計算上足りてるのと実際に足りるのは別の話です。
電気は需要と供給のバランスが崩れると電圧変動や停電が発生します。
震災前は原子力で需要の底分ぐらいを供給し(深夜余った分で揚水発電の水を上げ)、
火力発電と水力発電をうまく組み合わせて、高品質な電力が供給されていました。
今の日本の送電網だと小規模発電がいくら増えた所で、地産池消で終わります。
AC200Vに変換するのが電柱の上のドラム缶みたいなトランス(柱上トランス)の仕事で、そこから周辺の建物に給電されています。
今の送電網の仕組みではトランスは一方通行なので、それを超えてよその地域へ電気を供給する事は出来ません。
(実際には家屋の密度などによっても違いますが●●町●丁目単位ぐらいでブロック分けされてるイメージです。)
そこでスマートグリッドって話が出てくるのですが、そんなものがすぐに出来ますか?
制御システムの確立、柱上トランスの交換、変電所の改良、それを日本全国に波及させる作業・・・
光ファイバー網の整備と同じで田舎まで普及させるのは長い時間と多額の費用が必要になります。
スマートグリッドが出来るまでの間、地産池消するとして雨などで発電されない際にはそのブロック丸ごと発電しなくなりますよね?
すべての道具立てが確立するまでは、屋根上の太陽光発電はピークを削ってくれる存在程度にしかなりません。
メガソーラーはもっと上のトランスに接続されていますが、発電量が制御できず不安定な点は変わりません。
安定した停電しない電力を供給するには「発電量を制御できない電源」の発電量(底と頂点)の分を
火力など即応性が高く発電量が制御できるもので裏打ちする必要があるのです。
そこを理解したうえでもう一度考えてみてください。