そりゃまそうなんだけどね、それは「日本」でみるとだからよ。
犯罪捜査を行うのが「警察」で、国家の名の下に公訴するのが「検察」で、罪を決めるのが「裁判所」。
コメント(#2326794)したのは、「裁判所は、ヤッタと証明されてなかったら罪には問わないだろ」ってこと。
結構みんな勘違いしてることが多いけど、自白は直接証拠にあたるから、間接証拠より重いんだよ。
# 血の付いた包丁よりも、犯行目撃者の証言の方が重い。
# 犯罪を直接に証明しているか、間接的に証明しているかの違いね。
疑わしきはまず逮捕、揺さぶりかけて"秘密の暴露"を含む自白を引き出したら、有罪ってのは、流れとしては正しいのよ。
# 問題なのは、見込みで逮捕した場合に警察は間違って逮捕したことを滅多なことでは認めないこと。
# あとは、被疑者(=犯罪を犯したと警察に疑われている人)を
# 逮捕(=証拠隠滅の恐れがあるから身柄を拘束する)したことを、
# 「容疑者が逮捕されました!これで解決です!」とばかりに、有罪だってことにして報道するマスコミ。
で、今回の場合問題になるのは、「IPアドレスなどの間接証拠の積み上げで、2人は自白までして、1人は否定してたけど公訴中」だったけど全部間違いだったという前例があること。
だから、滅多なことでは裁判所は「そいつがやったという合理的な証拠の積み重ね」を認定しないだろうってこと。
フツーは「スーパーハカーが俺のPCを使ってやったんだ!」って言っても「そういう証拠もないし合理的な理由もない。そんなやつがいる証拠もないから無視」ってされるんだけど、今回の場合はそもそもが「遠隔操作ウイルス事件の犯人」を裁こうとしているから、そいつがいるって前提に立たなきゃ行けない。
だから、遠隔操作ウイルス事件ってのが無い状況で逮捕されたんだったら、いつものよーに、特に裏付け捜査とか丁寧にせずに自白引き出して有罪になってた可能性が高い。
でも、現状で報道されてる情報をみるに、おそらくこの状況だと、検察官が公訴するに足る証拠が集まってないと思う。
たぶん本来あるべき形での裁判前の捜査が行われるんじゃないかなあ。
1.ネコの首輪を、容疑者が購入したという証拠
2.雲取山の写真に写ってたUSBメモリを購入したという証拠
3.負けの時の写真に写ってた、ガムテープ、カッター、LANケーブルを持っていたという証拠
とかを、一個づつ丹念に進めてると思う。
ただ、全部持っていたという事が証明されたとしても、それでもって写真を撮れたことが証明できても、不正指令電磁的記録まで繋げるのは相当難しいんじゃないかなあ。
とか、そういうね、「今までの警察の捜査や、検察のやりかた」が通用しないんでないかな?ということ。
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さらに言うとね、(こういう想定はかなり不謹慎だけれども)例えば今回の容疑者が真犯人だったとするじゃない。
で、色んな理由で嫌疑不十分として起訴が見送られたとする。
するとさ、(報道されている内容を信じるなら)容疑者が過去に服役までした全く同じ構造の事件を、冤罪だと主張されたときに、これは非常に否定しづらい。だから再審請求までは行くだろうな、と思う。
もしも容疑者が真犯人だったとするならば、逮捕されるところまでは想定内で、そっから先は起訴されないか、起訴されても無罪になるだろうって見込みの元で賭に出てるんじゃないかな。
逆に言えば、真犯人が別にいて、容疑者は完全に巻き込まれてた場合は、犯罪史に名前が残っちゃうんじゃないかなあ。