yasuokaの日記: 「ポケモンGO」における紛争の管轄地 1
ネットサーフィンしていたところ、関田真也の『「ポケモンGO」利用規約に仕組まれた"ワナ" 用意周到に「責任回避」が準備されている!』(東洋経済ONLINE、2016年7月25日)という記事を見つけた。何でも、日本の「ポケモンGO」の利用規約には、Nianticに都合のいいことしか書いてないらしい。たとえば、以下の記述。
実際に紛争が起きた場合は、さらなるハードルがある。「抵触法を考慮することなく、カリフォルニア州法に準拠する」とし、日本の法律では争うことができないとされている。
バカバカしい。いくら、そういう「契約」があったとしても、日本の消費者契約法は、そんな甘い作りにはなっていない。しかも、消費者契約法ガラミでの紛争が起こったなら、民事訴訟法第三条の七に従って、粛々と日本の裁判所に訴えを起こすだけのことだ。
そして、そもそも訴訟になること自体を回避するため、「仲裁合意」という項目が設けられている。仲裁とは、紛争を第三者である仲裁人の判断に委ね、その判断に従うという合意に基づき紛争を解決する手続のことをいう。
もちろん、日本にも仲裁法が存在していて、その附則第三条第二項には「消費者は、消費者仲裁合意を解除することができる。」という強力な項目がある。訳の分からない「契約」に書かれた「仲裁合意」など、解除してしまえばいい。
Nianticがそこまでして責任を回避したいのは、気持ちとしてはわからなくもない。ただ、日本の法律を調べもせずに、平気で記事にする東洋経済ONLINEには、正直なところ虫酸が走る。いっそ「住居侵入罪の教唆」あたりでNianticを告発して、さて、どういう反応を示すのか、私(安岡孝一)個人としては見てみたい気がする。
管轄地と準拠法 (スコア:3)
準拠法の話については、今日の私(安岡孝一)の日記 [srad.jp]に、ちょっとだけ書きました。