられないってものが挙げられていました. なにしろ標的は数100km以上彼方ですから, 破壊の程度を観測するのも難しく, 最悪の場合にはブーストフェイズが終わって軌道を観測して初めて壊れていることが分かるってこともありえます. そのため, ブーストフェイズは比較的長時間(1970年代のICBMで約8分だとか)あっても, その間に処理しきれるミサイルの数はそれほど多くなく, 現実的には有効性に乏しい(当時は本格的なミサイル戦争では, 第一撃として1000基以上のミサイルが想定されていましたし)と結論付けられていました.
今回の場合は想定される条件はかなり異なっていますが, かなりの確率でハードな破壊が可能でなければ, システムとしては回らないでしょうね.
Re:核融合レーザー (スコア:0)
全体的に加熱するんですか?
最近の高出力レーザーってフェムト秒単位でナノからミリ単位に照射し周囲に熱が拡散する前にうち抜くことが多いんじゃないですか。
これなら少ない電力で可能でしょ。
ロケット技術には詳しくないんですが1ミリ以下の穴でも再突入時に高温のプラズマが内部に流れ込めばひとたまりも無いんじゃないですか。
ロボットアニメのばりばり系ビームやレーザーなんて電気代考えるとぞっとする。
Re:核融合レーザー (スコア:1)
実験室の中と違って長距離で使用するレーザーは, たとえ真空中であっても光学的な限界により拡散します. 実際には発振器などの精度の問題もあって1ミリラジアン程度の広がり角を持っているので, 100km先の標的に対するビームスポットはスポットと言う割に100mにも達することになります. これを小さくするためにはビーム出口の口径を大きくする必要があり, 実用的には1m前後からそれ以上の口径が必要になるみたいです. このあたりの理論的な説明はこちらのページ [anfoworld.com]が詳しいです.
さらに空気中で使用する場合には, レーザーによる空気の加熱を考えなければなりません. これはレーザーの周波数に依存する吸収特性で変化しますが, それにしても多かれ少なかれビームの中心部は加熱され密度が低下することになります. するとこの経路の光の伝播速度が変化し, 凹面レンズの様に発散を促進することになります. これがフェムト秒クラスの超高強度パルスレーザーなんかになったら, どんな非線形光学の挙動が発生するのか.
Re:核融合レーザー (スコア:1)
Re:核融合レーザー (スコア:0)
SDI の真の目的はミサイル防衛網を構築することではなく、
それを真に受けた敵国に過度の対抗技術開発を強いることにより
経済的な壊滅に追い込むことだったんですよ実は。
勝てば後から何とでも言い訳できます。
売国奴ほど愛国心を叫ぶ (Re:核融合レーザー) (スコア:0)
光の竹槍にさえならん。
なんで、空中配備のABLが登場したのか解っていないはずはないのに
そして、本気で実用化する積もりならば、レーザ加熱型兵器に対する防御策は発想を変えると意外なものがあり得るので、それを無効化するための手段も考えておかなきゃいけない。
自国防衛のために、実用化に一歩でも近づこうと、本気で考えているとは思えないんですけどね。
とにかく、真面目にやって欲しいな。
Re:売国奴ほど愛国心を叫ぶ (Re:核融合レーザー) (スコア:1)
Re:核融合レーザー (スコア:1)
核融合なのか核分裂なのかはともかく,あれは衛星程度のサイズに搭載可能で高出力ってのが
他にないだろうと考えられたから.
まあ実際には予備実験の段階で無理そうだということになって早々に中止されましたが.
というわけで
>今は核に頼らずに十分な出力を得られるようになったのでしょうか。
当時から,地上配備型で開発されていたのは普通の高出力レーザーです.
>X線レーザー自体、実用化されてない
実験室レベルでよければ,分光等には使われている方々もいます.
#もうすぐFEXLもあちこちで出来るでしょうし.
Re:核融合レーザー (スコア:1)
レーザーで弾頭を焼く兵器って、大昔の破裂しない弾丸のようなもので、もし1MJのエネルギーを目標に当てようとするなら、1MJのエネルギーがレーザーから出ていかないといけないところが、20世紀少年発想で、エレガントでないと思います。それに、目標にレーザーを向けるための鏡があって、鏡が焼かれないようにするには単位面積当たりのエネルギーを十分小さくしなければいけないとすると、鏡がバカでかくなってしまいます。SDIの時も、そんな鏡を、高速で飛んでくる多数の目標に向けて振り回すのはムリだと言われていました。
これと関係があるかどうか分かりませんが、核融合レーザーと言えば日本でも大学でレーザーでする核融合を研究しているところがありますが、核融合は磁場閉じ込め(ITER)に決まって希望がなくなってしまい、アメリカやフランスや中国では核兵器研究としてレーザーの研究がされているから日本でもそうなれば良いという意見がないわけでもありませんでしたが。
反射衛星砲みたいな? (スコア:0)
これって、DMD(DLP方式プロジェクタに使われてるデバイス)でできそうな気がするけど、
どうなんでしょうか...
Re:核融合レーザー (スコア:1)
施設が巨大で向きを変えるのも大変でいいんなら放射光が使えるはずだが?
Re:核融合レーザー (スコア:1)
普通のSORだとコヒーレンシーが悪くてレーザーとは呼べないのでは?
#これから作る自由電子レーザーならともかく.
Re:核融合レーザー (スコア:1)
Re:核融合レーザー (スコア:1)
組み込まれている程度のですとまだまだレーザーと呼べるほどではありません.
光共振器と組み合わせる(ただミラーの関係で波長に制限)とか,破格に長い
アンジュレーターを用いて自分の発生した光でマイクロバンチ化させるような
自己増幅型にする必要があります.
#後者の方式でX線自由電子レーザーを作ろうってのが動いてますね.
Re:核融合レーザー (スコア:1)
これ [spring8.or.jp]のことかな?
# もうできてるもんだとばかり。
日本海側の原発に (スコア:1)
原発に向かってくる中距離ミサイル用ですね
------------
惑星ケイロンまであと何マイル?
Re:核融合レーザー (スコア:1)
それよりもこれを使ったレーザー水爆ができるのかどうか気になるけど。
# 米軍がレーザー水爆の研究してるそうですが、どんな構造なんでしょうね。
# まったく目処も無いものを研究するとは思えないですし。。。
# レーザー核融合の設備を爆弾に納められるわけねぇと初めは思ったのですが、
# 核爆発が必要なはずの電磁パルス兵器がすでに実戦に使われているらしいことを
# 聞いたら、以外と出来ちゃうのはないかと考えたり。
化学レーザーだね (スコア:0)
たしか、ディスカバリーチャンネルでもやってた。