パスワードを忘れた? アカウント作成
10917719 journal
日記

jonykatzの日記: ES/iPS細胞の大規模生産を可能にする三次元培養法が開発 21

日記 by jonykatz

京都大学の中辻憲夫教授の研究グループが、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS)を三次元的に大量生産することが可能な手法を開発したと発表した (Technityの記事京大リリース)。

幹細胞の医療応用には大量の細胞を必要とするが、従来の接着培養法では大量生産には不向きであり、最近注目の浮遊培養法では細胞スフェアが底に沈んだり、互いに凝集して大きな塊を作ってしまう等の問題の他、撹拌により細胞が物理的にダメージを受けるという問題があった。今回、メチルセルロースを添加物することで細胞の沈殿を防止、ジェランガムというゲル状ポリマーを加える事で細胞スフェア同士の凝集も防止、それに加え、細胞解離においては酵素処理ではなくメッシュフィルターを用いた機械的処理による細胞株の継代法を確立し、それらによって安定した大量生産を可能としている。この方法で200mL容量のガス透過性培養バッグを用いた培養において、10の8乗個の細胞数を獲得できたという。

蛇足ではあるが、この手法はまずES細胞を用いてプロセスの確立がなされ、その後にiPS細胞でも確認されたとのことだが、当の中辻教授はES要らないiPS写真よこせ!というメディアの要求にお怒りのようだ。これもSTAPの余波であろうか。

285414 journal

jonykatzの日記: 日本の国立大学の研究活動が失速している? 108

日記 by jonykatz
科学技術政策研究所が、トムソン・ロイター社の文献情報データベースを基に、日本および世界の研究活動の状況を調査したレポートが公開されている。それによれば、日本が送り出す論文数やインパクトが高いTop10%論文数は増加しているものの、1990年代に比べ2000年代の伸び率はゆるやかになっており、伸び率が米英独仏に及ばないばかりか、中国やその他新興国の台頭により、日本の論文数及びTop10%論文数シェアは2000年代になり低下しているとのことである。

新興国の台頭でシェアが落ちるのは仕方がないとも言えるが、このレポートでは日本の国立大学の研究活動の失速が、Top10%論文数のシェアの低迷を招いているという結論を出している。実際に、1997-1999年において日本のTop10%論文数は4,058本/年であり、そのうち国立大学から出た論文は2,254本であったが、2005-2007年においては2,216本/年と減っており、それに対して国立大学からの総論文数は3%ほど増えていることから、質が落ちているという結論が導き出されたようだ。

ぱっと見たところ、企業からの論文が半減に近い状態となっていることのほうが影響が大きいのではないかとも思ったが、日本の半分以上の論文を創出する国立大学の研究活動が重要な意味を持つことには変わりはないだろう。

278914 journal

jonykatzの日記: リンの代わりにヒ素を利用する細菌が発見 112

日記 by jonykatz
NASAが予告していた宇宙生物学上の発見に関する会見だが、リンの代わりにヒ素を利用する細菌をカリフォルニア州のMono湖で発見したということだったようだ(NASAリリース)。炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄が生物を構成する要素として重要だと言われ続けてきたわけだが、今回発見の細菌は、リンの代わりにヒ素しかない環境でも細菌が成長し、リンがヒ素に置き換わって成長を続けていることが分かったとのことである。

Gizmodeに事前予想が出ていたが、ヒ素までは合ってるようだ。一般からの期待よりは地味な話に思えるが、生命というものが今まで考えられいるよりも多様であったと思うと、大きな発見だろう。

278109 journal

jonykatzの日記: NASAが宇宙生物学の発見に関する記者会見を開催

日記 by jonykatz
NASAのニュースリリースにて、「NASA to Hold News Conference on Astrobiology Discovery 」というものが出ています。えぇ、NASAがとうとう、宇宙生物発見の記者会見を12月2日 太平洋標準時間の午前11時から開催するということです....。

と、一瞬思いましたが、「NASA will hold a news conference at 11 a.m. PST on Thursday, Dec. 2, to discuss an astrobiology finding that will impact the search for evidence of extraterrestrial life. 」という記述から、NASAが地球外生命の存在の証拠の探査に影響を与える宇宙生物学上の発見に関しての議論を行う記者会見のようです。
276370 journal

jonykatzの日記: 2009年の世界の二酸化炭素排出量は前年から1.3%減少 10

日記 by jonykatz
国際的な炭素循環管理政策の策定に役立つ科学的理解を深めることを目的としているGlobal Carbon Projectによれば、2009年における世界の化石燃料由来の二酸化炭素排出削減量が予測値である2.8%減を下回り、前年比1.3%減に留まったとのことだ(国立環境研究所のプレスリリース)。2009年の世界の排出量は308億トンであり、人類史上最高の2008年よりはとりあえずは減ったということである。

減ったということが驚きに感じたが、2009年は世界的金融危機で経済的影響を被ったことが影響しているようだ。ただ、その経済的影響でのGDPの減少が 予測を下回ったことで予測値を下回ることとなったようである。また、経済活動における炭素集約度(GDP単位あたりの化石燃料由来の二酸化炭素排出量)の改善が予想より進まなかったことも理由としてあるらしい。

国別で見ると前年比で日本11.8%減、米国6.9%減、英国8.6%減、ドイツ7%減、ロシア8.4%減と排出量を減らしているのに対し、中国が8%増、インド6.2%増、韓国1.4%増などと排出量が伸びている。日米欧が排出量を減らす中、新興国が経済成長と共に排出量を増加させるという傾向が鮮明になってきているようだ。

276096 journal

jonykatzの日記: 北朝鮮の砲弾が韓国内の民家へ着弾

日記 by jonykatz
聯合ニュースに写真入りで掲載されているが、仁川・延坪島に北朝鮮が発射した砲弾50発が着弾し、韓国側も応戦したようだ。数発が民家に着弾しているとのことだが、写真からもそれは想像できる。位置的には仁川空港あたりからも黒煙は見えるかもしれない。

ちょっと衝撃だったので残しておく。

274009 journal

jonykatzの日記: はやぶさカプセルの微粒子、イトカワ由来と判明

日記 by jonykatz
日本経済新聞によれば、JAXAが小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルに、イトカワ由来の微粒子を多数確認したと発表したとのこと。 JAXAのプレスリリースによれば、採集されたほとんどが10ミクロン以下の1,500個程度の微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析した結果、岩石質と同定し、それらの鉱物の成分比率的な観点から検討したところ、 そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するにいたったとのことである。 これで、小惑星からの微粒子がクリーンな状態で地球に持ち帰られた初のケースということになる。

と、ここまで書いて、先越されたようだ。

273822 journal

jonykatzの日記: 産総研、バイオブタノールの高効率の精製技術を開発 17

日記 by jonykatz
産業技術総合研究所の研究チームが、エタノールと比較して発熱量が大きいことからポストバイオエタノールとして期待があるバイオブタノールの効率が高い精製技術を開発したらしい(産総研リリース)。高いアルコール選択透過性をもつシリカライト分離膜を合成し、膜分離法(浸透気化法)によって、1%の低濃度ブタノール水溶液から82%という高濃度ブタノールの回収を実現したそうだ。従来の分離法に比較すると、50-70%ほどエネルギー投入量が少なく済むそうである。

ブタノールはエタノールよりも発熱量が26%高く、ガソリンに近いため、既存のガソリン用のパイプラインやガソリンエンジンがそのまま使えるといった利点があるとのことで、これから期待かもしれない。

271040 journal

jonykatzの日記: 野心的な目標設定と人材の多様性が、価値ある研究成果を生む 30

日記 by jonykatz
科学技術政策研究所のリリース(pdf)によれば、一橋大学イノベーションと共同で行った大規模アンケートの結果、 研究プロジェクトに対して野心的な目標設定を行い、人材の多様性が高い研究チームを形成することが、価値ある研究を生み出す可能性を高めることが示されたようだ。

この調査は、2001-2006年の日本が関与している論文において、被引用 数が上位1%(トップ1%論文)とそれ以外の論文を抽出し、その著者に対して論文を生み出した研究プロジェクトについて尋ね、それぞれの抽出群を比較するという方式で行われたもの。

研究チームの人材の専門分野、専門スキル、生誕国、所属セクターを調べたところ、トップ1%論文を生み出した研究プロジェクトの方が、複数の項目に該当する人材の多様性が高い傾向にあり、またポストドクターなどの若い研究者の参加の比率が高いということが明らかになった。 さらに、科学の進歩の方向を見据えることと共に野心的な研究目標の設定ということが、トップ1%論文を生み出した研究プロジェクトにおいて高い割合で実施されていることが分かったそうだ。

人材の多様性と野心的な目標設定というのは、どのような組織でも必要なのかもしれない。

265073 journal

jonykatzの日記: シェールガスが変える資源のパワーバランス 47

日記 by jonykatz
住友商事が米ペンシルベニア州での権益を得るなど、日本の総合商社が競ってシェールガス開発に参入していることで名前だけは知っていたが、同日に相次いで掲載された日本経済新聞の資源の新手が風車を止める?、および毎日新聞の世界変えるシェールガス(その1)(その2)という大きな扱いの記事を見るに、シェールガスによって資源の世界で思っていたよりも大きなパワーバランスの変化が起こされているようである。

シェールガスは、堆積岩の頁岩層の中にある天然ガスで、従来はコストと採掘難易度の問題から手つかずになっていたのだが、頁岩層に高圧の水を注入する手法が米国で確立されることで、この数年の間に世界最大の天然ガス輸入国になると見られていた米国が逆に100年分の国内需要を賄えるガス資源を獲得してしまうという革命的な事象を引き起こしている。

毎日の記事の方では、ポーランドが突然有望なガス資源国になりつつあることや、天然ガスを戦略物資としてきたロシアの影響力低下などが話題にされているのだが、一方の日経では、シェールガスの登場で、時流にのって活況を呈していたはずの風力発電用の風車の需要が低下し、また、再評価されていたはずの原子力発電においても計画が撤回されるというケースが起きているとの話題が書かれている。

シェールガスの正体は、新たな採掘手法を確立しただけのことであるわけだが、それによって世界の天然ガス埋蔵量が突然5倍以上になり、世界を動かすというのも何とも面白い話ではある。ただ、それによって非化石燃料によるエネルギーへの投資が萎むというのは、シェールガスの恩恵を直接受けにくい日本にとっては複雑な話かもしれない。

typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

読み込み中...