「だいち」が比の地滑り被災地を観測、国際機関へ提供 16
ストーリー by mhatta
虚空の眼 部門より
虚空の眼 部門より
あるAnonymous Coward曰く、"先月24日に打ち上げが成功した陸域観測技術衛星「だいち」(/.J記事地球観測衛星「だいち」打ち上げ成功)は、2月15日のPRISM以降、各測器の初期機能確認試験を順次行っているが、MYCOM PCWEBの記事によると、比レイテ島で2月17日に発生した地滑り(読売新聞の第一報)の様子を「だいち」搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が捉え、国際災害チャータ(JAXAによる解説)に提供していたそうだ(JAXAのプレスリリース)。今回の観測データはフランスの地球観測衛星SPOTが2003年に観測したデータと比較され、災害状況が解析された。
また、河北新報の記事によると、「だいち」搭載フェーズドアレイ方式Lバンド
合成開口レーダ(PALSAR)が24日に観測した画像と地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)が1996年2月2日に同地点を観測したデータを比較して地すべり後の地形の変化を解析し、国際災害チャータとアジア防災センターに提供したとのこと(JAXAのプレスリリース)。
AVNIR-2は可視近赤外域の光学センサーで、雲下の陸面を観測することは出来ないが±44°の範囲で観測領域を変更するポインティング機能をもっており、必要に応じて地球上のほぼ全ての地点を2日以内に観測できる特性をもっている(JAXAによるAVNIRスキャニング想像図[ramファイル])。また、
PALSARはマイクロ波センサーで天候や昼夜の影響を受けず、地表を観測することができる(JAXAによるPALSARスキャニング想像図[ramファイル])。"
早速役に立って良かった (スコア:5, 参考になる)
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)の取得画像 [www.jaxa.jp]
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)の取得画像 [www.jaxa.jp]
高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)の取得画像 [www.jaxa.jp]
旧NASDAの衛星にしてはサービス精神旺盛だと思ってましたが、
今回実際に役に立つところも見せてくれて、ますます株が上がります。
「大規模災害への対応」を目的のひとつに掲げながら、
今まで一度も役に立った憶えのない某衛星とは大違いですな。
Re:早速役に立って良かった (スコア:1)
一昨年あたりは長年培ってきた信頼が危うく水泡に帰する所だったけど、6号・7号と「だいち」の投入で、やっと息を吹き返してきた気がします。
ちなみにその「だいち」の太陽電池パネルは、「みどり2」の事故 [mext.go.jp]を受けて対策が施されてるとか(伝聞ですが)。
次はGOSAT [www.jaxa.jp](温室効果ガス観測技術衛星)ですかね。ちゃんと進んでるのかな?
Eye in the sky (スコア:1, 参考になる)
ディックにしてはわかりやすい作品だったか。
こんな話題にしか食いつけないのでAC
真面目な話に戻しますが(Re:これはかなりまずい事になる) (スコア:3, 興味深い)
複数枚撮影して画像処理することで少し前の偵察衛星クラスの映像と同等かそれを上回る情報が入手できるという所は、一発間違うと国際問題になりかねない所ではあるでしょうね。
今回の場合は東南アジア諸国が加盟している組織に画像を提供するという事で信頼を担保している訳ですが、
有事が発生して、「情報収集衛星」では足りなくなって、自衛隊なり米軍なりが「だいち」やそれに準ずる衛星のコントロール権を接収したらややこしい事になりかねないリスクは確かにありますね。
外交面で東南アジア諸国から見られている日本像と言うのは「アメリカの利益代理人」として一歩引いてみられている部分が(特にアジア経済圏の主導権争いを中国と日本が争っている現状では)現実に大きく存在しますから、「取り扱い要注意」な衛星である事は確かでしょうね
…逆にJAXAが可能な限りアジア諸国に写真を公開し、撮影リクエストに答えることでそういう「一歩引かれた見方」から日本がアジア諸国に信頼されるきっかけを作ることになる可能性も高い訳で、これは日本の宇宙開発が信頼されるようになる一つの試金石になる衛星かも知れませんよ。
# まぁ、宇宙開発と弾道ミサイル技術は技術的に近い物がありますから、
# 疑念が呈されるのは当り前で(特に与党が「宇宙の平和利用」の制約を取るとか言い出してる現状では)、
# それを払拭するには宇宙開発側の地道な情報提供や公開を続けていくしかないでしょうね。
Re:真面目な話に戻しますが(Re:これはかなりまずい事になる) (スコア:0)
どの衛星のことを言っているのか分かりませんが、だいちではこれほど高性能のセンサは搭載していません。
可視光と近赤外光センサは10mだし、合成開講レーダの観測条件によって解像度は大きく異なります。
商用衛星では1m分解能クラスがいくつかあるので、強いて軍事目的につながるとは言えないと思うのですが。
Re:これはかなりまずい事になる (スコア:2, すばらしい洞察)
開発費をいくら増やしたって、日本の宇宙関係技術者の数が少ないと言う最大の問題は、すぐには解決できません。
Re:これはかなりまずい事になる (スコア:1, 興味深い)
Re:これはかなりまずい事になる (スコア:1, おもしろおかしい)
そういうのはソロモン諸島 [google.co.jp]に作ってくれなきゃイヤです…
実は構想らしきモノはあったし、土台となるモノもあった。 (スコア:1, 参考になる)
あり、日本版スペースシャトルの実験を行った滑走路があります。
開発凍結(事実上の打ち切り)で滑走路は地元政府に
返還されたようですが、もっと宇宙開発に積極的で有人宇宙
開発にも力を入れる体制なら、おそらく種子島宇宙センターの
跡を継ぐ、日本の宇宙基地となっていた可能性は高いです。
南洋諸島の対日感情も非常にいいというのも下地にあります。
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/dem/efs/sat/kiritimati.html
Re:これはかなりまずい事になる (スコア:0)
たぶん(異論はあるにしても)それが東南アジアの答えだろう、きっと。
Re:これはかなりまずい事になる (スコア:1, 興味深い)
タイは行ったけど、日本人に好感的でびっくりしたよ。街歩いててもそうオモタ。寿司いっぱい売ってるし(ん?)。
そんで観光地で店に入ったら、「むかし皇太子様が訪問された時の写真」が壁の上の方にどどーんと…
誰だか分からなかった不敬者なのでAC。