cooperの日記: オニババ化する女たち
日記 by
cooper
読了。副題は「女性の身体性を取り戻す」。
思春期、月経、セックス、出産という経験がおろそかにされる現状を危惧し、女性のからだが持つエネルギーが適切に使われないのではないか? という疑問を投げかけ、自分の体を自分で愛し、しっかりと機能させることの大切さを説く。
男性にとっては月経も出産も経験しえないもので、具体的な感覚がわからない。ただ、毎月大変そうだなぁとか、痛くてかわいそうだなぁとか、そんな程度の認識しかない。周囲の女性でも、出産のほうは、まれに「良かった」という人がいるけど、月経はわずらわしいだけという意見しか聞かない。
この本では、そういったネガティブな視線を否定し、女性特有の経験を「本来必要で大切なもの」と肯定する。特に出産がもたらす深い経験については、男性でも羨しくなるくらい素晴らしいものとして描かれている。いいなぁ。
また、オニババや山姥などの昔話は、「妻や母」としての役目を果たせない独身の更年期女性が、世間の目を避けるように山に篭り、ときおり若い男を襲うことで性欲を発散していたことをベースにしているのではないか、という仮説も面白い。
日常的にセックスしなさいとか、もっと若いうちに出産しなさいとか、どことなく下世話な感もあるけれど、女性が読んだらとても元気づけられると思う。また、男性にとっても、パートナーのことをより良く理解するために有用。
やさしい気持ちになれた。
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