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kahoの日記: 死者からのクローン

日記 by kaho

Zavos氏による死者からのクローンについて書かれていた.
Zavos氏はヒトクローン実験ではよく知られた(famousではなくnotorious)人物であるが,このニュースではそのことを改めて採り上げたのではなく,ある雑誌に論文を投稿しての顛末についてだった.
要約すると,ある雑誌に死者からDNAを取り出したことを示さずにウシの胚との融合細胞をつくってある程度まで卵割を進めたという論文を投稿し,採用されたのだが,その後(恐らく他の研究者のクレームを契機に)取り下げられたとのこと.これ以前にもヒトの細胞核と他の動物(ウサギ)の胚との融合細胞の実験はあるのだが,それは再生医療の目的のためでヒトのクローンをつくるためではなかった.

ここで問題となっているのは3人の死者の家族から研究の助成金をとっていることで,傍目からはどうみても事故や手術の失敗によって家族を失った遺族の悲しみにつけ込んだひどいやり方だ.
子供をもつ権利があるようにクローンの権利があると嘯いているが,やっていることは不妊治療ですらない.
国連でヒトクローンの包括的な禁止についての議論がされている中でこういった非倫理的な行動をする人間がいることはあらゆる意味で有害といえる.
私自身は再生医療の研究のためにヒトの胚の利用ができる余地を残さなければならないと思っているが,政治的にその立場が支持されるかどうかはまだ余談を許さない.今は製薬会社等がビジネスチャンスを感じているという,学術的な価値とはあまり関係ない方向からの支持のおかげで禁止がされていないのが実情だと思うが,今のようなモラトリアムがいつまで続くかは分からない.

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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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