日本の産業界を襲う5月マイコン危機 3
東日本大震災:トヨタ「生産回復11~12月」 部品調達、綱渡り カンバン方式裏目(毎日新聞)、 生産どうなる ルネサス、前倒し再稼働(産経新聞@Yahoo News)、 ルネサス工場被災 車業界が全面支援(YOMIURI ONLINE)、 並びにCQ出版のくみこみがらみ#284(以下に抜粋)など各社の報道によると、震災に起因する半導体や電子部品の供給不安が現実のものとなってきました.
部品メーカの在庫が底をつき,ソニーやパナソニック,カシオ計算機など,国
内の家電メーカが新製品の発売延期を相次いで発表しています.
今後は,設計上の制約として,「部品の調達のしやすさ」という項目がクロ
ーズアップされそうです.そう言う意味で,より標準的な部品,あるいは汎用
的なプラットホームを使って設計する動きが加速するかもしれません.
例えば組み込みマイコンなら,「1社供給の国産マイコンより,マルチソー
スのARMマイコンを」と考え始めるユーザが出てくるのではないかと想像して
います.今や、マイコンは様々な機器に搭載されて制御を担っておりますが、日本において一番使われていると思われるマイコン、特に車載用マイコンの4割を生産するルネサスエレクトロニクスが東日本大震災による被災や電力不足での生産停滞、特に主要拠点である那珂工場の被災により、一台当たり数十個使用する自動車メーカーを中心に様々な企業の生産に深刻な影響を及ぼし、現在でも世界的に生産を減らしたり、新製品の発売を延期する状況に陥っているという。
日本のマイコンは個別の製品ごとの受注品や特定用途向けのASSP的な物も多い上に、ルネサスエレクトロニクスのマイコン自体独自アーキテクチャでありファームウェアの問題もあり、単純に他社の物に置き換えるわけにもいかず、自動車メーカー各社がルネサスエレクトロニクスに応援部隊を送り込んで生産の再開への努力を行っているが、このままでは5月にもマイコンの在庫が払底し、使用する製品の製造ができなくなる見通し。
さらに、一番厄介なのがフラッシュ内蔵系のマイコンと思われますが、プロセスをチューンしてマイコンのコアについてこれるフラッシュを作る方針(参考1:ノーウエイトだから実現できる圧倒的な高速動作(ルネサスエレクトロニクス)、参考2:ルネサス、次世代32bitCPUコア「RX」を採用したマイコン「RX610」(Impress PC Watch))のようで、他拠点への移転やファウンドリへの前工程の委託を発表するも、かなり難易度が高いと思われます。
しかし、マイコンを使っている方も、別のマイコンにするとなると、開発機材や関連ソフト、OS、ミドルウェア、ライブラリ、ノウハウ...かなりの部分が再投資になりますが、これは逆に供給不足が長期化などで他のマイコンに移ると決められると、もう二度と帰って来ないことを意味します。これをきっかけにユーザーのARM系(Cortex含む)などの海外マイコンへのシフトが進みかねず、国産マイコンメーカー、特にルネサスエレクトロニクスはまさに正念場です。
みんなARM使ってみたらいいんじゃない? (スコア:2)
セカンドソースのある汎用品が見直されるといいですね。
Re:みんなARM使ってみたらいいんじゃない? (スコア:1)
あと日本の製品の場合、やはり系列の縛りと汎用品よりも特殊なものを使って差別化という考えがある影響は否定できません。
設計と生産は必ずしも合致しないと思うんだが… (スコア:1)
生産専用工場とかは海外にもあるので、客が逃げ出さない程度に生産するのは不可能ではないと思うのだが…
# 設計は日本でないとな~
fjの教祖様