「はやぶさ」が小惑星の「日焼け」を発見 4
少し古くなったので申し訳ないがローカル掲載 部門より
johan曰く、"AstroArts のニュースによれば、小惑星探査機はやぶさによって小惑星イトカワの表面で「日焼け」現象がおきていることが発見されたそうだ(宇宙科学研究本部 宇宙ニュースとNature掲載論文)。これによって隕石と、その母天体とされる小惑星とが異なる光学的性質を示すという謎が解決するかもしれない。
この「日焼け」、科学的には「宇宙風化作用」と呼ばれる現象で、天体表面が太陽風や微小隕石の衝突によって蒸発・再固化し、その過程で性質を変えることを言う。宇宙風化作用が起きると、天体表面の反射率が下がったり、色が赤っぽく変化すると指摘されている。月や大型の小惑星表面では確認されていた現象だが、イトカワのような小型の小惑星(直径500m程度)では初めて見つかった。
最もありふれた種類の隕石「普通コンドライト」と地球軌道近傍に多く存在するS型小惑星とは同じ起源を持つとされながらも、光学的な性質が異なっていることが長年の謎だった。S型小惑星の方が普通コンドライトよりも赤いスペクトルを持つのである。
今回のはやぶさによる探査では、イトカワ表面の明るい部分(最近岩がずれるなどしてむき出しになった若い表面と考えられる)が、その他の部分に比べて青く、普通コンドライトに近い性質を持つことがわかった。この結果は、イトカワをはじめとするS型小惑星がやはり普通コンドライト隕石の母天体であって、スペクトルの違いは日焼けのせい、ということを示唆する。
遠くから送られたデータだけでここまで分かったわけで、はやぶさの帰還・サンプル回収ができれば、さらに多くの成果が得られることだろう。楽観はできないが、期待したい(はやぶさに関する前ストーリー)。"
ファースト・オーサーの廣井孝弘氏が過去に書いた隕石と小惑星の謎や、その文章の中で言及されている佐々木晶氏の研究紹介も参考に。
もっと探査成果が出てきそうですね (スコア:4, 参考になる)
成果ですね。
度肝を抜い高分解能の画像データの他、カメラ以外の観測機器
が送った、地上で分析しなければわからない数値のデータも
あるでしょう。
惑星探査機のデータがきちんとまとまるのは大抵ミッション
終了から数年後なので、「はやぶさ」が見つけた宝の全貌が
明らかになるのはこれからでしょう。
表紙を飾る (スコア:3, 興味深い)
国内の研究者も良い刺激を受けて、官僚やら政治家の皆さんもこの成果の大きさを理解して、市井の人たちももっとこの果実に興味を持っていただきたいものです。
おふとぴ(Re:表紙を飾る) (スコア:0)
ぼーっと読んでいて、イトカワ星人の踊っている姿が頭に浮かんだ私は多分疲れてます。今日は帰ろう。 …オフトピついでに、/.erの皆さんはイトカワ星人は一体どんな姿形をしていると思っていますか?
#「5. Oliverに瓜二つ」に1票なのでAC
Re:おふとぴ(Re:表紙を飾る) (スコア:1)
名前のせいでしょう
ガングロ小惑星 (スコア:3, おもしろおかしい)