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Birdheadさんのトモダチの日記。 みんなの日記の更新状況はTwitterの@sradjp_journalsでもチェックできます。

14024191 journal
日記

witchの日記: 「神無月」 生きてます 3

日記 by witch

台風19号、今回は被災から逃れられないかも……
……と、一晩中、多摩川の水位情報のページと、Twitterをずっと見ながら過ごしていましたが、うちのあたりは、漏水も浸水もなく、停電もなく、飛んできたものが窓や車に当たることもなく、無事に過ごせました。
もう少し降水量が多かったら、危なかった。

14019796 journal
日記

phasonの日記: デジタルマイクロミラーデバイスを用いた三次元微小構造の高スループット製造 1

日記 by phason

"Scalable submicrometer additive manufacturing"
S. K. Saha et al., Science, 366, 105-109 (2019).

光硬化樹脂に光を集光してあてると,ピンポイントに硬化させることが可能になる.さらに2光子吸収過程によってのみ硬化するようなセッティング,つまり単一の光子ではエネルギーが足りないが,2つの光子を同時に吸収するとそのエネルギーで硬化するような波長の光を用いると,通常の光励起による硬化よりもさらに細かい領域でのみ硬化が起こり(*),一段と小さな造形を行うことができる.

*1光子励起の確率はラフに言って光強度に比例するが,2光子吸収は光強度の二乗に比例するので,それだけピークがシャープになる.そのため十分に光強度の強いスポット中心部のみで反応が起こり,より微細な領域のみが硬化する.

さてこの2光子励起による硬化はサブミクロンレベル(大雑把に言って100~500 nm程度)の分解能で造形を行えるのだが,スループットに難があり,3Dプリンタ的に使ってサブマイクロメートルの微細構造を量産するという面からは難があった(いやまあ,3Dプリンタも早くはないが).
集光した光で3D構造を作るにはいくつか方法があるのだが,例えば集光点をスキャンする方式は微細な構造を自在に書けるものの速度が遅く,同じ構造を量産したり大きな構造を作成するには向いていない.専用のホログラフィーマスクを用いて3次元的な任意形状の集光面を作る手法は,あるきまった形を量産するには良いが,違う構造を作ろうとするたびに作成が面倒なマスクを作り直さなければならないという問題があり,3Dプリンタ的に毎度異なる形状を好きに作成するような用途には向いていない.
そんな「任意形状の微小3次元構造を,高スループットで作りたい」という目的を達するために今回の論文の著者らが用いたのがデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である.

DMDは身近なところではプロジェクター(いわゆるDLP式のプロジェクター)などに使われているデバイスで,テキサスインスツルメンツ(TI)によって開発されたMEMSの一種である.今回の実験で使われたものもTI製のLightcrafter 6500 DMDで,1920×1080枚のミラーが並べられたチップとなっており,各ミラーは中心間距離およそ7.56 μmで並んでいる.要するに波長に近いようなサイズのミラーが無数に並べられたチップで,電気的な引力により個々のミラーを個別に傾けることで光の反射方向を変えることができる.
著者らはこれを利用し,各ミラーを適切にOn/Offすることで光の干渉を発生させ,標的(=液滴中の光硬化樹脂)中に任意の干渉パターンを生成した.干渉で強め合う部分は光強度が高くなり硬化し,そうでない部分は光が弱く固まらない.その結果,任意の3D形状が作成できるというわけだ.しかもDMDを使っているので,ミラーの向きをデジタルに切り替えるだけで違う形状の3次元構造が作成できる.

ただ,実験の詳細を見ればわかるように話はそう簡単ではない.著者らは実験ではフェムト秒レーザーの短パルス(35 fsぐらい)を用いて3次元構造の作成を行っている.短パルスレーザーの波形は波長に近い程度の幅しか持たない短パルスであるが,この形状を波の重ね合わせで作るためには無数の異なる波長の波を重ね合わせねばならない.このためパルス長が短くなると自動的に光は多色化し,幅広い波長の光の足し合わせとして表現されることとなる.今回の実験で用いられているのは35 fs(空間的な長さにして10 μm程度)とある程度長いパルスではあるが,波長にして800±40 nm程度の幅を持つ.
このように波長に幅を持つ光がDMDに入射し干渉を起こすと何が起こるかというと,回折格子と同様に異なる波長ごとに微妙に違う向きに反射光(回折光)を生じる.つまり,波長ごとに異なる光路長を実現できる.この光路長のズレを経路の後段でうまいこと補償するような光学系を組むと,焦点位置でのみ各波長の光の光路長が等しく,そこからズレた位置では光路長が異なる,というようなものが実現できる.こうすると何が良いのかというと,超短パルス=時間当たりのエネルギー密度が非常に高く反応を起こしやすい状況は焦点位置のみで実現され,それ以外のズレた位置では波長が違う光ごとに少しズレた時間に到着するためエネルギー密度が低いという状況を作れるわけで,要するに焦点位置のみで光硬化反応が起き,そこからずれると急激に(時間軸方向での)エネルギー密度が下がることにより光硬化が起きなくなるわけだ.通常の集光による光硬化反応だと焦点位置から少しズレた位置でも光強度がそこそこ強くなってしまうため分解能が落ちる.それを「焦点位置からずれると,短パルスレーザーのエネルギーが(時間軸方向で)バラけて反応を起こさない」ことになり,非常に細かい造形が可能となるわけだ.

そんなわけで実際の造形である.
原理と,これまでのレーザーのスキャンによる造形(遅い)と今回の手法(早い)との比較のイメージ動画がSupplementary MaterialsのMovie 1に上がっているので,まずはそちらをご覧いただきたい.ラインで描画していく既存の手法に比べ,ワンショットの露光で広い面積に構造体を作成できることが見て取れる.ちなみに,実際の造形においてシングルショットにかかる時間は約20 msであり,一度に露光できる面積は165×165 μm,ワンショットで作成される構造体の厚みは1 μm以下程度~4 μm程度である(フォーカスにより可変).ナノワイヤーを作成した際の最小幅はおよそ130~140 nm,垂直方向で175 nmと,サブマイクロメートルの構造体をシングルショットで作成できる.フォーカス位置を変えながらの作成では,例えば2.20×2.20×0.25 mm3という目に見えるサイズ(内部はサブマイクロメートルの構造を持つ)の構造体の造形に8分20秒で成功している.
※ただし干渉を利用しているので,基本的にはメッシュ状の構造を重ねて立体を作る形になる.

実際に作成された構造の例はSupplementary MaterialsのPDF中のFig. S13~S16をご覧いただきたい.

この手法の優れている点は,既存の手法のトップレベルの微細な構造の作成を可能としたまま,作成速度を(同程度の分解能の既存手法に対し)4桁近く向上した点にある.つまり,ものすごく早く微細な構造が作成できる.逆に同等のスループットの手法と比べると,水平方向の分解能で1桁以上向上している.同等の速度の手法と比べると相当微細な構造が書けるようになるわけだ.

ナノ構造体をそこそこ大面積で量産できるので,ちょっとした実験用の光学的メタマテリアルだとか,ナノ構造による抗菌コーティングだとかには使えそうな気がする.この手の3次元造形手法は近年いろいろ面白いものが出てきて興味深い.

14014453 journal
日記

witchの日記: 「長月」 生きてます

日記 by witch

日記エントリがないまま9月が終わるとこだった……

NT金沢での展示も、MFT2019での展示も、ROBO-ONE autoも、イマイチな感じで凹んでいますが、まあ、なんとか、生きてます。

14014008 journal
ゲーム

cyber205の日記: プロゲーマーの団体とはいえ、労組みたいなもんじゃないのね

日記 by cyber205

JeSUという団体がうさんくさい

本当の名前は GeSU だったりして。
必死で他に嫌がらせしても建設的な方向には話が行かないだろうな。

14006174 journal
日記

uratanの日記: シングルレバー混合水栓 2

日記 by uratan

台所がシングルレバー式混合水栓に変わって二日目、旧来の回すタイプの
普通の蛇口から レバーを上下で水量・左右で混合比率式への変更なのだが、
……まだ慣れない。

なんか 鉛筆書きのように掌底を固定して手首から指先でコントロール
したいのに、毛筆書きのように肩・ひじでコントロールしろと
強制されてるような違和感と、一応アナログなんだけどオン・オフに近い
結果になってしまっているような不満足感が…。

レバーに惑わされてレバーの先端をつまんでるからイカンのかと、
レバーの回転中心をつかんで手首をひねる形で使うと
多少ましな感じだが…。

  - * - * -

もう一つ、泡沫式にもなって柔らかい白色の水が出て はねないのは
大変良いのだが、マグカップに目一杯まで水を注いだはずが アレ?

空気が混ぜてあるからエアが抜けると水嵩は減るのね…。

13993286 journal
日記

phasonの日記: ニッケル層状酸化物で見つかった超伝導

日記 by phason

"Superconductivity in an infinite-layer nickelate"
D. Li et al., Nature, 572, 624-627 (2019).

銅酸化物系高温超伝導体はその優れた物性から数多くの研究が行われているが,特異な高い転移温度の起源はいまだによくわかっていない.銅酸化物系高温超伝導体においては,銅原子とそれを取り巻く酸素原子からなる二次元平面が伝導性および超伝導を示すことが知られている.
この二次元平面内において銅原子は+2価=d電子が9個の状態となっており,各サイト=各銅原子につき1つのキャリアが(d軌道上に)存在する状態となっている.この銅イオンのd軌道はエネルギー的に近い酸素原子のp軌道と混ざり,2次元的な電子構造を作っている.
各サイトのキャリアは隣のサイトに移動できるのだが,移動すると「移動先にもとからあった電荷」+「移動してきた電荷」となるため銅原子上に二つの電荷が同時に存在する状態となってしまい,強いクーロン反発が働く.銅酸化物系超伝導体の母物質(ドープされていない状態)においてはこのクーロン反発の大きさが電子を移動させようとするサイト間での軌道の重なりよりも十分大きいため,電荷は隣に移動できず,各サイトに1つの電荷が固定された絶縁体(Mott絶縁体)が基底状態となる.この基底状態では,銅原子上に固定された電荷の持つスピンは隣接サイトで逆向きとなり,反強磁性状態が実現する.
このMott絶縁体の反強磁性状態にわずかに電子,もしくは正孔をドープすると,以下の1次元系モデルに示すようにキャリアが自由に移動できるようになる.

基底状態
---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---

電子が移動した状態
---(↑ )---(↓ )---( )---(↑【反発】↓)---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---

あらかじめ正孔がドープされた(=一部の電子を引っこ抜いてある)物質の基底状態
---(↑ )---(↓ )---(↑ )---( )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---

そこから電子が移動した状態(電子が移動しても反発が生じない)
---(↑ )---(↓ )---( )---( ↑ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---(↑ )---(↓ )---

このように少しキャリアをドープした系においても,反強磁性自体は維持されることがわかっている(ただし,少し揺らぎが生じる).「銅酸化物系高温超伝導体の超伝導はなぜ発生しているのか?」はいまだ謎に包まれているが,この「Mott絶縁体・反強磁性相に少し電荷がドープされた状態により,磁気的な揺らぎが生じる.これが電子間を結びつける何らかの引力を生み,それにより高い温度で超伝導が出ているのではないか?」というのが定説となっている(異論もある).
もう一つの高温超伝導体である鉄系超伝導においても,母物質は鉄のd軌道に由来する反強磁性相であり,「反強磁性相にキャリアをドープすると超伝導が出る」という点は同じである.このため,反強磁性相を崩しかけた時の揺らぎが超伝導の発現に重要だと考えられている.

さて,そんな中発表されたのが今回の論文である.今回の論文は,「Cu2+と同じ電子数であるNi+を使って,銅酸化物系高温超伝導体と同じ状酸化物層構造を含む物質を作ったら,超伝導が出た」というものになる.Niは通常+2価をとりやすく,時々+3価になる元素なのだが,著者らは強引に還元することにより+1価のニッケルというちょっと変わった酸化数のイオンを含む物質の薄膜を作り上げた.するとこの薄膜が超伝導を示したというものになるのだが,その意味するところはかなり大きい.
著者らはまず,LaNiO2の薄膜を作り研究を行った.作成法としては,基板上に成長させたLaNiO3の薄膜をCaH2(に含まれるH-)で還元し,LaNiO2の薄膜としている.この物質はある程度電気は流すものの温度依存としては低温で抵抗が増大する絶縁体であり,La3+の一部をSr2+で置換して(こうすると,Ni+の価数が増える)キャリアをドープしてやっても絶縁体であることには変わりがなく,超伝導も現れなかった..

そこで著者らはとりあえず金属性を上げてやろうと,Laの代わりにNdを使用してNdNiO2の薄膜を作成した.ランタノイド類は周期表の右の元素ほど微妙にサイズが小さいという特徴があるため(ランタノイド収縮),LaをNdに変えることで結晶格子が少し縮む.すると原子間が近づき軌道の重なりが増え,電子は隣のサイトに移動しやすくなり金属性が増す(バンド幅が増える).そうして作成したNdNiO2は目論見通り室温~70 Kあたりまでは温度の低下とともに抵抗が低下するという金属的挙動を示した.
※それ以下では温度の低下でやや抵抗が増大する.
続いて著者らはここにキャリアをドープするために20%ほどのNdをSrに置き換えたサンプルを作成し測定した.するとこのサンプルはおよそ15 Kあたりから抵抗が急減し始め(いわゆる超伝導体で言うところのonset),9 Kあたりで抵抗がゼロ(正確にはノイズレベル)にまで低下する超伝導が発現した.この超伝導は比較的安定して発現するため,いくつものサンプルを作成しても超伝導が現れるなど再現性が高く(ただし,転移温度は多少上下する),しかも磁場の印可や電流密度の上昇による超伝導の抑制も綺麗に見えているなど,超伝導の出現そのものに関しては疑いようがないと思われる.
※なお著者らは,基板の影響(格子定数の違う基板上に薄膜が成長していることによる,引き延ばし or 圧縮方向の力の効果)に関しては今後の検討が必要と述べている.

では,この研究はどんな意味があるのだろうか?
超伝導転移温度そのものは(onsetで)15 K程度と大したことはないのだが,Ni+の層状酸化物で超伝導が出た,という点がポイントになる.このイオンはかなり無理やり還元して作っているため,軌道のエネルギーが非常に高く,酸素の2p軌道とはほとんどカップルしていない.銅酸化物系高温超伝導体の二次元酸化物層と全く同じ構造ながら,電子的には酸素の軌道が関与しないため大きく異なってくる.
さらに,母物質が反強磁性ではない点も重要だ.鉄系も含め既存の高温超伝導体は2次元反強磁性相にちょっとドープすると超伝導,という特徴があった.ところが今回の系に関しては,母物質のNdNiO2の磁性は少なくとも1.7 Kという低温まで常磁性のままであり,反強磁性ではない.つまり,銅酸化物系などで考えられていた超伝導発現のメカニズムは今回の系に対しては全く適用できないということになる.
もちろん,今回の系が既存の高温超伝導体と何の関係もなく,単なるBCS超伝導的なものがたまたま銅酸化物とそっくりな構造の物質で出た,という可能性もある(この場合,特に面白いことは何もない).しかしながら,もし今回の系で観測された超伝導が銅酸化物系高温超伝導体と起源を同じくするものであった場合,反強磁性Mott絶縁相とそこにドープした際のスピンの揺らぎに注目したこれまでの研究が実は的外れであった,という可能性も出てくる.この辺りは今後の多くの研究を待たねばならないが,近年行き詰りつつある銅酸化物系高温超伝導体研究の新たな突破口になれば面白い.

13990354 journal
日記

phasonの日記: 超高速レーザー溶接によるセラミックの接合 2

日記 by phason

"Ultrafast laser welding od ceramics"
E. H. Penilla et al., Science, 365, 803-808 (2019).

何やらずいぶんと久しぶりになってしまいました.
最近は論文書いたりオープンキャンパスのごたごただったりが重なり,論文,読んではいるんですがこういう形にまとめる時間がなかなか取れませんでした.困ったものだ.

各種の金属材料を局所的な加熱により溶融し接合する溶接は,現代社会のさまざまな製造の現場において欠かすことのできない要素である.
現代社会を支える材料としては金属以外にもいろいろなものが利用されており,例えば各種高分子材料やセラミックはその代表格だろう.高分子材料に関しては比較的低い温度で溶融・成型できるし,またものによっては溶媒に溶かして柔らかくしたりもできるため加工性が高い.
一方,セラミックはその耐熱性,絶縁性(もちろん,電子材料となるセラミックもあるが),安定性などから多くの場所で利用されているが,一度作成した部品を後からくっつけることはその耐熱性が仇となりなかなか難しい.不可能ではないのだが,例えば部品を接合した状態で数百 ℃以上の高温で長時間保持する必要があるなどあまり容易ではないうえに,全体を高温処理してしまうために他の熱に弱い材料(例えば高分子材料であるとか,電子素子類であるとか)を組み込んだ状態では加工ができない.
セラミックにおいても金属と同様の溶接が可能となれば,その利便性は大きく向上することだろう.

(金属の)溶接の手法はいくつか存在するが,今回の論文と関係するのはレーザー溶接である.これはレーザーを金属部品の接合部に集光,局所的に加熱することによりその部分のみを溶融し接合するという手法であり,近年利用が大きく伸びている.このレーザー溶接をセラミックに応用することは可能だろうか?
一般的なレーザー溶接においては,レーザー光が集光された場所では局所的に数千 ℃の高温が発生しており,これにより金属の溶融&気化が引き起こされ溶接されている.この温度はセラミックを溶融するにも十分な温度であり,同様の手法でセラミック部品の溶接が可能になりそうなものである.
そのような観点から過去にいくつかの研究が行われてきたのだが,局所的に大きな熱勾配が発生することによりセラミックにクラック(ひび割れ)が入り部品が破損してしまう,という問題点が明らかとなった.
今回の論文で著者らが報告しているのは,レーザーを非常に短パルスのピコ秒・フェムト秒レーザーとするとこのクラックが抑制され,セラミック材料の溶接が可能になる,というものである.

過去の研究でなぜクラックが入ってしまったのかといえば,レーザーを照射したことで温度が上がり部品の場所ごとの温度差が生じてしまったことが原因である.これを回避できる手法として著者らが注目したのが,2016年に発表されたガラスのレーザー溶接だ.ガラスを普通にレーザー溶接しようとすると温度差によって割れてしまうのだが,超短パルスのピコ・フェムト秒レーザーで加熱すると,一発で吸収される熱の総量が小さくなるため,焦点部位のみ瞬間的に強熱され融解 → 熱はトータルでは少ないのですぐに拡散し冷却,となり,溶融した部分以外での温度勾配がほとんど生じず,レーザー溶接が可能となる.それを著者らはセラミックに適用したわけだ.
なお,こう言った短時間にエネルギーを集中させた強光子場の条件では,非線形的な吸収の寄与が大きくなることが知られている.通常の弱い光では,物体に吸収される光は当てた光の強さに比例する(線形).ところが強い光のもとでは非線形項(光の強さの2乗や3乗などに比例する項)が無視できない大きさとなってくるため,光の強さのn乗(例えばn = 2とか3とか)に比例するような吸収が生じてくる.これはつまり「光の強さが半分になると,吸収される光(熱)が1/4になる(n = 2の場合)」というようなことが起こってくるわけで,通常の線形の吸収の場合に比べ「光の強いところでのみ凄く大きな熱が生じ,そこから少しずれると急激に吸収される熱が少なくなる」という効果をもたらす.要するに,「極短パルスレーザーを使うと,通常以上に狭い領域のみを加熱できる」ということになり,ピンポイントの加熱・溶接に向いているわけだ.

著者らは今回,レーザー溶接をデモンストレーションするにあたり材料としてイットリア安定化ジルコニア(いわゆるキュービックジルコニアの仲間.透明な材料も作れる)およびアルミナを用いている.これらはいずれも融点が高く溶融させての接合がなかなか大変であるが,工学的な用途が非常に多いセラミック類である.
今回セラミックのレーザー溶接法としては,以下の2つの配置を試している.

一つ目は円筒型のセラミック(不透明)に対し円盤状のセラミック(透明な窓)をはめ込み,その接点をレーザーで加熱して融着する方法だ.この部材全体を回転台に乗せ,パルスレーザーを照射しながら回転させることで一周ぐるりと溶接する.
この場合,はめ込んでいる窓が透明であるため比較的自由な位置に焦点を持っていくことが可能で,深さ方向にも焦点を変えながら溶接を行うことができる.
著者らはデモンストレーションとして半導体のチップを中に入れた状態で蓋を溶接して見せ,「熱に弱い部材を中に入れたまま,セラミックを溶接して封入できるよ」ということをやって見せている.窓材は透明なものを用いているので,やろうと思えば中に光通信が可能な回路などを封入した,「セラミックにより外部環境から守られたまま,光(や電波)で外部と通信するアイテム」が作成可能になると考えられる.

二つ目に行ったのは,二つの円筒(不透明)の接合である.この場合は部材が不透明であるので,一般的な金属のレーザー溶接と同様に二つの部材をかなり短い距離(10 μmぐらい)だけ離して設置し,その隙間部分にレーザーを集光する,という方法で溶接している.集光部の周辺が熱で溶けて広がり,狭い隙間を埋めることで部材が溶接される.円筒を中心軸に沿って回転させながら溶接することで,一周ぐるりと溶接して繋げた一つのパイプへと加工している.

短パルスレーザー溶接により接合された部材は非常にきれいに接合しており,例えば真空チャンバーにつないで真空にひいてやると超高真空ぐらいまで引けているし,剪断応力を見てやると通常の加熱接合により金属につないだ場合と同程度の40 MPaという結構な強度を実現できている.なお強度に関しては,今回は最適化までしていないので,今後もっと上がる可能性もある,とは書かれている.
また,局所的な加熱であるため既存の電気炉を用いた融着(部材に応力をかけながら数百 ℃に加熱,長時間放置することで原子を拡散させ融合させる)に比べエネルギー効率が高いことも謳われている.著者の言うところでは,電気炉を使うと5 kWh程度の電力が必要なところが,25 Whでよい,ということになるわけだ(ただし,同じ電気炉で複数の部材を同時に処理すれば,電気炉側の効率はもっと上がるが).

そんなわけで,セラミックに適用できるレーザー溶接であった.論文ではほかにも,パルス幅や繰り返し周波数の影響などについても実験・考察が行われていたが割愛.
これがどの程度産業的にインパクトがあるのかはわからないが,素人目にはなかなか面白い展開がありそうな印象も受ける.

13974668 journal
日記

Emc2の日記: 3900X死蔵中 1

日記 by Emc2

7/7に買えたのだけどBIOS対応とか待ってる内に1ヶ月経過しそうな気配
気がついたら周辺パーツからケースまで手配完了で総額15万投じてまるまる1台増えるという体たらく

パーツはさっさと使わないとPCが生えるぞという例

13973042 journal
ロボット

witchの日記: (ROBO) MFT2019で「茉莉花」を展示します 3

日記 by witch

今週末のMakerFaireTokyo2019、落選通知をもらって「んー、去年に続いて今年もダメか……」と悲しみに暮れていたけど、「Google Developersブース」で展示できることになりました。(Googleスペース展示募集

展示内容は、Android Mobile Vision API の顔検知を使った「近くの人に顔を向ける」デモです。(NT金沢の時よりちょっとだけ改良)

Google Developersブース(スポンサーゾーン S-05-04)です。会場西3,4ホールの境目、「く」の字に曲がっているあたり。IIJさんとKORGさんとRolandさんと同じ島。
向かい側が「大人の科学」という場所。

ロボティクスゾーンの隣なので、寄っていって下さい。

ブース案内 > https://makezine.jp/event/makers-mft2019/google//
デモ動画(Twitter) > https://twitter.com/witch_kazumin/status/1156892214531768321?s=20/

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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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