Sparkfunというと、フィジカルコンピューティング用品やArduino用拡張ボードなどでその特徴的な赤いレジストの基板を見かけるユーザもいるのではないだろうか。またFlukeといえば計測器メーカーとして、特徴的な明るい黄色と暗いグレーの装置を思い浮かべるという人は様々な分野に渡るのではないだろうか。

Sparkfun Electronicsがブログで明かしたところによると、同社が中国から輸入し$15ほどで販売する2000台のテスターが「暗色のボディと対照となる黄色のふち、枠、形状、被せ物、ホルスターまたは外周」を備えたテスターに関する規定に違反しており、通過できないという通知を今月7日に受け取ったという。Sparkfunはこれに対し黄色という色の定義が曖昧である、中小企業に対する不当な扱いである、反論の機会がない、倉庫費用や破壊費用が負担となるなど記事で不満を延べ、この色と形の組み合わせを商標登録しているFlukeに対し交渉を求めていた。

Flukeはこれに対しFacebookページへ返答を掲載(返答のページ)。Flukeは税関での差し止めには関与しておらず、今回の差し止めについてもSparkfunの記事で知ったとした上で、Sparkfunと連絡を取り、同社が販売またはコミュニティに寄付できるよう、今回差し止められたテスターの総額を超えるFluke製品を無償で提供すると発表した。Sparkfunはこれを受けて新しい記事を掲載。法律事務所と協力してFlukeの商標の影響を受けない国々へ問題の荷物を転送しており、現在の商標関連の法令には納得しないものの、Flukeの行動に感謝し、提供された製品は学校や教育イベントなどで寄付して行くとした。

デジタルテスター(デジタルマルチメータ)は近年大変安く売られている計測器のひとつで、中国から輸入される500円から3000円程度の装置が日本でも容易に手に入る。Fluke製品は1万円前後からと必ずしも競合しない価格帯で、安価な輸入品も特定のFluke製品を真似てはいないものの、グレー、黒、緑色と黒の組み合わせなどに比べ、特に安いものでは丸みをおびた黄色のボディで製造されているものが多い。