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ゲーム

AlphaGoに敗れたプロ棋士「AIには勝てない」として引退 56

ストーリー by hylom
ルールに従ったら勝てない 部門より

韓国のトップ囲碁棋士、李・世ドル氏(36歳)が引退を表明した。引退理由はAIに勝てないからだという(PC WatchITmediaギズモード・ジャパンAFP)。

李氏は2016年にGoogle傘下のDeepMindが開発した囲碁ソフトウェア「AlphaGo」と対局したが、このときはAlphaGOが4勝1敗で勝利していた(過去記事)。

しかし、李氏はAIの登場により「必死に努力してナンバー1になっても、自分はトップではない」として引退を決意したという。また、AlphaGoに勝利した対局でも、その勝因は「AlphaGoのバグ」だと考えているそうだ。

また、韓国棋院(KBA)との対立も引退に影響しているとのこと。なお、李氏は引退試合として韓国NHNの囲碁ソフトウェアとの対局を行うという。

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  • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 18時15分 (#3723920)

    李世ドル氏は
    https://www.goratings.org/ja/history/ [goratings.org]
    のレーティングでも2001年から2013年までずっとトップ3で、2007年から2011年の5年間はナンバーワンになってる。アルファ碁と対局した2016年でもレーティングは4位、最強棋士の一角だった。

    現在は54位、プロの上位であることは間違いないが、加齢で棋力が衰えてるのも確かな話。

    • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 19時04分 (#3723947)

      AlphaGoの技術を使ったツールが公開されてるんじゃなかったっけ。
      https://it.srad.jp/story/19/02/26/0511237/ [it.srad.jp]

      それを使って新たな手を学習した人たちが、従来では悪手とされる手を次々に
      打つようになれば、一番わりを食うのは従来の名人だ。それも豊富な知識と
      経験に基づくタイプの。

      仮に同じツールを使って同じように学習して同じ技術を身につけても、今までは
      勝率100%で勝てた相手にも、五分五分の戦いに持ち込まれるかも知れない。

      いずれはそうなる日がくるのは仕方ないにせよ、AlphaGoが登場したときに
      チャンピオンだった人は、自分の運の悪さを嘆くかも知れない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        今まで悪手とされたのはその手がその後どういう展開になるか読みきれない、少なくとも打った時点では打った方が不利になるという評価しか人間にはできなかったからだよね。
        ということは先読み能力が今より遥かに高い棋士が現れない限り、現在のAIが打ってくる悪手が人間同士の対局で使われることは今後もないんじゃないの?

        • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 23時44分 (#3724090)

          読み切れないというより、ぱっと見悪そうだから初めから選択肢から外すって感じみたいよ、
          プロ棋士の書いたものなんかを読む限りでは。だから、実際には悪くない可能性があると
          わかって研究を始め、従来悪手だった手も最近では打たれるようになってきた。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          チェスでは起こったことで、将棋では進行形で起こってることですね。囲碁も同じ道にかな。

          車に走る速度で勝とうとする人は居ないので、いつか割り切りが生まれるかも。

        • by Anonymous Coward

          おそらくプログラミングでいう「枝刈り」をしてたんでしょう。
          評価値が低すぎるから、この手は考えるだけ無駄だと最初から除外していた。
          そうしないと計算時間が爆発しちゃうから。

          でも、AlphaGoのツールを使えばそういう悪手の中にも、意外に評価値の高い手が
          含まれてることが分かってきた。そこを重点的に研究したら思ったよりもいいらしい。
          仮に良く分からないながらもそういう手を分析して真似できれば、達人相手に遙かに
          格下の人間でも互角の乱戦に持ち込めるだろう。

          ランキング100位の人にとっては良く分からないなりに乱戦に持ち込めば名人相手に
          善戦できるのに対し、名人は格下の相手と互角の戦いをしたらランクが下がるだけ
          ですよね。

          そら名人には辛いわ。なんか囲碁のルールがある日突然変わったようなものだもん。

          • by Anonymous Coward

            名人も勉強するのでは。

            • by Anonymous Coward

              そりゃするでしょうけど、今までの知識が全部パーになる。今までの定石に
              全くない手が主流になるというのは、そういうことだ。

              もともと経験の乏しい初心者は、今の知識を捨てて奇策や乱戦で戦ってもやはり
              変わらず初心者だけど、名人は豊富な知識と経験を捨てたら、もはや名人ではない。
              全くの0にリセットしちゃうのは、結果的に未熟な棋士に有利に働くことになる。

              これはまるで、ある日突然別のゲームになってしまった様な感じだろう。
              たとえばチェスというゲームのルールが将棋のものに変わった場合、チェスの初心者は
              チェスでも将棋でも同じく初心者だけど、チェスの名人は将棋だと初心者になる。
              もちろん初心者からやり直すこともできるけど、チェスのチャンピオンはそういうのを
              嬉しいとは思わないんじゃないかな。もはやそれは彼の知ってたゲームじゃない。

              だからイセドルは引退を選んだんじゃないか。

      • by Anonymous Coward

        こんな記事が.

        「「何もかも変わった」――AIで若手棋士が超進化、いま囲碁界で何が起きているのか」
        https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1912/17/news022.html [itmedia.co.jp]

        「特に序盤の打ち筋は、AIが登場したことで大きく変わった。
        これまで常識とされていた手も、実はあまり勝率が高くない――といったことが
        数値化されてしまったからだ。もちろん、AIの判断をどこまで信じるかという問題も
        あるが、実際、棋士たちが集まって議論する研究会の在り方も変化してきたという。」

    • Re: (スコア:0, フレームのもと)

      by Anonymous Coward

      つまりアレか。
      自分が衰えて引退するに当たり囲碁界全体にクソ擦り付けてった訳か。
      人の足引っ張るのが大好きなんだなぁ……

      純粋に勝負じゃ勝てんのはほぼ確定していて、
      その上で皆、今後の在り方を模索していると言うのに……

      即物的な勝敗しか見ないことと言い、
      業界の努力を足蹴にしていることと言い、
      実に人間性の低いチャンピオンだ。

      • by Anonymous Coward

        >韓国棋院(KBA)との対立も引退に影響しているとのこと。

        これが本当の理由っぽいね。

        • by Anonymous Coward

          あー、そりゃこういう発言もしちゃうわな。

          • by Anonymous Coward

            威張り散らす長老とか、上下関係とか、韓国では普通にありそう(日本テコンドー協会なんかも本質的にはこの問題では?)。

    • by Anonymous Coward

      日本の将棋界に慣れた人だと、36歳はまだ若いと思うかもしれないね。
      でも、韓国・中国の囲碁界だと10代後半から20台までが強く、30代後半はもう相当の年寄り。

  • by 90 (35300) on 2019年11月30日 14時34分 (#3724248) 日記

    暗号資産マイニングの抽選メカニズムが特定のハッシュ値を与えるシード値を求めることの困難を利用しているように、人間の脳が扱いづらいタスクを集めたのが囲碁とかチェスのようなゲームだったってことなんでしょうか。
    ちょうど、量子コンピュータが登場すると計算量的安全性が損なわれるような具合に。

    • by Anonymous Coward on 2019年11月30日 17時42分 (#3724303)

      人間の脳が扱いづらいタスクってのも何なんですかね。ルールが定義されてて、有限の状態をとるゲームでコンピュータより人間の方が扱いやすいタスクってあるのかと言われると無い気がするんですが。人間が得意、ってのは目的自体がそんなはっきりと定義できないものなんじゃないかと。どっちかと言えば人間が曖昧なゴールに対してどうプレイヤー同士で共通認識を持てているのか(少なくともゲームが成立する程度には)の方が問題としては意味がある気がします。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ディープラーニング等でコンピュータがそれなりの所まで迫ってきたが、人間が感覚的に何かを読み取る能力はコンピュータよりも高い。
        物体認識や音声認識もそうだし、ボードゲームの有利不利判断も先読みが同じ深さならプロのほうが高い。

        ボードゲームでは先読みが効くから、探索木の枝刈りに足る程度の精度があれば物量でなんとかなったが、十分枝狩り出来ず探索木が発散する状況や反復が効かない状況では依然、人間のほうが優位だと思われる。

        曖昧な目標を曖昧かつ低速なコミュニケーションで共有して共同作業する能力も、人間が感覚的に何かを読み取る能力があればこそ可能な技と言えそうな気がする。

    • by Anonymous Coward

      確か人間は本来知的な活動に向いていなくてチェスを含む論理ゲームは人間が実践できてるのは浅い分野で故にコンピュータでも模倣が容易。
      実際、人間の「得意分野」である「片足で立つ」「走る」「物体を認識する」と言ったことの方が誰でも当たり前にできるけど高度すぎて機械での模倣が困難って理論ありましたね。

      • by Anonymous Coward

        容易とも言えない。

        単純な先読み性能は昔からコンピュータの圧勝ではあったが、
        盤面から形勢の優劣を読み取るのが下手だったため、
        昔は「詰めに入れば圧倒的だがそれまでに優位を形成できるプロには劣る」とされていた。

        人間は逆に先読み性能はそこまで高くないが、形勢の優劣を読むのに長けていた。

        対戦相手の打筋を突っ込んでスパコン性能でゴリ押したディープブルー、
        少数の駒で形成判断する独特な評価関数を過去の棋譜から機械学習させたボナンザ、
        ディープラーニングと言う機械学習の革命児をぶっこんだAlpha Go。
        形勢判断の

  • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 18時32分 (#3723929)

    競技はルールがあって成立するもので、徒競走で自動車に勝てないみたいなことをあまり気にしなくてもいいのでは。
    例えば成人男性の1日の消費カロリー2000kcalを単純計算すると100W(のハズ、自信無い)なので使用電力制限するとか

    • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 20時45分 (#3724008)

      トップ棋士って、自分こそが最強と考えているわけで、そういう条件がーとか情けをかけられた時点で
      負けだと思ってるんじゃないかなぁ・・・。
      素人にお前じゃ無理無理って言われてるんだもの。

      親コメント
      • Re:ルール (スコア:3, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2019年11月29日 22時14分 (#3724041)

        AIと人間は違うから棋士を続ける人もいるだろうし、
        これを機に世界一を目指すのをやめる人もいても良いかと。

        移動手段に歩行と自動車があったとして、速く・遠くに移動したい人は自動車を使うし、
        短距離やマラソンの世界で最速を目指す人もいる。
        また自動車の運転で最速を目指す人もいれば、最速の自動車を作ろうとする人もいる。

        技術の一つの節目にあたって、李世ドルという人物が次にこうしたいと思った、というだけで、
        良いとか悪いとかでは無いように思う。

        洗濯機が普及して洗濯板を使う人はほとんどいなくなってしまったけど、
        囲碁はこれからも変わらず愛されていってほしいですね。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        激同。それって単に、AIは強過ぎるから飛車角落ちなルールにしましょう、って言ってるのと大差ないもの。
        趣味でやるならともかく、世界一を目指してた人に取ってはちょっとショックでしょう。
        スポーツみたいな物理的なものならまだしも、頭脳での敗北ですからね。

        しかし、今後この手の分野でAIのさらなる躍進は避けられないわけで、今後似たような話は頻発するのかもしれない。
        ゲームに限らず、AIの方が絵が上手いから描くの辞めるとかありそう。

        • by Anonymous Coward

          >スポーツみたいな物理的なものならまだしも、頭脳での敗北ですからね。

          これってどういうこと?
          脳だって物理的なものだし人間は容積に限りもあるし。

          • by Anonymous Coward

            だからって、今までの人類の歴史に、頭脳で技術に負けた経験は無かったでしょ(単純な計算やチェスぐらい)。
            ランナーが馬や車に負けるのは大昔からだけど、頭脳はそうじゃない。
            人間の脳には限りがあるから頭脳で負けても仕方ない、という認識は一般になって無いですよ。

            • by Anonymous Coward

              無かったでしょ(無かったとは言っていない)。

          • by Anonymous Coward

            それはその通りなんだけどやっぱり神秘性みたいなのは失くなっちゃったかなぁって思う。

    • by Anonymous Coward

      あらかじめデータセンターで1000kwの電力かけて学習・チューニングしたエンジン・パラメーターを使って、
      使用時に100wでできるみたいなやつはどういった計算?

      • by Anonymous Coward

        それまでに食べたパンの枚数を覚えてるかどうかで
        決めれば良いんじゃね〜の

        • by Anonymous Coward

          自分のために今までに99822人が死んだと覚えているエレガントな方は許可されるのですね

    • by Anonymous Coward

      逆に、CPU 8個でパラレル計算するので、人間も8人チームでどうぞ、とか言われたりして。

      • by Anonymous Coward

        並列化に当たって必要なインターリンク速度が致命的に遅いのでどうにも。
        電脳化して思考レベルで並列化できる未来は来るのだろうか。
        技術的に可能でも精神的には難しそうだしなぁ……
        # あれやこれな思考や記憶までダダ漏れとか相当な物好きしかやれねぇわ

      • by Anonymous Coward

        単純に棋士を寄せ集めても、無難な手が選択されやすくなって個人より弱くなる傾向があるとか。
        チームでの訓練(意思決定や役割分担)を積めばまた違うのかもしれないが…

    • by Anonymous Coward

      デブはハンデ付けるの?

      • by Anonymous Coward

        ハンダ付けるに見えた

  • by Anonymous Coward on 2019年11月29日 21時07分 (#3724015)

    人間がやってる事を楽しんでくれるファンがいる限り、プロとしてやっていける。エンタメだから。

    ビジネス分野にAIがやってきたら、人間は駆逐されるしかないよね。ビジネスだから。

    • by Anonymous Coward

      完全には駆逐されなくてもかなりの人が駆逐されるでしょう
      むかしの会社は、いわゆる「一般事務」「経理」の女子社員が大量にいたが、
      コンピュータ化が進むとこれらの人数は大幅に減った

      ふつうのホワイトカラーも、AI化が進むとこれまで100人でやってた仕事が20人で回せるみたいになる

      • by Anonymous Coward

        ビジネス分野にて駆逐され、エンタメでも駆逐された人間はどこに行けばいいのだろう。

        • by Anonymous Coward

          そこにいて誰かのファンやってりゃいいんだよ
          食い扶持はAIが稼いでくれるから

  • by Anonymous Coward on 2019年11月30日 11時40分 (#3724224)

    「ん~~ 世ドルか・・・やつをおそった悲劇は本当だ やつもあわれな男だった、しかしそんなもので希望を捨てるような男はしょせん二流よ」

    天才と言われる人って、戦うこと自体が無上の喜びで、勝つか負けるかなんて眼中にないのかと思ってたが、やっぱり負けるとヘコむものなんだな。

    • by Anonymous Coward

      「戦うこと」の中には勝利を目指すという要素が大きく含まれていると思います。

      負けても気にならないというのは、戦うとは言わないのではないかな。

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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