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ボーイングにしてもロッキードマーチンのF-35にしても、なんでこうも最近の航空機開発ってのは頓挫したり遅延したりするもんなのかね?ああ、開発難航と言えば新型哨戒機P-8もボーイングでしたね。いったいどこに原因があるんでしょう?
P-8は別として、787にしろ、F-35にしろ、炭素繊維複合材(CFRP)の多用が原因でしょうね。
CFRPは炭素繊維とエポキシ樹脂などの熱硬化性プラスチックを交互に積層した後、薬液か、オートクレーブという高温高圧の釜を使って、プラスチックを硬化させて製造するのですが、積層や硬化の過程で素材の間に気泡が発生するしてしまい、それを抑えるのも困難です。
悪くすると、素材の強度が不足して、ひび割れが生じたりしてしまうので、それを見越した最適重量の設計は容易では有りません。
主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
これは、少し前にF-2の開発でMHIが散々苦労したのと一緒でしょうし、逆に、787で主翼をMHIが担当していたからこそ、短期の設計変更にも対応できたのでしょう。
# RFPには基づいているらしいが
> 主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、> 結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
違います。
主翼の問題は付け根付近の上部表皮部分に応力が集中し、積層が剥離する可能性があるというものです。既に主翼が完成している試験機での修正方法を見ればわかりますが、単純に強度を上げるような手段はとっていません。
# この問題の深刻な点は、設計時点で問題となりうる事はわかっていたのに見過ごされていたという所。
ちなみに、試験機のような主翼取付部のみの修正ではなく、主翼自体の設計変更が完了したという情報はまだ出てきていないと思います。変更されるのは量産20号機以降だったか、かなり先の話だったと思いますが。
たしか,落雷対策で設計変更の必要があったと聞いています.これも遅れの原因ではないでしょうか?
CFRPは車体なんかで使われているので製作実績はあると思うのだが張り合わせできないから一体成型するしかないので大きいものほど作るのが大変だということだろう。
そのMHIは自社開発のMRJについて、CFRPで翼を作ることを断念しましたね。それを発表するとき、同時にサイズアップするとか言って若干ごまかしていますが、実際にはCFRP翼がうまくできず、アルミ翼で、2種類あるサイズ違いに対し翼の共有化をあきらめたようです。燃費については変わらないと言っていますが、それもどうなるか。まだまだ難しいということでしょうか…。
人命がかかってるからでしょ。
航空機業界の悲願は「絶対に落ちない飛行機」もしくは「落ちても人が死なない飛行機」ですよね。でも、物理法則に反することはできませんから、基本的には「航空機が原因で落ちる可能性がほとんどない」機体を目指しているわけです。そのためには見つかったエラーは徹底的につぶしておく必要がありますよね。後からパッチを当てたりすることは出来ませんし。
ソフトウェア開発でもバグを徹底的につぶすにはそれなりの開発期間がかかるでしょ。それと同じで、検証、検査技術も上がっていますから見逃されていたエラーも見つかるようになって、時間がかかっているのでしょう。
> # あと、F-16やF-18なんかは外から補強用のパッチを貼っている機体がたくさんいます。
旅客機 [coara.or.jp]でも(ソースがなんですが)そういう機体は沢山あるように思います。
多分ですが、大きく2点の原因があると思います。
・テクノロジー予測の難しさ航空機は設計から実用まで多大な年月がかかるため、生産時の技術を見据えた「設計段階では出来たばかりの未来技術」を多用しているように見えます。この「未来技術」が設計時の予想通りに開発できればよいのですが、そうでなければ延々と開発が長引く結果になるのではないでしょうか?既にコメントがついていますけど、最近では炭素繊維技術にその傾向があるよう見受けられます。
・生産拠点の分散化最近の航空機は様々な国でパーツを生産し、最後にアセンブルして終了するパターンが多いようです。全てのパーツを一つの国、一つの系列会社で生産していれば、生産管理も簡単なのでしょうが。世界中に分散してしまった現在、生産管理は相当に大変なのではないかと感じます。787の場合は、コレが主要な原因の一つであるように見受けられます。
そのほかにも制御コンピュータのコード肥大化など、色々とあるのではないでしょうか。
> 「ゆっくり!ゆっくりでいいぞ!」> 「ちょっと待ってくれ、入らない」> 「穴がズレてるじゃないか……」
えっちなのはよくないです。
# AC、わたし疲れてるのよ。
要求仕様の肥大化がデスマーチの要因の一つです。ええ、よーっく経験がありますよ。orz
http://srad.jp/security/comments.pl?sid=447809&cid=1553616 [srad.jp]「F-35の開発が絶賛炎上中だからです。(半分本当)」「まあそもそも、さまざまな要求を入れた万能機が駄作機になるってのはロバート・マクナマラがやらかしたF-111という世紀の失敗作でアメリカは懲りてる筈なんですが。」
元記事はF-35の話でしょ。
ちなみにこんな話もある。http://d.hatena.ne.jp/masayang/20071208/1197133669 [hatena.ne.jp]
これからはオフショアの時代なんだよね。(棒読み)
それから787って全日空が特注したの?そうでなければ「全日空としてみれば~」は無意味では。仕様を取捨選択するのはボーイング側。
ローンチカスタマー [wikipedia.org]は、顧客ニーズを吸い上げる相手としても重要だそうですよ(ただしソースはウィキペディア)。もちろん出た要求仕様を取捨選択するのはボーイングでしょうけど。
初飛行の写真、ANAカラーっぽいですが、ボーイングカラーなんですね。
最近に限った話?
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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー
どこに原因が? (スコア:0)
ボーイングにしてもロッキードマーチンのF-35にしても、なんでこうも最近の航空機開発ってのは頓挫したり遅延したりするもんなのかね?
ああ、開発難航と言えば新型哨戒機P-8もボーイングでしたね。
いったいどこに原因があるんでしょう?
Re:どこに原因が? (スコア:3, 参考になる)
P-8は別として、787にしろ、F-35にしろ、炭素繊維複合材(CFRP)の多用が原因でしょうね。
CFRPは炭素繊維とエポキシ樹脂などの熱硬化性プラスチックを交互に積層した後、
薬液か、オートクレーブという高温高圧の釜を使って、プラスチックを硬化させて製造するのですが、
積層や硬化の過程で素材の間に気泡が発生するしてしまい、それを抑えるのも困難です。
悪くすると、素材の強度が不足して、ひび割れが生じたりしてしまうので、
それを見越した最適重量の設計は容易では有りません。
主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、
結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
これは、少し前にF-2の開発でMHIが散々苦労したのと一緒でしょうし、
逆に、787で主翼をMHIが担当していたからこそ、短期の設計変更にも対応できたのでしょう。
Re:どこに原因が? (スコア:4, おもしろおかしい)
# RFPには基づいているらしいが
Re:どこに原因が? (スコア:4, 参考になる)
> 主翼の強度不足、というのも、当初の見積もりよりも、製造工程での気泡の混入が多くて、
> 結果として強度が不足して、設計をやり直したのでしょう。
違います。
主翼の問題は付け根付近の上部表皮部分に応力が集中し、積層が剥離する可能性があるというものです。
既に主翼が完成している試験機での修正方法を見ればわかりますが、単純に強度を上げるような手段は
とっていません。
# この問題の深刻な点は、設計時点で問題となりうる事はわかっていたのに見過ごされていたという所。
ちなみに、試験機のような主翼取付部のみの修正ではなく、主翼自体の設計変更が完了したという情報は
まだ出てきていないと思います。変更されるのは量産20号機以降だったか、かなり先の話だったと思い
ますが。
Re:どこに原因が? (スコア:1)
たしか,落雷対策で設計変更の必要があったと聞いています.
これも遅れの原因ではないでしょうか?
Re: (スコア:0)
テールファンブレード破壊でしたっけ。
「複合材製のTRBの開発に際して、限界使用時間を設定する際の
荷重や温度環境の条件選定が適切でなかった」なんて
事故報告書にも書かれてますねぇ。
Re: (スコア:0)
この「違います。」と言い切るコメントに(スコア:4, 参考になる)が付いてるが、これって評者はこれが正しいことを確認して付けてるのかね?
どの点がどう参考になるの?
以前自分の良く知ってる件で少し説明してみたら、同じように「違います。」なんて正々堂々と書かれてびっくりしたことがある。自分の元コメントが多少ふざけた言葉使いのものだったし、めんどくさいので放っておいたが、他人の意見を「違います。」と言い切って一見もっともらしい異見を書いてみれば、それにスコア4とか5とか付くのであろうか?評者の責任というのはないのですか。
Re: (スコア:0)
CFRPは車体なんかで使われているので製作実績はあると思うのだが
張り合わせできないから一体成型するしかないので大きいものほど
作るのが大変だということだろう。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そのMHIは自社開発のMRJについて、CFRPで翼を作ることを断念しましたね。
それを発表するとき、同時にサイズアップするとか言って若干ごまかしていますが、実際にはCFRP翼がうまくできず、アルミ翼で、2種類あるサイズ違いに対し翼の共有化をあきらめたようです。
燃費については変わらないと言っていますが、それもどうなるか。
まだまだ難しいということでしょうか…。
Re:どこに原因が? (スコア:2)
人命がかかってるからでしょ。
航空機業界の悲願は「絶対に落ちない飛行機」もしくは「落ちても人が死なない飛行機」
ですよね。でも、物理法則に反することはできませんから、基本的には「航空機が原因で
落ちる可能性がほとんどない」機体を目指しているわけです。そのためには見つかった
エラーは徹底的につぶしておく必要がありますよね。後からパッチを当てたりすることは
出来ませんし。
ソフトウェア開発でもバグを徹底的につぶすにはそれなりの開発期間がかかるでしょ。
それと同じで、検証、検査技術も上がっていますから見逃されていたエラーも見つかる
ようになって、時間がかかっているのでしょう。
Re:どこに原因が? (スコア:2, 参考になる)
そういやA330に対してもAFの事故を受けてピトー管の交換指示が出たようですね。
# あと、F-16やF-18なんかは外から補強用のパッチを貼っている機体がたくさんいます。
Re: (スコア:0)
> # あと、F-16やF-18なんかは外から補強用のパッチを貼っている機体がたくさんいます。
旅客機 [coara.or.jp]でも(ソースがなんですが)そういう機体は沢山あるように思います。
Re:どこに原因が? (スコア:1)
多分ですが、大きく2点の原因があると思います。
・テクノロジー予測の難しさ
航空機は設計から実用まで多大な年月がかかるため、生産時の技術を見据えた「設計段階では出来たばかりの未来技術」を多用しているように見えます。この「未来技術」が設計時の予想通りに開発できればよいのですが、そうでなければ延々と開発が長引く結果になるのではないでしょうか?
既にコメントがついていますけど、最近では炭素繊維技術にその傾向があるよう見受けられます。
・生産拠点の分散化
最近の航空機は様々な国でパーツを生産し、最後にアセンブルして終了するパターンが多いようです。
全てのパーツを一つの国、一つの系列会社で生産していれば、生産管理も簡単なのでしょうが。世界中に分散してしまった現在、生産管理は相当に大変なのではないかと感じます。
787の場合は、コレが主要な原因の一つであるように見受けられます。
そのほかにも制御コンピュータのコード肥大化など、色々とあるのではないでしょうか。
Re:どこに原因が? (スコア:2)
最近起きた事故(スペースシャトルとかも)の調査結果、ヒューマンエラー除けば、いっつも外注部品の問題じゃん。
787が旅客機として日本に来ても怖くて乗れんね。
Re: (スコア:0)
出る出る!ゼルダの伝説!になった A380 についてやってましたが
飛行機の部品は、世界中で作られ、ここに集められます
「ようし、取り付けるぞ」
「ゆっくり!ゆっくりでいいぞ!」
「ちょっと待ってくれ、入らない」
「穴がズレてるじゃないか……」
その「穴」ってのが頭を突っ込めるくらい大きかったりすると
Re: (スコア:0)
> 「ゆっくり!ゆっくりでいいぞ!」
> 「ちょっと待ってくれ、入らない」
> 「穴がズレてるじゃないか……」
えっちなのはよくないです。
# AC、わたし疲れてるのよ。
要求仕様の単調増加 (スコア:1, 興味深い)
要求仕様の肥大化がデスマーチの要因の一つです。
ええ、よーっく経験がありますよ。orz
http://srad.jp/security/comments.pl?sid=447809&cid=1553616 [srad.jp]
「F-35の開発が絶賛炎上中だからです。(半分本当)」
「まあそもそも、さまざまな要求を入れた万能機が駄作機になるってのは
ロバート・マクナマラがやらかしたF-111という世紀の失敗作でアメリカは
懲りてる筈なんですが。」
Re: (スコア:0)
全日空としてみれば、セールストークが少しできて、ちゃんと飛ぶ新機種
であるという2点ぐらいしか要求は無いと思うが。
他のコメントにもあるように、寄り合い所帯をうまく作れなかったのが大炎上の元凶かと。
Re: (スコア:0)
元記事はF-35の話でしょ。
ちなみにこんな話もある。
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20071208/1197133669 [hatena.ne.jp]
これからはオフショアの時代なんだよね。(棒読み)
それから787って全日空が特注したの?
そうでなければ「全日空としてみれば~」は無意味では。
仕様を取捨選択するのはボーイング側。
Re:要求仕様の単調増加 (スコア:1)
ローンチカスタマー [wikipedia.org]は、顧客ニーズを吸い上げる相手としても重要だそうですよ(ただしソースはウィキペディア)。もちろん出た要求仕様を取捨選択するのはボーイングでしょうけど。
初飛行の写真、ANAカラーっぽいですが、ボーイングカラーなんですね。
Re: (スコア:0)
最近に限った話?
Re: (スコア:0)
>開発ってのは頓挫したり遅延したりするもんなのかね?
最近に限らず、例えばF-111の海軍版とか、日本で言えばゼロ戦の後継機とか・・・