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13535455 journal
教育

yasuokaの日記: 整数多項式が有限個の素数しか生成しない場合

日記 by yasuoka

今日の京都大学の入試問題のうち

n3-7n+9が素数となるような整数nをすべて求めよ

という問題が、私(安岡孝一)個人としては、なかなか良問だった。一般に整数多項式は、無限個の素数を生成してしまったりするのだが、それが有限個となるのはどのような場合なのか、という背景があったりする。ただ、文系の高校生でも解けるようになっているので、問題としては比較的やさしい。端的には、整数a,b,c,dを使って(n-a)(n-b)(n-c)+dに変形する際に、dをできるだけ小さい素数となるよう持ち込めば、かなり楽に解けてしまう。さて、どのくらいの受験生が解けたかしら。

13531281 journal
教育

yasuokaの日記: 早稲田大学法学部の考えるQWERTY配列の歴史

日記 by yasuoka

早稲田大学法学部の入試問題(2018年2月15日実施)国語(三)で、QWERTY配列に関するガセネタがバラ撒かれた、との御連絡をいただいた。見てみたところ、直江清隆『技術観のゆらぎと技術をめぐる倫理』(ポスト冷戦時代の科学/技術 (2017年2月), pp.39-66)を、改変して出題したようだ。

[ a ]、アメリカ式のキーボードの配列は左上からQWERTYと並んでいるが、よく知られているように、この配列は人の指の形状や動作などを考慮してより敏速にタイピングできるように工夫された結果なのではない。[ b ]その理由は歴史的にみられた機械的制約によるものである。一五〇年ほど前にレミントン社がタイプライターにこの配列を採用した際には、iやeのような使用頻度の高いバーが互いに絡み合わないようにするという仕様上の理由があった。

『キーボード配列 QWERTYの謎』(NTT出版, 2008年3月)でも明らかにしたが、現在のQWERTY配列を最初に採用したのは、1882年発売の「Remington Starndard Type-Writer No.2」である。136年ほど前の話なので、「一五〇年ほど前」は言い過ぎだ。というか1868年の時点だと、私(安岡孝一)の知る限り、QWERTY配列は影も形もない。それに加え、「Remington Standard Type-Writer No.2」のキー配列は、Wyckoff, Seamans & Benedict社が採用したものなので、ここで「レミントン社」はマズイと思う。また、『英語における文字頻度とタイプライターのキー配列』(英語教育, Vol.58, No.9 (2009年9月), pp.74-75)でも述べたが、英語においては「ie」や「ei」より、「th」や「er」の方が頻度が高い。「使用頻度の高いバーが互いに絡み合わないようにするという仕様上の理由」などというのは、全くのガセネタだ。

ただ、私が個人的に腹立たしいのは、このガセネタが、今後、早稲田大学法学部の入試問題集に収録されて、ずっとバラ撒かれ続けることだ。どうしてそこまでして、QWERTY配列に関するガセネタを、バラ撒き続けたいんだろう。

13526798 journal
日本

yasuokaの日記: 古典中国語と変体漢文の深い谷をUniversal Dependenciesで照らせるか

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の2月10日12日の日記の読者から、変体漢文もUniversal Dependenciesで書けるのか、という趣旨の御質問をいただいた。書けるとは思うのだが、変体漢文は、日本語の語順を一部変更して漢文風にしたもの(cf. Edith Aldridge: 変体漢文の語順の発生過程, 日本語の様々な姿を考える: 黄憲堂教授記念論文集(2016年12月), pp.21-40)らしいので、古典中国語とは異なる様相を呈すると思う。ためしに、変体漢文の例として「汝者我見欺」を考えてみよう。

1 汝 汝 PRON n,代名詞,人称,起格 _ 5 nsubj:pass _ SpaceAfter=No
2 者 者 PART p,助詞,提示,* _ 1 case _ SpaceAfter=No
3 我 我 PRON n,代名詞,人称,止格 _ 5 obl _ SpaceAfter=No
4 見 見 AUX v,助動詞,受動,* _ 5 aux _ SpaceAfter=No
5 欺 欺 VERB v,動詞,行為,交流 _ 0 root _ SpaceAfter=No

「見←aux─欺」については古典中国語の受動態っぽい構造だが、それ以外は全く違う。意味的には「汝←nsubj:pass─欺」のはずだが、「汝」に「者」がくっついていて、とりあえず「汝─case→者」とせざるを得ない。その一方で「我←obl─欺」については、「我」の前にあるべき「於」が無い。Universal Dependenciesを使えば、ある程度は古典中国語と同じように書けるものの、少なくとも「汝者我見欺」の例において、変体漢文は古典中国語とは異なる書写言語である。

だとすると、変体漢文には形容詞が存在するのだろうか。うーん、これは、ちょっと調べてみないとダメかな…。

13525065 journal
アメリカ合衆国

yasuokaの日記: 古典中国語Universal Dependenciesにおけるcopular clauseの問題

日記 by yasuoka

『古典中国語Universal Dependenciesへの挑戦』でも述べたが、Universal Dependenciesが節(clause)という概念を無批判に導入してしまっているのは、われわれ古典中国語(漢文)解析グループにとっては、かなりアタマがイタイ。objのリンク先が節の場合には代わりにccompを使わなければならないし、nsubjのリンク先が節の場合には代わりにcsubjを使わなければならないし、amodのリンク先が節の場合にはaclを使わなければならないし、advmodのリンク先が節の場合にはadvclを使わなければならないし、caseのリンク元が節の場合にはmarkを使わなければならない。何でそんなに、節かどうかにこだわるんだ。

特にヤヤコシイのが、copular clauseは節なのかどうか、という問題が絡んだ場合だ。古典中国語ではcopular clauseは、かなり頻繁に現れる。たとえば「使後為人臣無效丁公也」という文を考えてみよう。大きな構造としては使役文(兼語文)なので、「使─xcomp→效─advmod→無」のところでぶった切って、その前後を考えることになる。後半の方は、丁公を「丁←compound─公」とでもしておいて、「效─obj→公」で何とかなるだろう。問題は「後為人臣」だ。「人←compound─臣」とするのはいいとしても、「後為」は、まあlater becomeくらいの意味なので、Universal Dependenciesのルールだとcopulaであり、「為←cop─臣─nmod→後」とせざるを得ない。

この場合において、使から臣へのリンクは、objでいいのかccompにすべきなのか。Reed-Kellogg流の節概念であれば、copular clauseだろうと何だろうと節であり、ccompにするべきだろう。でも、Universal Dependenciesはcopulaを特別扱いしているのだし、「後為人臣」全体を名詞句だと考えることもできる。というか、使から為へリンクするのならccompも有り得る気がするが、使から臣へのリンクならobjの方が普通な気もする。

1 使 使 VERB v,動詞,行為,使役 _ 0 root _ SpaceAfter=No
2 後 後 NOUN n,名詞,時,* _ 5 nmod _ SpaceAfter=No
3 為 爲 VERB v,動詞,存在,存在 _ 5 cop _ SpaceAfter=No
4 人 人 NOUN n,名詞,人,人 _ 5 compound _ SpaceAfter=No
5 臣 臣 NOUN n,名詞,人,役割 _ 1 obj _ SpaceAfter=No
6 無 無 ADV v,副詞,否定,禁止 _ 7 advmod _ SpaceAfter=No
7 效 效 VERB v,動詞,行為,動作 _ 1 xcomp _ SpaceAfter=No
8 丁 丁 PROPN n,名詞,人,姓氏 _ 9 compound _ SpaceAfter=No
9 公 公 NOUN n,名詞,人,役割 _ 7 obj _ SpaceAfter=No
10 也 也 PART p,助詞,句末,* _ 1 discourse:sp _ SpaceAfter=No

こういう悩みを無くすためにも、いっそobjとccompを統合してしまった方がいい気がするのだ。でも、Universal Dependenciesとしては、そういうワケにも行かないんだろうなぁ。

13523819 journal
中国

yasuokaの日記: 古典中国語Universal DependenciesのUPOSTAGにおけるADJ・DET・X

日記 by yasuoka

昨日も話したのだが、Universal DependenciesのUPOSTAG(品詞タグ)17種類のうち、われわれの古典中国語解析グループでは、ADJ・DET・Xを使わない方向で作業を進めている。X(それ以外の品詞)を使わないのは、まあ、当然としても、ADJ(形容詞)やDET(限定詞)は古典中国語には無いのか。この点に関して、われわれが根拠としているものの一つが、Edwin George Pulleyblank『Outline of Classical Chinese Grammar』(UCB Press、1995年)の以下の記述である(p.24)。

2. Adjectives
Adjectives must be classed as verbs in Classical, as well as Modern Chinese, since they form predicates without a copula or final 也, are negated by 不, and take the aspect markers 矣 and wèi 未. Nevertheless, as their behaviour with 可 shows (see previous section), they differ from intransitive verbs in their syntax and have certain resemblances to nouns.
As the traditional English name implies, adjectrives are typically found, not as the predicates, but as modifiers of nouns. This is also true in Chinese ― gāo shān 高 山 ‘high mountain’ versus shān kāo 山 高 ‘the mountain is high.’ As a syntactical form, however, this can be regarded as simply a special case of the general rule that verbs and verb phrases can modify nouns (see Section VII.1b), e.g., liú shuǐ 流 水 ‘flowing water.’

端的に言えば、古典中国語において動詞と形容詞に語法上の区別は無いので、形容詞を動詞の一種とみなす、ということである。ただ、Pulleyblankは、現代中国語においても形容詞は無い、という立場を取っているようだが、これに関してはわれわれは態度を保留する。というか、現代中国語においては形容詞を動詞から分離した方が、都合がいい気がするのだ。

その一方、Pulleyblankは、古典中国語における限定詞には、何ら言及していない。名詞を修飾する代名詞の用法については、もちろん述べている(たとえばp.80「其人弗能應也」の「其」)が、あくまで代名詞の一用法であり限定詞だとみなしていない。その点を考えると、古典中国語に限定詞は無く、あくまで代名詞の用法の一種とみなした方がいいように思えるのだが、それで何か不都合があるかしら?

13515934 journal
政府

yasuokaの日記: 戸籍へのマイナンバー附番は「大丈夫」なのか

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の12月18日の日記の読者から、大豆生田崇志の記事『本当に大丈夫? 戸籍へのマイナンバー導入』(日経ITpro、2018年1月31日)が無事に公開された、との御連絡をいただいた。日経コンピュータNo.957(2018年2月1日号)の先出し記事らしい。

戸籍とマイナンバーのひも付けには住所地の住民基本台帳に記載されたマイナンバーと住所の履歴を載せた「戸籍の附票」を利用する。コンビニエンスストアのマルチコピー機で戸籍証明書を取得できるサービスは、自治体がマイナンバーカードの公的個人認証と戸籍正本のデータを利用登録時に手作業で突合しており、「マイナンバーとひも付けると負担が増す」(同)。一方で、マイナンバー制度に詳しい京都大学の安岡孝一人文科学研究所教授は「マイナンバーは婚姻や親子関係の確認にしか使わないように限る」ことを提案する。婚姻関係であれば本籍地や年齢による突合がしやすくなり、負担を減らせるという。

うーん、微妙に話が違って伝わってるような。2015年7月7日の日記にも書いたが、たとえ、婚姻関係に限ったとしても、外国人と婚姻関係にある日本人の戸籍に対するマイナンバーの「突合」が、かなり手間だったりする。親子関係になると、さらに大変。なので、婚姻や親子関係より先は、現実的に取り掛かれるかどうかがわからないのだ。その意味では「マイナンバーは婚姻や親子関係の確認にしか使わないように限る」ではなく、実際問題としてその範囲でも使えるかどうかアヤシイので、それ以上の話は「ちょっと待って」というのが正直なところである。

ちなみに、戸籍にマイナンバーが完全に附番できれば、次は、国政選挙のネット投票(特に在外邦人)って話になると思う。ただし、この点については2013年9月10日の日経ITproにも書いた通り、まだまだ難題山積だ。どこまで行っても、先が見えないなぁ。

13507460 journal
日本

yasuokaの日記: ISO/IEC 10646:2017に収録されていない『新潮日本語漢字辞典』の漢字 3

日記 by yasuoka

昨年12月26日30日の日記に続いて、『新潮日本語漢字辞典』の漢字がISO/IEC 10646:2017に全部ちゃんと収録されているか、チェックしてみることにした。ざっと調べてみたところ、以下の98字がISO/IEC 10646:2017に収録されていないようだ。

そもそも『新潮日本語漢字辞典』は、戸籍統一文字の対象となっておらず(cf.「𭓽」字考)、それが回りまわって、ISO/IEC 10646:2017への収録漏れという結果になったわけだ。さて、このあたり、どうケリをつければいいかしら。

13507079 journal
政府

yasuokaの日記: 『番号法第19条第7号の規定により地方税関係情報を照会する場合に本人の同意が必要となる事務を定める告示』に対する再質問状

日記 by yasuoka

昨年9月12日に、『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十九条第七号の規定により地方税関係情報を照会する場合に本人の同意が必要となる事務を定める告示』(平成29年5月29日内閣府・総務省告示第1号)に対して、内閣官房番号制度推進室に再度の質問状を送った。そうしたところ、今日になってやっと回答が返ってきたのだが、これがやはりヒドイものだった。そこで、再々質問を送ると同時に、再質問も含めて、私(安岡孝一)の日記に記録しておこうと思う。

 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一です。

標記の件、御質問頂いた2点につきまして、下記回答いたします。回答が遅くなり誠に恐れ入りますが、宜しくご確認くださいますようお願いします。

正直なところ、この回答では「矛盾」が説明できておりません。

→お示しの資料における「特定個人情報は、本人の同意の有無や法令に基づく場合等かどうかは関係なく、番号法第19条各号に掲げる場合のみ提供できる」との記載は、個人情報保護法制の特別法たる番号法における特定個人情報の提供に係る一般的な考え方を示しているものであり、これを撤回するものではありません。

に関しては、従来方針通りということですから納得の行くものですが

→個人情報保護法制や番号法とは別途、地方税法上、地方税の調査又は徴収の事務に従事している者等には守秘義務が課されており、地方税法総則逐条解説において、情報提供ネットワークシステムを介した照会については、①利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務が規定されている場合、又は②利用事務が申請に基づく事務であり本人の同意により秘密性が解除される場合においては、地方税法上の守秘義務違反には当たらないと解されています。
このため、地方税法上の守秘義務を解除した上で情報提供するためには、①又は②を満たす必要があり、番号法第19条第7号により、当該情報を照会するに当たって、本人の同意が必要な事務及び情報を明らかにする必要があるため本告示を定めました。なお、告示上に地方税法の条文は直接引いていません。

その回答では、私のもともとの「この部分の矛盾を、学生にどう説明すればいいのか、が私の質問の中心です。」を解消することができません。その矛盾をバラバラに回答するのではなく、矛盾を解消するような回答がほしいのです。『地方税法総則逐条解説』を元に告示しました、根拠法も引いてないし、番号法との矛盾も知りません、という回答では、学生に説明しようがありません。

 しかも、この回答に引用されている内容は、『地方税法総則逐条解説』(地方財務協会、平成25年12月24日)の文章を、勝手に改変しています。『地方税法総則逐条解説』第二十二条の元々の文章(p.698)は

情報提供ネットワークシステムを経由してなされる情報照会者たる行政機関等からの照会に対しては、情報提供者たる行政機関等は回答しなければならない旨の規定がある。これに基づいて市町村の税務部局に対して所得情報の提供が求められた場合については、情報提供ネットワークシステムによる情報照会・提供は①利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務が規定されている場合、及び、②利用事務が申請に基づく事務であり本人の同意により秘密性が解除される場合、に限定されていることから、当該情報は両者の関係において秘密ではないと解されるため、番号法第二二条第一項に基づく情報提供の求めに対して市町村が所得情報を提供したとしても、本条に規定する犯罪は成立しないものと解される。

です。「①又は②を許容」と「①及び②を限定列挙」では、意味が全く異なってしまうという点は、以前、私の日記 https://srad.jp/~yasuoka/journal/591502/ にも書いたとおりです。このような「元の意図を捻じ曲げる引用もどき」では、回答そのものに納得することができませんし、番号法との矛盾も、解消できようがありません。

 後期の講義は10月に始まりますので、もう少しだけ、時間があります。よろしく細部まで御検討の上、矛盾なく回答いただくよう、お願い申し上げます。

これに対し、本日、内閣官房番号制度推進室から返ってきた【内閣官房・回答】は、以下のとおり。

平素はお世話になっております。内閣官房番号制度推進室でございます。標記の件、回答が大変遅くなり誠に申し訳ございません。下記のとおり回答いたしますので御確認ください。なお、内容については総務省自治税務局と調整しておりますことを申し添えます。

○ 御指摘のように、マイナンバー法においては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の読み替えにより、同法の本人同意による第三者提供に係る規定が適用されないこととともに、マイナンバー法第22条第1項では、同法第19条第7号に規定される特定個人情報の照会を受けた場合に提供を行う義務の規定があります。これらの規定により、一般的には、情報提供ネットワークシステムを用いた特定個人情報の提供に当たっての本人の同意は不要です。

○ 一方で、地方税法第22条に規定される職員の守秘義務については、個別法令に官公署に対し情報の照会ができる旨の規定があっても、従来からの内閣法制局の見解に基づき、
① 利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務やその担保措置(情報の照会に応じない場合の罰則等)が規定されている場合
② 利用事務が申請に基づく事務であり、本人の同意により秘密性が解除される場合
のいずれかの場合でなければ、地方税法上の守秘義務が解除されず、地方税関係情報を提供することは認められないと解されています。

○ したがって、情報連携の対象とする特定個人情報のうち、地方税関係情報については、法令に上記①の規定がある事務手続については情報提供に当たっての本人の同意を得ずとも地方税法上の守秘義務が解除されますが、上記①の規定がない事務手続については、上記②を踏まえ、本人の同意が必要となるため、別表第2主務省令第60条に基づき本人同意が必要となる手続について告示を制定したものです。

昨年9月12日の回答と微妙に変わっているが、あまりに曖昧模糊としていてワケが分からない。そこで、以下の再々質問を先ほど送っておいた。

 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一です。

標記の件、回答が大変遅くなり誠に申し訳ございません。

はい、もう、後期の講義は、ほぼ終了しつつあります。

下記のとおり回答いたしますので御確認ください。

確認したのですが、回答の内容が曖昧で、矛盾が残ったままになっております。

○ 御指摘のように、マイナンバー法においては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の読み替えにより、同法の本人同意による第三者提供に係る規定が適用されないこととともに、マイナンバー法第22条第1項では、同法第19条第7号に規定される特定個人情報の照会を受けた場合に提供を行う義務の規定があります。これらの規定により、一般的には、情報提供ネットワークシステムを用いた特定個人情報の提供に当たっての本人の同意は不要です。

については、前回の回答(2017年9月12日)と同様、納得の行くものですが

○ 一方で、地方税法第22条に規定される職員の守秘義務については、個別法令に官公署に対し情報の照会ができる旨の規定があっても、従来からの内閣法制局の見解に基づき、
① 利用事務の根拠法律において、本人が行政機関に対して報告を行う義務やその担保措置(情報の照会に応じない場合の罰則等)が規定されている場合
② 利用事務が申請に基づく事務であり、本人の同意により秘密性が解除される場合
のいずれかの場合でなければ、地方税法上の守秘義務が解除されず、地方税関係情報を提供することは認められないと解されています。

に関しては、前回の回答では『地方税法総則逐条解説』だったはずの部分が、今回は「従来からの内閣法制局の見解」に変わってしまっています。しかも、どの「内閣法制局の見解」なのかが具体的に示されておらず、内容を確かめようがありません。

 したがいまして、その「内閣法制局の見解」を、具体的に内閣官房番号制度推進室として、お示しいただきたく存じます。

 と申しますのも、返事を待つ4ヶ月の間に、私の方でも、これまでの内閣法制局意見を、ざっと検討いたしました。特に「昭和38年3月15日内閣法制局一発第6号回答」については、https://srad.jp/~yasuoka/journal/615031/ に検討結果を示しております。この内閣法制局意見に基づく限り、②の「本人の同意により秘密性が解除される」などという話は全く出てきません。この先例が変更された、という可能性も検討したのですが、現時点までに私の方では、そのような先例変更は発見しておりません。

 ですので、その「内閣法制局の見解」を、具体的に内閣官房番号制度推進室として、お示しいただきたく存じます。内閣法制局と内閣官房が別の部局であることは、私も重々承知しておりますが、それでも内閣の中の話ですので、よろしくお示し願います。なお、内閣法制局との間で検討なさる際には、私の元々の質問、すなわち

・「本人同意の有無とは関係ない」とする番号法第19条の基本方針は、今後は撤回されるのか。撤回されるとすれば、具体的な法改正はいつ頃か。
・「本人の同意を得なければならない」とする根拠法は何か。それは個人情報保護法なのか地方税法なのか、あるいは別の法律なのか。その根拠法の根拠条文は、当該告示のどこに引かれているのか。

の2つのあたりを、学生にどうちゃんと説明していけばいいのか、というのが、私の元々の質問だった、という点をお忘れなく。

ただ、これまでの経緯を考えると、次の回答は早くても4ヶ月後なので、年度をまたいでしまう可能性がかなり高い。昨年9月30日の日記でも検討したとおり、あとは内閣官房番号制度推進室がどうやって腹をくくるか、なのだと思うのだが、今後もノラリクラリと逃げ続けるのだろうか。

13504667 journal
日本

yasuokaの日記: 𡶌部神社の「𡶌」は、なぜ文字情報基盤に含まれていないのか

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の1月11日の日記の読者から、丹波市氷上町の𡶌部神社(いそべじんじゃ、法人番号5140005008276)の存在を御教示いただいた。この「𡶌」(山へんに石)は、大漢和辞典の検字番号7987に

二重の山。〔字彙〕𡶌、再生山也。

と記されているにもかかわらず、戸籍統一文字にも文字情報基盤にも含まれていない漢字である。というのも、大漢和辞典7987には

❷岯(4-7995)の譌字。

という字釈も示されているので、法務省は❷の字釈だけを採用して、❶の方は捨てたのだろう。その一方、『汎用電子情報交換環境整備プログラム成果報告書』別冊第6分冊p.2878には「𡶌」が収録されていて、登記統一文字番号「01024730」読み「ヒ・ビ」UCS「21D8C」は示されているものの、大漢和辞典の検字番号が無い。また、JIS X 0213の開発時に参照したNTT『タウンページ』兵庫県には、「𡶌部神社」と「𡶌部神社結婚式場」が含まれていて、いずれも「𡶌」にはF23Bという外字コードが振られていた。うーむ、さてさて、どうしたものやら…。

13502911 journal
日本

yasuokaの日記: 角川新字源13120の「⿰魚諸」

日記 by yasuoka

『角川新字源』(2017年10月30日、改訂新版初版)をぼんやり眺めていたところ、1567ページで「⿰魚諸」(検字番号13120)という漢字に行き当たった。「鯺」の別体で

「䱟⿰魚諸」は、尾がいくつかに分かれ、両側にかいこのような足のある魚(一説に、虫)。

らしい。ふーむ、虫へんで「蜛蠩」かと思ってたのだけど、両方とも魚へんってのもOKなのかしら。

typodupeerror

にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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