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15408 story

最終氷河期退氷期の深海からの大量の二酸化炭素放出の証拠を発見 13

ストーリー by yosuke
貯蔵庫からの放出 部門より

jonykatz 曰く

Science Daily掲載のプレスリリースによると、コロラド大学ボルダー校のThomas Marchittoらは、 最終氷河期の退氷期に6000億tもの大量の二酸化炭素が深海から大気中に放出された証拠を発見した。論文はScienceのオンライン版に掲載されている。
大気中の二酸化炭素濃度と放射性炭素のデータから、最終氷河期の退氷期に海洋から大気中へ炭素が大量に移動していることがわかっていたが、これがどこから来たものかは推測されていただけだった。
研究者らは、バハ・カリフォルニア沖合のおよそ2,300フィート(700m)の海底から採取し、堆積物中の底生有孔虫の放射性炭素年代を測定した。これにより、過去38,000年の海洋中層の放射性炭素量が再構成された。これを大気中の放射性炭素量と比較するとほとんどの期間で平行なグラフが得られたが、最終氷河期の退氷期では、海洋中層の放射性炭素量のみが大幅に減少していた。これは、深層で大気と隔離されていた非常に古い炭素を含む水が、大量に上昇してきたことを示しているとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2007年05月11日 14時43分 (#1155747)
    >海洋から大気中へ炭素14(放射性炭素)が大量に移動していることが分かっていたようだが

    >当時炭素14が大量に放出された証拠をつきとめたようだ。

    ぜんぜん違う。

    14Cは「大気上端で宇宙線の影響で」形成されるものです。
    #海で14Cが大量にできるとしたら、海中で多数の核実験でもしたときかしら。

    14Cはその半減期を利用して12Cとの同位体比で生物の外殻形成の時期を見積もる
    (“clock”として用いる、と原文にあるもの)のに利用されています。これはきわめて一般的な手法。

    #それ以外の、研究成果は非常に興味深い。
    • >14Cはその半減期を利用して12Cとの同位体比で生物の外殻形成の時期を見積もる

      今回の話は、同位対比を逆に使ってますね。
      形成された時期がわかっている化石の放射性炭素の同位対比を調べて、理論上の値と比べます。
      その結果、最終氷河期の退氷期の海洋中層では、他と比べて放射性炭素が少ないと判る。
      放射性同位体が少ないのは、化石が古いからではなく、その生物が放射性炭素の少ない環境で外殻形成を行ったから。
      なぜ、他と比べてその環境だけ放射性炭素が少ないのかという理由が、「深層で大気と隔離されていた非常に古い炭素を含む水が、大量に上昇してきた」という訳ですね。
      親コメント
    • >#海で14Cが大量にできるとしたら、
      記事にもリンク先にも、"intermediate water radiocarbon" や "redistribution of carbon" とはあっても、どこにも「海で14Cが生成された」とは書かれていない(プレスリリースはリンクが切れてて読んでないが)。

      成層圏で14Nが宇宙線の影響で14Cになって、それが炭素固定で生物などに取り込まれたり海洋に溶けたりする。それが一定の割合であると仮定されていて、だから

      これを大気中の放射性炭素量と比較するとほとんどの期間で平行なグラフが得られた

      わけだ。ところが、

      最終氷河期の退氷期では、海洋中層の放射性炭素量のみが大幅に減少していた

      から、それは何でだろうね、ということで

      深層で大気と隔離されていた非常に古い炭素を含む水が、大量に上昇してきたことを示しているとのこと。

      という仮説をたてて検証しているという話。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年05月15日 14時12分 (#1157347)
        そう、だから元のタレコミ [srad.jp]の

        >当時炭素14が大量に放出された証拠をつきとめたようだ。

        が変、というのが元ACのコメント [srad.jp]。
        「深層で大気と隔離されていた非常に古い炭素」というのはC14(放射性炭素)の比が「少ない」はずなのに、
        元タレコミでは「海洋から大気中へ炭素14(放射性炭素)が大量に移動」って書いている。
        それじゃ、その「大量のC14って海中でできたのかい?」ってこと。
        親コメント
        • えっと、当時は分かりませんが、現代でいうと、大気中には炭素が7200億トンあって、年間930億トンの炭素が大気から海洋に吸収されて、年間900億トンが放散されています。つまり年間30億トン海洋に入っている訳です。大気にある14Cがいったん海洋にはいってある時点で数十年分放出されてもなんら不思議ではないんですが。どこに「海中で14Cができたと思われたのでしょう?」
    • 話しが全然見えないのですが、元々のタレコミでは「炭素14」と記載されていて、今はそれが修正されてるのでしょうか?
  • by the.ACount (31144) on 2007年05月15日 13時41分 (#1157326)
    今現在も氷河後退期なんだから、いずれ起こることなんだよね。
    (あなたのはえぎわも・・・違)
    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2007年05月12日 16時23分 (#1156356)
    現代の地球から大量の二酸化炭素放出の証拠を発見

    このペースで進行すればわずか25年で、原著論文の放出量6000億tに匹敵する。
    • これは地球温暖化の影響により大気中の二酸化炭素が増加していることを如実表すデータである。
  • by Anonymous Coward on 2007年05月13日 16時29分 (#1156678)
    海洋深層水って、むやみに使っちゃいけないんじゃない?
    • by Anonymous Coward on 2007年05月13日 18時53分 (#1156717)
      えーと。

      富山とか日本海側で取水している「しんそうすい」は気にしなくていいです。
      日本海の「深層水」って数年~10年程度で更新されるので。
      #樹齢10年の樹を切り倒したら温暖化を促進するか?!と不安がるようなもの。

      高知とかその辺で取水している「しんそうすい」は注意が必要です。
      一般的に売られている「しんそうすい」(有光層より下の数百~1000m深)の水は
      「前の年の冬」に冷却されて沈み込んだ水なので気にしなくていいです。
      #「腐葉土を肥料に使うと温暖化を促進するかも?!」というお馬鹿な疑問に相当するw

      3000mくらいから深いところだと「数千年前に沈みこんだ水」の可能性が高くなります。
      親コメント
    • >海洋深層水って、むやみに使っちゃいけないんじゃない?

      知床らうす深層水とか佐渡海洋深層水とか駿河湾深層水とか言うと、それはうちの登録商標だ!って怒られる…らしい。
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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