まぁ、気にする人はいないんだろうけれど…。学名はラテン語なんで、なんで「カムイ」をラテン語に無い y を使って “kamuy” としたのか? …と思ったらアイヌ語のラテン文字翻字で [j] を y で翻字しているかららしい。カムイは /kamuy/ [kamuj] というわけで。でも、ならばラテン語なら kamuj ないし kamui とすべきでしょうね。現実にはラテン語の学名にしばしば y が登場するけれど、これは人名や地名などの固有名詞由来の場合がほとんど。漢字圏では外国語の固有名詞の場合も漢字の原綴のまま借用し、発音だけ現地読みするように、ラテン文字圏でも原綴のまま借用し、それぞれの輸入先の読み方で発音するので。なので固有名詞由来の学名の場合は y や w も使われることになります。カムイは普通名詞なので難しい所。
Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:4, 参考になる)
で、それよりも気になるのが、japonicus を「ジャポニクス」と読んでいること。(「ジャポニカス」よりはマシだけれど。)ラテン語の j の読みは [j] なので、これは「ヤポニクス」であるべき。
学名にまで英語汚染が浸透しているのは何ともはや…。
そう言えば、Titanium PowerBook G4 が発売された時、 Mac の雑誌の紹介記事を読んでいて「ちなみに、Apple は『チタニウム』と表記しているけれど、『チタニウム』とは『タイタニアム』のことである」と説明があって、のけ反ったのを覚えています。
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:3, 参考になる)
えー?
ご存じないようですけど、かの有名なティラノサウルス [wikipedia.org]は。Tyrannosaurusと綴ります。
こいつは古代ギリシア語由来で、意味は「暴君トカゲ」なのは知られているはず。固有名詞ではありません。
他にも、有名どころだと
アンキロサウルス [wikipedia.org](Ankylosaurus:癒合or曲がったトカゲ)
デイノニクス [wikipedia.org](Deinonychus:怖ろしい鉤爪)
パキケファロサウルス [wikipedia.org](Pachycephalosaurus:厚い頭のトカゲ)
コエロフィシス [wikipedia.org](Coelophysis:空っぽな形)
とか、恐竜の学名には普通にあります。(この辺も大体古代ギリシア語が語源)
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:2)
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:1)
半可通乙。「j」という文字はそもそもラテン語が生きた言語であった時代には存在しなかったので、「ラテン語での発音」などと云々する価値はないよ。
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:2)
半可通乙。「j」という文字はそもそもラテン語が生きた言語であった時代には存在しなかったので、「ラテン語での発音」などと云々する価値はないよ。
そんなことはとうにご承知。/j/ [j] は /i/ [i, j] から、/u/ [u] は /v/ [u, w] から派生したものです。そこまで詳しく書く必要がないと思ったから書かなかったまでです。ラテン語の /i/ と /v/ は°母音の [i] と [u] と発音される場合と、子音の [j] と [w](後に [v])として発音される場合がありました。通常、これらの文字に母音が続く時には子音として発音されました。Iaponia [jaˈpɔ.ni.a](ヤポニア)のように。しかし母音の前でも母音として発音される場合もあり、それを区別するためにいつの間にか(15世紀頃)子音の /i/ の下を曲げて /j/ として区別するようになったのです。なので、japonicus のラテン語の読みはやはり「ヤポニクス」です。iaponicus と書くと「ヤポニクス」だけではなく「イアポニクス」という読みも可能だったので、はっきりと「ヤ」と発音を明示させるために ja ができたのです。
それにしても言語学者が素人さんに「半可通」呼ばわりされる時代なんですねぇ。インターネットによる民主化は素晴らしい。
Re: (スコア:0)
アシモフの黒後家蜘蛛の会で、Aluminiumを英国人がアルミニウムと発音することが許せない大学教授が出てきたなぁ…。
米国人的にはアルミナムだそうで。
…アシモフは言葉遊び好きだから、翻訳大変そうだな。
英語って文字と発音が乖離してるのどうにかならんのかねぇ。手遅れっぽいけど…。
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:2)
はアルミナムの話はアシモフが主張してるのかと思ってた
と わ とか を と おとか鼻濁音の使い分けとか
日本語も色々あるしな
サ変とかもかなり標準を逸脱している
仮に整合性ある体系だったとしても、だんだんズレが溜まっていくんだろう
そんな理不尽さが文化なんだろうな
設計された文字体系であるというハングルも作りと読みがずれてきてる字とかあるのかな
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:1)
> 米国人的にはアルミナムだそうで
それは米語がおかしい。
(もし仮に)Aluminum という単語があったとき区別つかないやん。
と、思っていたときもありました。
実際に Aluminum とも書くわけなね。
Aluminum なら、たしかにアルミナムだ。
ではやはり、Aluminium→アルミニウム、Aluminum→アルミナムで、
Aluminium→アルミナムはないのでは?
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:1)
私もつづりの話だったと記憶しております。
(本来の接尾辞は -ium ではなくて -um なんだから、almina が元であれば alminium ではなく alminum だ、と言う主張)
Re: (スコア:0)
ジャポニカ米「……」
♪ヤポ~ニカ~www
♪ヤッポニッカがっくしゅうちょ~wwwww
ジャポニカ学習帳「……(涙目)」
Re:Japonicus の読みは「ジャポニクス」ではなくて「ヤポニクス」だと思う… (スコア:2)
ジャポニカ米「……」
当然「ヤポニカ米」が本来なら正しい表記でしょうね。(ネットでも「ヤポニカ米なのか、ジャポニカ米なのか、どっちが正しいのか?」といった質問:が見受けられますね。)要するに英語からの借用語ならば「ジャポニカ米」で、学名なら 𝑂𝑟𝑦𝑧𝑎 𝑠𝑎𝑡𝑖𝑣𝑎 subspecies 𝑗𝑎𝑝𝑜𝑛𝑖𝑐𝑎 [ɔˈryː.za saˈtiː.wa sʊpˈspɛ.ki.eːs jaˈpɔ.nɪ.ka](オリーザ・サティーワ・スプスペキエース・ヤポニカ)ですので「(オリーザ属サティーワ種=アジアイネ属サティバ種)ヤポニカ亜種」ですから「ヤポニカ米」が正しいということになります。理屈の上ではそうなのですが、日本は「何でも米語読みのほうが正しい」とする文化なので、なかなか難しい問題です。
小学館から出ていた百科事典の名前が『ジャポニカ』。知識の宝庫の百科事典のタイトルの読みが間違っているなんて、シャレにもなりません…。
最近では学者でも …cus(…クス)を「…カス」とか読むようになっていて…。…nium(…ニウム)を「…ニアム」と読む「学者」も増えてきていますね。
英語読みだと自覚しているのなら構わないのですが、解説で「ラテン語では…」のように書かれたり、学界の論文やテレビのニュースなどで「ラテン語の学名」と称して英語読みのカタカナが表示されるのは何ともはや…。